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OLYMPUS CAMEDIA C-2

C-2 Zoomと見間違う。
カバーを開いてスイッチが入ってもレンズはせり出してこない。
裏側。拍子抜けするほど簡素である。

以前に「C-2 Zoom」を紹介したが、今回はその単焦点モデルである。

C-2なのだからC-1もあって、C-2 ZoomにはC-1 Zoomが先代として存在する。
これはC-1の後継機だが、131万画素から1/2.7型の総画素214万画素CCDに変更したのが大きな相違点であって、あとは内部的な処理機能であったりの違いしかない。
まァ、こうなるのも当然というか、何せ2001年3月にC-1が発売されてから半年くらいしか経っていない頃のC-2のリリースなので、ジャイアントステップをこなす程の時間は経過していないのである。
当時は、そういう時代だったのだ。

軽快であること

カメラを携えていて、その操作感の良し悪しを感じる上で、体感的に如実なのはスイッチなどの反応スピードではないだろうか。
現代のカメラなどは、電源スイッチをオンにしてから撮影可能になるまで瞬時といっていいくらいだし、撮影後もメディアへ記録されるのも、あっという間に終わる。
しかし2000年頃のデジカメは、そうはいかない。
スイッチをオンにして撮影可能になるまで数秒から下手をすると数十秒待たされる事もある。
記録も画素を低く設定すればまだしも、大きな画素数で記録しようとすれば、びっくりするほど待たされる結果になるのだ。
ズームも、今のように音もなくスルスルと伸縮するわけもなく、ずぃーいいいとばかりにゆっくり伸縮する。
ズームが標準のカメラだと、電源のオンオフで、その工程が入るので、更に上乗せで「トロく」感じるのである。

そういう意味では、こういった単焦点はズームの分工程数が少ないので早い(早く感じる)
214万画素程度の記録画素なら、それほど時間もかからないし、存外に軽快なのである。

36mm, F2.8

全体がエンジニアドプラスティックなので、高級感は微塵もない(笑)
レンズも、それほどいいレンズを奢っているわけではないと思うが、これが思いの外よく写る。
画角は36mmで開放F2.8。
ここらあたりは現代でもイケそうなスペックだ。
感度はISO400までなので、レンズは明るいほどいい。また35mmくらいの画角はスナップショットを撮るにはちょうどいい画角ではないだろうか。

単焦点コンデジの流れ

このC-2は2001年の9月発売だが、それから4年後の2005年8月末日に、その後のコンデジの在り方を大きく変えたと言っても過言ではないカメラが発売された。
リコーGR Digitalである。
実はC-1のスペックを調べるために、ネットをウロウロしていて、その中で「GR Digitalが出てからは、そちらに乗り換えた」という書き込みを目にしたのである。
なるほどな、と思った。
こんな事を書くと信者の方からお叱りを受けるかも知れないが、両者間でボディの高級感以外は似通ったところがあるのだ。
発売年が違うので一概に比較することはできないが、その時点でのベストな性能で発売もしているのだろうし、ぼく自身も初代GR Digitalを使っていたことがあるから分かるのだけど、4年の差があるとはいえ、いかにGRと言えども、先に書いたような操作感という意味では、ずいぶんカッタルイものだったのである。
先行きの明暗ははっきり付いてしまっているが、こういったタイプの軽快なスナップカメラを欲しがる層は一定数いつもいて、支持もされるのではないかと思うのである。

評価

目を瞠るような素晴らしい画質なわけではないし、GRのような広角ではないから、当時の書かれたレビューを見ても、C-1のマイナーチェンジという表現が多かった。
実際そうなのだろうから間違ってもいないと思うが、ぼくのようなオールドデジカメファンからも、それほど支持されているわけでもない(具体的に機種名を挙げて褒めているのは一つしか見たことがない)
ジャンク箱でもしょっちゅう見かける顔だが、いつ行ってもそこにあるような不人気機種のようである。
だからこそ、という天邪鬼的な発想ではないけれど、ぼくはこのカメラを支持したい。
特にスナップを撮る人たちには、存外に面白いカメラなのではないかと思う。

遠景。単焦点レンズであるためなのかディストーションも少なく感じる。
コントラストは強めな印象。
スナップ向きのカメラだと思う。画角も好ましい。

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