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路地

京都は路地である。
路地といってもいろいろあるが、これは広い方の路地。
祇園であるのでお茶屋さんが多いのだけど、ここにちょっと貫禄のあるご婦人の和服姿は好いものである。
すっと背筋を伸ばして、少しも暑いなどという表情はしない。
矜持であろう。

昔は各地にこういった路地があったと思うが、戦災やら何やらでなくなってしまって、ちゃんと残すための努力をしている街だけに残っているのだろう。

人がようやくすれ違えるくらいの幅しかない。
だからこういった所で人と出会うと自然にお互いが道を譲るような感じになる。
「どうぞ」
「おおきに。すんまへんな」
会話が生まれて縁が生まれる。
いいな、と思う。

と、あくまで観光客目線で書いてみたが、先の知人によれば京都は遊びに来るところで住むところではないという。

「京都はねェ...。住むとなると色々あるんだわ」

まあ然もありなんである。
東京も似たようなもんだが。

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