Threadsが今面白い理由
「スレッズで10人のお客様がご来店くださいました!スレッズまじすごい!」
こんな投稿スレッズでマジでよく見る。
Xでは一切見ないのにスレッズではよく見る。
スレッズのフォロワー数も100人未満のようなアカウントでも「スレッズに投稿したらお客様からのお問い合わせが急増!スレッズすごい!」
みたいな胡散臭い投稿を非常によく見る。
テンプレか?と思うほど似た様な文章がよく流れてくる。
繰り返すが、同じような文章投稿SNSのXではほぼ見ないが、スレッズではよく見る。
以下その理由を深掘りしていき、ひいてはSNSで集客するにはどうすればいいのか。みたいなあっさーい話しをしていこうと思う。
Threadsが今面白い理由
最近Threadsが面白い。
ThreadsとはInstagramを運営している、Meta(旧Facebook)が開発した、テキストベースのソーシャルネットワーキングサービスだ。
Twitterに似た機能を持ち、短い文章(スレッド)を投稿し、他のユーザーと交流することができる。
所謂インスタ版Xだ。
2023年7月の開設当初はtwitterがXに変わる最中で、これからTwitterはオワコン。時代はインスタと相性のいいスレッズや!
みたいな空気感もありわずか数日で数千万人(報道によっては1億人)のユーザーを獲得したことで話題になった。
その後ははっきり言って大して盛り上がっていない。
そんなスレッズが2024年11月現在なぜ面白いのか?
理由はSNS初期の混沌具合がいまだに垣間見えるからだ。
人間の限りなく純度の高い欲望がよく観察できる。
「スレッズで万バズ何回も達成!スレッズの伸ばし方わかったわwww」
「スレッズでお問い合わせ爆発的に増えた!スレッズ凄い!」
みたいなSNSに夢見る人を騙すような投稿や、
「彼氏と別れて性欲やばいwww大阪で会える人いませんか?プロフィールのLINEから連絡してね」
というゴリゴリ業者の様なアカウントに群がるおじ。
「癌には糖質制限が効く!」という系統の方など、リテラシーが無く、ルール整備も何もされていない様なカオスの投稿が山の様に見れる。
これがSNSの進化過程をリアルタイムで観察できている様でとても面白い。
SNSの変遷
個人的にはこの様な現象はどのSNSも同じ様な変遷を辿っていると思っている。
SNSに慣れていない人が話題になったSNSを試してみる
↓
他のSNSを主な活動場所にしている人は新しいSNSでの活動メリットが少ない為、新規SNSへの参加率が低い(現在の活動場所で十分なメリットを享受している場合)
↓
SNSに慣れていない人たちのみでSNSが盛り上がるので、SNSリテラシーが低い状態のままで盛り上がる
↓
そのうちリテラシーが低い人が活動を控える様になる(炎上や詐欺等のダメージ、もしくは運営の規制等)
↓
その状態でもSNSが活発であれば企業や他媒体のクリエイターが参入。ユーザー数増加
活発でなければユーザー数減少
という順序が一般的かなと思う。
ユーザー数が増えたものの代表例がTikTok
消えていったものの代表例がクラブハウスだろう。
(クラブハウスはそもそも他人の会話聞くってどういうこと?みたいな側面あったのかもしれない。詳しくはわかんね)
スレッズはXという完全上位互換があるので、今後どうなるのか全くわからない。
(そもそもSNSの未来のことなんて誰もわからん。)ただ今後の変化を大変興味深く見守っている。
Threadsの
イキリ投稿はなぜ?
話が長くなってしまった。今回特に深掘りしたいのはこれである。
「スレッズで万バズ何回も達成!スレッズの伸ばし方わかったわwww」
「スレッズでお問い合わせ爆発的に増えた!スレッズ凄い!」
この様なイキリ投稿がスレッズ上で散見される。Xでは全く見ないのに。
いや、散見されると言うよりも、よく見る。めっちゃよく見るといっても過言ではない。
(あと万バズの定義っていいね数が1万超えることよな?スレッズやと閲覧数1万で万バスと言ったり、いろんなイキリ投稿が見れるからおすすめ)
何故なのだろうか?
僕の予想を結論から言うと
ハッタリをかましてお金稼ぎをしようとしているんじゃね?
