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明石市文芸祭の授賞式に出席しました

(以下の文章は、自分のブログの3/24からの転載に、文章を付け加えたものです)

昨日、明石市文芸祭の授賞式に出席しました。
東京からわざわざ来られた方もいて、ビックリしました。

不届きな僕は、最初、受講する詩の講座とダブルブッキングしたので、講座優先で欠席しようと思っていただけに反省しました。
講師の福田知さん子からの丁寧な講評会は、プチ詩論、プチ創作教室になって、すごくためになりました。

来年は、この明石市文芸祭へ、詩の方はもう投稿しないでおこうかと思ってましたが、少し気持ちが揺らぎました。
小説や、児童文学、川柳、短歌は、引き続き投稿予定なので、詩も出していいかもと考え直してもいます。

もちろん、仮に応募しても、次も自作が一席の、市長賞になるとは自惚れていません。
末席でも、この講評会には出席したくなる貴重な時間でした。ただそれだけです。

東京から、わざわざ、ご出席の方2組のうちの、お若い男性の横道さんに、散会後、「ご苦労様です」と話しかけたところ(女性だと、ナンパに見られては困るので、話しかけません)、
小説もお書きになる、いや、そちらがメインだ、と横道さんはおっしゃられました。

「へえー」と僕は反応してしまい、僕の知る限りの、有益な小説創作教室の情報やら詩についてのあれこれをお伝えしました。
兵庫県民を代表しての、せめてものお礼の気持ちと歓待を込めてのことでしたが、かなり長い話になり、お許しくださいませ。

申し訳ございません。m(_ _)m

さて、記念の50回目ということで、午後の授賞式前に、午前中、例外的に小川洋子さんの講演会「小川洋子と文学」がありました。
倍率は、なんと10倍だったそうで、僕たちは受賞者特権で席を優先予約していただけておりました。
すごくラッキーでした。

よく考えると、小川洋子さんの素晴らしい講演会があれば、僕も、たとえ東京でも逆に出かけたかな、と今、気づきました。
その講演会内容が、司会の方とのトークショー形式だったんですが、実に素晴らしかったです。

僕は今まで、作家・詩人の講演会は講座を含めると、おそらく100件近くか、それ以上、聞いたことがあります。

小川洋子さんは、過去に二度ほど、講演をお聞きした記憶があるのですが、今回の内容とは全く被らず、実に有意義なものでした。
数ある講演会経験の中でも、トップクラスに面白く有意義なものでした。

今回は、特に「博士の愛した数式」に関連した、話が多かった気がします。
代表作ですから。

博士の愛した数式(新潮文庫)

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猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)

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内容の一端をご紹介すると、

「(今、書いている長編作品を、書きあぐねているとの自己紹介の後で)無数の選択肢があって、(書くことは)めんどくさい。仕事とは全て、めんどくさい、ですよね」

「作家は、正しいと正しくない、生と死とかの境界線を否定することから始まるのではないか」

「作家は、言葉を使って、世界の美しい真理を見出そうとするが、数学者は数式で、真理を見い出す」

「ことばの上での矛盾があって、あやふやさを許容することが大事」

「百万人じゃなくて、たった一人でも、「自分のために書いてくれたんだ」と思ってくれる人に、本を届けたい、と思って(書いて)います」

「若いときは自分をわかって欲しいと思って書いていた。でも、今は、実はこんな(境界線にいる)人がいることを伝えたい」

他にもありますが、僕の琴線に触れたものの中から、抜粋しました。

特に、小説家が、何を目指して書くべきか、の真髄は、ちょうど、純文学ってなんだろうと考えあぐねていた、僕の命題そのものでした。

ずばり、ド直球が入ってきたので、びっくりでした。

もし今の僕でなければ、強く響き、共鳴できないタイミングだったので、ああ、これもシンクロニシティじゃんか、と気づきました。


そんなこんなで、なんとなく凍っていた時計の針が、脈動し、動き出した予感を感じた、不思議な1日でした。


3/27(水)の今の時点で、小川洋子さんの本をいくつも集め出した途中でしたが、その中で短編集『夜明けの縁をさ迷う人々』について、講演中でも、言及されておりました。

ちょうど、その本を、僕は7・8年前だかに昔、分析読みした記憶があるので、探して見つけ出してきました。

で、もう一度、丁寧に分析読みをかけたところ、その以前、見えなかった因果プロットの文章間の流れや効果が実によく見えて、その文章がなぜ置かれたのかの理由がおどろくほどハッキリと見えました。

まさに、小川洋子さんの講演会で、仰った意味がよくわかりました。

僕の腕前が数段、上がっているような錯覚さえ覚えました。
実際、この小川洋子さん視点で、感じる文章感覚を自分のものにできれば、数段どころの話じゃない気がします。

貴重な学びの場となり、新たな知見を得ることができた講演会でした。

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