見出し画像

流産手術をしてきた(2022/09/02)

「採血4本とりますね」
「よ”ん”ほ”ん”」

処置室に入って最初の会話である。
嫌すぎる。

「このあと点滴のルートもとります」
「て”ん”て”き”」

※以下ずっとわたしは藤原達也ばりに濁点過多のおしゃべりをしていますが鬱陶しいので省略します

「麻酔って眠っちゃうやつですよね」
「そうですね~」
「背骨に刺すやつ?」
「いやそれはもっと大掛かりなやつ。点滴でお薬入れます」
「点滴ィ……」

まじで体に針が入ってくるのがかなり嫌なので、採血も点滴もめちゃくちゃ嫌だ。点滴に至っては長時間つけてなきゃで本当に最悪。
つくづくこいつよく帝王切開で出産できたなと思うわ。
点滴の針刺す前に歯医者さんみたいに患部にうすーく麻酔塗ってから刺してほしい。

流産手術の前処置の話である。
生まれてこの方健康優良児を貫いてきて、手術台にあがったことといえば前の帝王切開1度きり。全身麻酔も経膣分娩も経験がない。
自然排出は陣痛並みの痛みが来ると聞いていたが出血から特に痛みもなく手術となってしまった。
陣痛も経験がない。もちろん子宮口を開く処置も人生初。痛いって聞いてますけど…あと時間かかるって聞きますけど…
「いや、出産と違って子どもちっちゃいし子宮口全開まで待ったりしないから」
と同じ手術を経験した友人から聞いて、なるほどと思う。
が、処置は無麻酔なのでやっぱ痛かったし、「いっって!?」つったら「他の患者さんもいるのであんまり大きな声は! ネ!?」とか言われてなにもネ!? ではないが!?!?!?? になった。
あと手術室の都合なのかわりと待つ。子宮口関係ないただの待ち。

いやこれみんな悲しみが勝って色々おかしなことに突っ込めてないことない?


わたしはまず流産手術にもパートナーの同意署名が必要なことにめちゃめちゃびっくりしたよ。
ふつうに人工中絶もパートナーの同意要ってのも「ええっ!?」て感じだけど、これはまだ「2人の子どもの処遇だからね」という理屈がつく。まあ理解はできる。その理屈が通るかは別だけど。
でも今回(流産後自然には出てこなそうなので人工中絶)はさすがにわたしの体のことでしかないだろ。
「産んでほしい! 堕胎しないでくれ!」
つって署名しないパートナーもいやこっちの都合~!?!? お前が産め~!!?、?!?!? だけど、今回はもうこれほっといたら後遺症残る可能性あるし(残留物が出きらないとそこから炎症起こしたり不妊の原因になったりするらしい)、自然排出は体への負担もあるからねつって手術になるわけでね。これに同意しないってかなり頭がアレですよね。

妻の生殖能力は夫婦のものだから…ってコト?! 
くっせ。うんこかよ。
妻側の婚姻後の権利として365日24時間厳密な射精管理+自己処理にパートナーの同意署名が必要な制度にしてやろうか????? 
それはもうそういうプレイだな。

手術が決まる前、また出血したら電話してねと言われていたので電話したら「今から来てももうすぐ閉まっちゃうから、明日の朝予約取ってきてください」と指示があった。それは仕方ない。急だし。たしかにもう16時過ぎだったし。
翌日予約して行ったらその電話にしっかり「再診料」がついていてびっくりした。
「あれっ? わたし前回再診料お支払いしてないってことですか?」
「そうですね」
「??? 前回の明細持ってるんで見ても?」
「いや、昨日の電話の」
「ああ電話! で、電話!?」
電話ってあの「電話じゃなにもわからないから明日来てください」の電話!?
あれ電話診療にカウントしてるってこと!?

あと頸がん検診受けてるかどうか聞かず検体とって勝手に自費で受けさせられたりとか。
「術前検査として採血と心電図とりますけど、母子手帳の補助券ないので自費になります。2万5000円」てさらっと言われたりとか。
「この状態(子宮内胎児死亡・流産進行中)で母子手帳もらってきてとも言えないですし」とも言われたな。いや、そりゃそうだけどもよ。
なんっっか色々不透明なんだよな~このクリニック。
とりあえずもう来ない。さよならだ。
唯一よかったのは掻爬じゃなくて吸引法だったことだけど、まじでそんだけ。
麻酔これから入れるよ~って時にわざわざ効く前にカチャカチャクスコいれて多分ラミナリア引っこ抜かれたのもまじで痛かったし「ちょちょちょ! 痛い痛い麻酔は!?」「麻酔はまだ効いてないので始めないですよ~準備してますからね~」ってその準備が痛えから麻酔効いてからにしてくれつってんだよ!!!!!!!

しかし全身麻酔にはちょっと感動した。
「1入れまーす」
「あっすごいちょっと朦朧としてきました」
「目瞑っててくださいね~」
「はーい…いててててて!!!」
「全部入れちゃってくださーい」
(はぁ~~?? くっそこいつ黙れと言わんばかりに麻酔増やしやがった。つかだから効いてから諸々準備も始めたらよろしいやろがい!!)
と、ドクターに内心キレまくっていたのが術中最後の記憶で、気づくとベッドにいた。
横向きに寝てたので「知らない天井だ…」とはならなかった。
実際は「知らん…いやさっき見たな、ベッドサイドのゲロ袋だな…あっもうベッドか……」だった。
手術前後もずっとついてて下さっていた看護師さんはたぶんわたしより10センチは背も低く華奢な感じの方だったので、運ぶの大変だっただろうな~と申し訳なく思う。
と、その看護師さんがカーテンを開けて様子を見に来てくれる。

「あ、目覚めました?点滴抜くけどもうちょっと休んでてくださいね」
「ありがとうございます。運ぶの大変でしたよね」
「えっ? いえ、支えはしましたけどちゃんとここまで歩いてくれたので全然」
「歩っ…???????????????」

歩いたらしい。どゆこと? 人体の不思議展なんだが??



ということで、今回の妊娠はクリニックと施術ドクターへの怒りで幕引きとなった。
くっそ二度と来ねえからな。
これから夫となんかおいしいもの食べて打ち上げします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?