です。
以下に理由を書いていく。
まずはそもそもSNSでの集客ってむずいよって話から。
そもそもSNS集客むずい
上記の様な投稿をするアカウントを見つけ次第全て、プロフィールを見に行ったがまぁバズっていない。
スレッズもインスタも1000人を超えるフォロワーもいない場合が殆どである。
ひどい時には5人のフォロワーだった場合もある。
別に私自身がすごいクリエイターだとは思わない。
インスタのフォロワーも3万人程度である。全SNSのフォロワーを合計する所謂チート技を使っても、11万人程度である。
世の中にはもっと文字通り「化け物級」のクリエイターなんて山ほどいる。
しかし有難いことに、これまで多くのクリエイターとお話しさせていただく機会があった。
TikTokの本社にお邪魔させていただいた経験や、クリエイターの勉強会等を主催してフォロワー100万人を超える様な凄い方を講師にお招きしたり、
様々な種類のクリエイターの方々に、お話を聞かせていただく場面が、とても多かった。
聞いた話だけでも
TikTok100万人を超えるインフルエンサーがLINEスタンプを販売しても月の売り上げが1000円程度。
インスタ60万人超えのクリエイターがリアルイベントで来場数人。
YouTube30万人声のクリエイターが有料イベントで来場10人程度等
聞いた話だけでもSNS集客での失敗談に枚挙にいとまがない。
アストレの失敗談
もちろん僕も派手に失敗している。
しかも自分だけではなく、人様に大迷惑をかける形で大失敗している。
僕はありがたいことに、TikTok公式の学校の様なものである
「TikTok Creator Academy」の2期生に選んでいただいた。そこでは100人のクリエイターが集まり、3ヶ月間SNSについて学ぶというものである。
フォロワー数100万人越えの配信者、カンヌ国際映画祭大賞受賞の映画監督、youtube30万人越えのシンガーソングライターユニット、FP、大工、税理士、弁護士、猫系、グルメ系、ダンス系、コスメ系などの多種多様のクリエイターと共にSNSについて学ぶ機会を頂いた。とても有意義な時間で、SNSについて友人と議論を交わす様になったのはこの頃からである。
そのご縁がきっかけで「SNS EXPO」というインフルエンサーが集まって行う大型リアルイベントに参加させていただいたのだ。
100名近いインフルエンサーが万博公園にブースを出し、それぞれの方法でフォロワーと交流しよう。
というものである。
事前予約権が完売したクリエイター、サインや物販に大行列を作ったクリエイター、マジックショーでステージを大いに盛り上げたクリエイターなどほとんどのクリエイターが会場を盛り上げていた。
一方アストレブースの来場者はというと
2組
2組だけだ。
この時のフォロワー数は3万人ほどだっただろうか。
他のクリエイターは人めっちゃ呼んでるのに、僕はというと2組だけ。
大赤字。
圧倒的大赤字である。出店料は徴収されていないので、運営にえげつない負担を強いているのである。
おんぶに抱っことはこの事。お荷物にも程がある。
あれほど恥ずかしかった記憶は最近では思い出せない。
今回の大失敗の理由を挙げればキリがないのだが、この反省はまた次回のnoteにとっておく事とする。
SNSは全国発信
閑話休題。それにSNSは全国的に発信。
例えば1投稿でフォロワーが100人増えたとして、そのフォロワーが全員近くにいることなんてあり得ない。
(ローカルな発信してる場合は除く)
例えば「サッカーに有効な筋トレはこれ!」と発信してその投稿が100人にいいねされたとする。
そのうちの何人が来店可能な範囲にいるのか。
そもそも集客しようと思っても、遠かったら人は来ない。当たり前のことだ。
それなのにスレッズのたかだか1投稿で10人の来店が!とか言う人は、それの実現可能性がどの程度なのか想像するといい。
(オンラインビジネスなら距離は関係ないが、件のつぶやきはオフラインビジネスの方が異常に多かった。美容師やエステなど)
それでもイキリ投稿をする理由
ではなぜ「スレッズで集客ができた!」などと投稿するのか。
それには2つの理由がある。一つは
「並んでるラーメン屋の方が美味しそう理論」
二つ目は
「SNS先行者利益を狙ったSNS初心者1本釣りビジネス」だ。
「並んでるラーメン屋の方が美味しそう理論」
一つ目の「並んでるラーメン屋の方が美味しそう理論」に関しては、多分何らかの心理学用語があった気がするが、理解すれば名称は不要なのでこのまま話を進めることとする。
単純にそのままなのだが、人は全く同じ商品があった場合、選択基準に他人の評価を重要視すると言うことだ。
