私たちは食べたもので出来ているvol.20#190
皆様、こんにちは。
佐伯です。
毎週土曜日は食について様々な角度から検証していく連載を始めたいと思います。
私は仕事柄、様々な食品に関わることがあります。
一つの製品に生産者様やメーカー様のこだわりや信念など、様々な思いが込められております。
これが製品の美味しさや健康への配慮、地球への配慮など様々な面でも思いが反映されています。
今まで有機農法の利点などを挙げてきました。
今回は反証としてデメリットと注意すべき点をまとめたいと思います。
そして、有機農法および食への安全について改めて皆様と共通の認識を共有できたらと思います。
①有機農法のデメリット
初めに有機農法は健康と環境に配慮した農業方法として広く認識されていますが、実際にはその裏側に多くの課題が存在します。
特に、日本のような高温多湿の気候では、有機農法の実施がさらに難しい面があります。
日本の高温多湿の環境は、カビや害虫が繁殖しやすいため、農作物が病気や虫害に弱くなります。
蛇足になりますが、有機栽培の食品が海外からの輸入品が多いのもこれが理由です。
私も有機栽培のハーブティーなどを取り扱っていますが、原産国はエジプトやエチオピアが多いです。
これは乾燥しておりカビや害虫の管理が容易な点が挙げられます。
話は戻りますが、有機農法では化学的な農薬や合成肥料の使用が制限されているため、これらの問題に対処する手段が限られています。
その結果、作物の損失が増え、生産効率が低下することが往々にしてあります。
これにより、有機農産物の価格が非有機産品に比べて高くなることも一因です。
また、安全性についても劣悪な環境下での有機栽培された野菜はカビが発生していることも往々にしてあります。
そのため、必ずしも有機農法で栽培された野菜が安全な食品であるとは言えないことに十分に注意して下さい。
②購入時の気をつけること
有機農産物を購入する際には、その認証マークを確認することが重要です。
日本における有機JAS認証は、製品が厳しい有機基準に従って生産されていることを保証します。
しかし、市場には偽装製品も存在するため、消費者は認証マークの存在だけでなく、その出所や生産者の情報も検討する必要があります。
また、有機製品を選ぶ際は価格と品質を見極め、最適な購入決定を行うことが求められます。
③それでも必要な有機農法
有機農法の最大の利点は、生物多様性の保護に寄与することです。
化学物質の使用を控えることで、土壌と周囲の環境を守り、多くの野生生物の生息地を維持することができます。
さらに、有機農法は持続可能な農業の実現に向けた重要なステップとなり得ます。
いわば有機農法とは焦点を人間に当てたものではありません。
地球、そして環境に対し配慮した農法であるということです。
しかし、人間も食べていかなければなりません。
そのため、重要なのは有機農法を割合を増やしつつも、現行の農薬や化学肥料を使用した農法で食べる量を確保することです。
そのため、有機農法と現行農法を善悪で語るのはナンセンスな話だと私は感がます。
④まとめ
有機農法は多くの利点がありますが、実際の課題もあることについて認識することが大切です。
有機産品を選ぶ際は、安全性の担保となる認証を確認し、その製品が環境および健康に与える影響を考慮した上で慎重に選ぶべきです。
環境への責任を果たすとともに、個人の健康を守る未来への選択になるということを心の片隅に置いて頂けたら幸いです。
それでは皆様、ご機嫌よう。
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