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【能登半島地震の話】被害地域の住民転居が拡大。なぜ行政の対応が遅れるのか?#223
皆様、おはようございます。
佐伯です。
昨日、地元の報道で中々ショッキングな報道があったので今回取り上げてみたいと思います。
以前、私のnoteでも取り上げました懸念事項が実際に顕現化してきました。
そこに住む私たち住民に取ってはいつ崩壊するか分からない家屋で生活するなど選択肢にも入りません。
こういった甚大な被害を受けた住民の方々は現在、仮住まいのアパートなどに多くが入居しています。
そして引退されている高齢者の方々は日中、少しずつ傾いた自宅に入り片付けをしておられます。
恐らく先の見えない不安で一杯でしょう。
1月1日に発生し、既に5ヶ月が経過しています。
そろそろ半年が過ぎようとしています。
なぜ、ここまで遅れるのでしょうか。
①行政特有の縦割り社会の弊害
高岡市のような基礎自治体と呼ばれる市町村は政令市と違い権限が殆どありません。
市道や市の直営の施設、緊急的な修繕などは首長の判断で可能ですが今回のような広範囲のエリアを修繕するような大規模事業の場合、県や国のお伺いを立てる必要があります。
実はここが厄介なところなのです。
政令市以外の基礎自治体は、言葉は悪いですが国の孫請けです。
トップダウンでの指示は頻繁にかつ無謀なものが多い一方で、ボトムアップの陳情は直でのやり取りはほぼ不可能です。
ちなみに私の経験した国からの指示で酷いと感じたのはマイナンバーカードの取得率が低いと地方交付税交付金を減額すると総務省からお達しがあったことです。
他人に財布を握られていると言うのは、こうも苦しいものだと感じました。
同時に稼ぐまちづくりが必須だと強く思いました。
話はそれましたが、基礎自治体が要望を出すときは必ず県の市町村の取りまとめ課を通じて要望を出さなければなりません。
その手順を踏まなければ門前払いどころか、首長か部長に県と国からクレームが入ります。
そしてその要望も、必ず書面で作成し起案して決済権限者の了承を得て県に提出します。
県も同様のプロセスを踏んで国に提出します。
そのため非常に時間が掛かります。
なので年度初めに申請した国補(国が出す補助金のこと)が年度末になって了承の通知が来て、次年度に入って前年度の出納整理期間(次年度の5月末までは前年度の会計年度で処理ができる)なってから入金などザラにあります。
今回の液状化の対策を行う上で担当省庁は恐らく国交省か総務省あたりだと思いますが、当時と変わらない手順を踏んでいるのであれば、まだまだ時間は掛かると思います。
②できる改善はたくさんある。
判断や責任の所在なのど人間の資質に関わるところはどうしようもないですが、少なくとも情報の伝達についてはできる改善はたくさんあります。
その中でもデジタル技術を活用した各自治体の基幹システムの標準化は必須です。
平成の時代に一度、デジタル化が盛り上がり各市町村が一斉に取り組みました。
ですが、ここで最大のミスがありました。
それは、国が統一的なシステムの要件、つまり標準仕様を定めなかったのです。
そのため各市町村は地元のシステム開発企業に丸投げしてしました。
システム開発企業は大体の仕様を国からなんとくヒアリングしてとりあず作ったのが今日、各市町村で稼働しているシステムの源流です。
そのため、当初は異常な程バグが多く隣の市町村とも連携できず、せっかくシステムを導入したものの規格が違うため住民票の受け渡しも結局職員が書面で持ってく羽目になりました。
前回の失敗の問題点は2つあると考えます。
1つ目は統一的な標準規格を国が定めて無かったこと。
2つ目は各市町村に情報技術を専門に扱う専門職を配置、育成をしなかったことです。
現在はデジタル庁が地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に向けて作業を進めています。
蛇足ですが、デジタル庁のHPは本当に出来が良いと私は思っています。
どんな性能、環境でもきちんと情報を取得できるように軽量化とデザインがされており無駄がありません。
昨今のゴテゴテしたHPより行政のHPとしてこれ程、お手本になるHPは他には無いかと思います。
話は戻りますが、現在、富山県においてもDX専門職員を採用、育成しています。
あとは、年功序列の既存のおじさん職員と新進気鋭のデジタル専門職員との待遇の擦り合わせが課題では無いでしょうか。
待遇の悪さはどこの地方公共団体も一緒です。
民間なら労基が入ったら一発で営業停止を喰らうような職場もたくさんあります。
どれだけ優秀な職員を採用し、大切に育て、活躍できるようマネジメントするかがとても重要です。
そうでなければ、また大規模災害や有事の際に後手後手に回ってしまい人々が都会に移住してしまいます。
③まとめ
今回の災害は天災であり、防ぎようが無いのは事実です。
ですが、そこから先は話は別です。
あまりにも時間をかけてしまって、街から人々が居なくなってしまっては人災です。
そうなってしまったら手遅れです。
そうならないよう、少なくとも判断と手続きの迅速化のための取り組みを更に加速して欲しいと願っております。
それでは皆様、ご機嫌よう。
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