「並んでないラーメン屋より並んでるラーメン屋の方が美味いに違いない!」と言う至極単純な話である。
つまり「スレッズで集客ができた!」=「私が提供しているサービスは他人にすごい評価されてるんですよ!だから私に興味持ってね!」ということだ。
その他人の評価をアピール(実際に集客がなければ捏造)するために「スレッズで何件のお問い合わせきたwww」みたいな自慢投稿をしているのである。
もちろんSNS運用を始めて、想定以上の反響が嬉しくてついつい興奮を呟いてしまった可能性もあるだろう。
ただあまりにも同時多発的に同様の呟きが多すぎると思う。
個人的にはどこかのコンサルが「こんな感じで投稿するといいよ!」って言ってんのかなーと考えているが、真偽は不明である。
「SNS先行者利益を狙ったSNS初心者1本釣りビジネス」
そして2つ目が「SNS先行者利益を狙ったSNS初心者1本釣りビジネス」である。
皆さんもご存知の通りSNSは儲かる。そして先行者の利益が大変美味い。美味すぎるものである。
全く同じ内容でSNSをやる場合、先行者か否かでフォロワー数が大きく変わる。
そしてフォロワー数は案件の単価や案件の振られやすさにかなーーーーーーり大きく影響する。
もちろんフォロワー数が多ければ、集客にも有利だ。より多くの人にチラシを撒けるのだから。
その先行者利益を狙ってSNS開設初期には多くの人が殺到する。懐かしいクラブハウスもそうだし、スレッズもそうだ。
スレッズ開設当初は多くのインフルエンサーが先行者利益を狙って、投稿を活発に行なっていた。
しかしまあバズらない。
恐らくだがスレッズが使いずらい。これによる影響だと思う。
Xと違って見にくいし、使いにくい。面白い投稿をするアカウントも少ない。
そしてバズりにくいし、バズった実感も湧きにくい。
ともなれば多くのインフルエンサーが撤退する。
ビジネスにならないからだ。バズらないのなら他のSNSに時間を投資する。
その結果、現在多くのインフルエンサーが撤退し、他のSNSをやっていないSNSビギナーたちがスレッズを利用しているのだ。
つまりまだ
この人はスレッズで超有名!みたいな人はほとんどいない状態なのである。
スレッズはアクティブユーザーは少ないが、認知度はInstagramの影響で高い。つまりまだSNS先行者利益取れそう!と思わせるには絶好のSNSなのだ。
そんな中「スレッズで集客できた!」なんて投稿を見たら
SNSビギナー達は食いつく。
「え?!スレッズって簡単なん?動画編集の仕方もわからんし、文章打つだけでお金稼げるなら私もやろっかなー」
「まだそこまで流行っているわけではないし、流行に備えるためにも、今の初期ボーナスタイム中に、俺も私もSNS始めて一山狙っちゃう?」
となり、「スレッズ簡単!すぐ集客できる!」などと宣う人をフォローし、崇め奉るのである。
(これと全く同じ手法をTikTokで行った方を、知ってる人も多いと思います。)
そこから先はコンサルの営業をかけたり、「スレッズ攻略法」等のnoteを販売の利益を狙って活動していくといった流れだ。
SNSで先行者利益を狙いたいSNSビギナーに、SNSのやり方教えますよ!
と言って儲けるわけですね。
つまり「スレッズで簡単に集客できる!」と呟くと
1、「並んでるラーメン屋の方が美味しそう理論」で既存ビジネスのお客が増えるかもしれない
2、「SNS先行者利益を狙ったSNS初心者1本釣りビジネス」でコンサル生やノート販売を狙う
といったメリットがあると思っているのだろう。
改めて言うが、もちろんSNS運用を始めて、想定以上の反響が嬉しくてついつい興奮を呟いてしまった可能性もあることは忘れてはならない。
やめとけ
ここまで書いて万が一「俺も私もスレッズ始めよう!そしてスレッズで集客出来た!」って投稿しようと思ったあなた。
SNS集客向いてないからやめとけ。
今までの話は「スレッズで集客出来た」と投稿する人の心理を説明しただけである。
実際に集客ができるかはまた別の話だ。
実際に「スレッズで集客出来た」と投稿するメリットが、あるかというと個人的にはほぼ無いだろうと考えている。
理由は単純
SNS集客はそんなに簡単じゃ無いから。
以下アストレの例を参考に見て行く。
アストレのSNS集客例
例えばスレッズより圧倒的に情報量の多いショート動画で100万再生された場合、どれくらいお客さんが増えるのだろうか?
あくまでも少ないサンプルのうちの一つだが、僕のインスタグラムのインサイトを参考に見てみよう。
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