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コンビニにアイスを買いに行く

娘は社会人で一人暮らしをしている。
特に用事のない休日前に帰ってきて、休日は完璧なまでの「上げ膳据え膳」な一日を過ごして翌朝に弁当を作らせて出勤していく。

休みがほとんど平日なので、ぼくとはパターンが合わず、帰る日の夕飯(これも娘のシフトが遅番だと帰宅が夜遅いので一緒には食べられない)と休日の夕飯を一緒に食べるくらいだ。
ここしばらくはそんな生活をしている。

先日帰ってきた時は、珍しくぼくが在宅勤務だったので一日一緒に過ごした。
午前いっぱいは寝ていたので(笑)、昼ごはんを用意してから起こしてナポリタンを食べた。
腹一杯になって、またもや眠そうにしている娘にアイスでも食うか、とコンビニに誘った。

一緒にコンビニに向かう途中、信号待ちで反対側にあるマンションの扉に映った自分たちを見た。
57歳の父親と25歳の娘の姿だ。

「娘とコンビニにアイスを買いに行く」

何年ぶりだろうと思った。
娘が小さい頃は一日一回は必ず一緒に行っていた。
小さな手がぼくの手を握る感触はいまだに覚えている。

グッとくる気持ちを抑えて(交差点で突然涙ぐむおじさんは気持ち悪い)コンビニでサクレを買う。
レジでアイスを店員に渡すと同時に後ろから

「57番ひとつ」

の声。
意外と素直についてくるんだな、なんて思ったらタバコが欲しかったのだ。
なんだよ、グッときたの返せよ。

#神田川 #淀橋 #青梅街道 #親子 #エッセイ

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