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私たちは食べたもので出来ているvol.13#141

皆様、おはようございます。
佐伯です。

毎週土曜日は食について様々な角度から検証していく連載を始めたいと思います。

私は仕事柄、様々な食品に関わることがあります。
一つの製品に生産者様やメーカー様のこだわりや信念など、様々な思いが込められております。
これが製品の美味しさや健康への配慮、地球への配慮など様々な面でも思いが反映されています。

さて、前回は皆様にお塩に違いがあることをお伝えしました。
なので今回はお砂糖について掘り下げてみたいと思います。

実はお砂糖と一括りされますが、材料や製法によって味や栄養素が全く異なります。
ここでは一般的なお砂糖の製造方法をご説明した上で、おすすめのお砂糖をご紹介したいと思います。

お砂糖は本当に奥深い調味料です。
是非、普段のお料理やお菓子作りの参考にして頂けたら嬉しいです。


①お砂糖の作り方

皆様、恐らくよくお店で見かけるお砂糖は「上白糖」と「黒糖」ではないでしょうか?
個人的には黒糖がとても好きです。
割れた状態で販売している黒糖などは永遠に食べれそうなぐらい美味しいですよね。

これらの代表的な2種類のお砂糖は実は途中まで同じ工程で作られているのです。

ここでとても分かりやすく砂糖の精製を説明したサイトをご紹介します。

まずは原材料はサトウキビです。
小学校の頃、学校の先生が地理の授業で生のサトウキビを持って来てくれたことがありました。

本当に木の枝をガシガシ噛むと甘いんですよね。
最初にこの枝が甘いと発見した人はすごいと思います。

話は逸れましたが、サトウキビを圧縮機で樹液のみ搾り取ります。
これを濾過し、煮詰めて冷まして固めるとまずは「黒糖」が完成です。

この際に固めずに遠視分離機で蜜と砂糖の結晶を分離し、更に加熱することで原料糖が完成します。

この原料糖が上白糖の元になります。
実はここで一度、工場が変わります。
今まではサトウキビから原料糖まで一貫して同じ工場で精製していましたが、ここから先は精製作業になります。
精製作業は専門のメーカーがあり分業で砂糖を製造しています。

社会のメカニズムということか、それぞれ専門のメーカーがあり、それぞれ得意な分野で加工し最終的に私たちの食卓に届くのです。
これは砂糖に限らず全ての商品に言えます。

唯一例外といえばかつての原油ですね。
特に欧米資本のかつて「セブンシスターズ(7人の魔女)」と呼ばれる石油の採掘から販売まで一環して行い石油元売企業7社が世界の石油事情を牛耳っていた時代があります。
今では技術革新によりアメリカがシェールガスなど高度な技術を駆使し大量の石油を算出できるようになりましたので随分力は衰えました。

話は逸れましたが特定の数社が独占的に市場を支配することは健全な市場経済に悪影響を与えます。
そして何より、初期投資に莫大な資本が必要になります。

多くの企業がそのような資本投入をすることは現実的には難しいので大量生産の場合、国際分業が現在では基本となっています。

話は逸れてばかりですいません。
ですが、製品を作ることのプロセスとなぜ分業するかは結構大事な部分なので詳しく説明しました。
反証としては少量生産・少量の商品に絞り、川上から川下まで自社で行うことで独自のブランディングを行うこともマーケティングとしてはありです。有名なのはイタリアの高級スポーツカー「フェラーリ」などが該当します。

さて、話は戻りますが原料糖が精製工場に搬入され加熱と濾過、遠心分離を繰り返し不純物を綺麗に取り除きます。
すると私たちがよく食卓で使用する上白糖が完成します。

お砂糖一つ作るにも物凄いストーリーがあるなんて、とても面白いですね。

②おすすめのお砂糖「甜菜糖」

簡単に甜菜糖をご説明しますと、上白糖に比べミネラルやカリウムなど上白糖には含まれない栄養素が多く含まれているからです。
また、腸内の常在菌の栄養になるオリゴ糖も含んでおりお腹の調子を整える作用があると言われています。

また面白いことに甜菜糖は北海道で作られることが多いです。
なぜなら、原材料の甜菜(ピート)はカブなのです。
そのため寒い地域でよく育ちます。
こういった原材料の違いが栄養価や風味にも大きく影響する点がまた面白いです。
甜菜糖はそれなりに生産されているので上白糖より少し高い金額でスーパーなどで買えます。
こういった買いやすさもポイントですね。

③最後に

お砂糖にはいろいろな種類があることを知って頂けたかと思います。
この他にも羅漢糖やパームシュガー、ココナッツシュガーと世界中に多種多様なお砂糖が存在します。

それぞれ特徴があり、独自の美味しさがあります。
皆様の作りたいお料理やお菓子に合わせて色々試してみるととても楽しいと思います。

ですが最後にお砂糖のとり過ぎだけには気を付けて下さいね。

それでは皆様、ご機嫌よう。

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