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「7」というフィルムカメラ

「フィルムカメラ」と書いてみて、なんか変な感じだと思った。
これは割合新しい言葉ではないか。
デジタルカメラが当たり前になる前まで、カメラといえばフィルムを使うものだったから、わざわざ「フィルムカメラ」と銘打つ理由がない。
カメラ=フィルムカメラだったのだ。
ぼくは白亜紀の人なので、これを「フィルムカメラ」と断りを入れるのに違和感があった、という話だ。
年寄りの戯言だな。

Canon EOS 7

これが手元にある唯一のフィルムカメラである。
まあ壊れて使えないのがいくつかあるが、まともに使えるのは、という意味で。
これは知人から譲り受けたもので、我が家に来てからもう10年以上にもなろうか。

EOSシリーズは馴染み深い。
620の頃から使ったことがあるので操作にも慣れ親しんでいる。
EOS7は2000年発売なので、キヤノンはD30というコンシューマー向けのデジタル一眼レフを出した頃だが、まだフィルムカメラの方が一般的であったから、EOS1VやEOS3に次ぐハイアマチュア向けのカメラとして発売されたのがEOS7であった。
面白いのが「視点入力オートフォーカス」というのがあって、5点くらいの合焦点のどこを見ているかをカメラ側で判断して、そこにフォーカスを合わせるというものだ。


まあ便利なんだか邪魔くさいのかよく分からない機能だが、最新のにもこういうのはあるようなので、このころの物よりも洗練されているだろうからきっと便利ということなんだろう。

今ならいくらくらいで買えるんだろうとネットで見てみたら、軒並み1万円を超えていて驚いた。
ちょっと前まではグラムいくらくらいの値付けだったのになァ。

巻き上げもなければフィルムのセットの儀式めいたことも一切ない。
当然ながら露出を測ったりする必要もない。
ぼくが露出を決めていたら、上の写真みたいにきれいには揃わない。
大変優秀な測光だ。

シグマの古い広角ズームやキヤノンの50mmなんかを付けてよく撮っていた。
フィルムカメラとしては、もうこれ以上進化しようがないレベルまで来ていたように思う。
デジタルカメラへメインストリームが移っていくのは自然なことだったかも知れない。

エモい

最近はフィルムの写真や古いデジタルカメラの画を「エモい」といって若者が好んで使うらしい。
ぼくは三畳紀の人なので(遡った)「エモい」というと、球団がアホやから野球でけへんとか言ってのけるのかと(なんの話だが分かるアナタは同世代)思ったが、どうやらエモはエモーショナルのエモらしい。エモっちゃんこと江本孟紀ことではないらしい。

測光も優秀だしシャッターも1/4000まで切れる。普通のレンズを使えば、もうそりゃ失敗など一切なく撮れる。
こういうのも「エモい」んだろうか。

実態のない言葉遊びが流行る。
まあ時代ってことなんだろう、なんて思考停止だから先カンブリア代の人は老害なんて言われるんだろうな。

たまには大枚叩いてフィルムを買って使ってやろうかな。
あ、電池ないわ...。

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