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必ずしも高度な分析が必要な訳ではない

 競技力やパフォーマンス向上を目的としてアスリートの方や関わる方々が、メディア等でかなり高度な分析やサポートをしている場合があります。もちろんトップ選手の多くはトレーニングやコンディショニング等、極限まで極めた形でそこからさらに、勝利に向けた一歩を得るために高度な分析やデータを活用しています。
 一方で、必ずしもそれらがトップ選手含め誰にでも適合するかと言われると、そうでは有りません。むしろもっとピンポイントな場所や基礎的なところに要因が隠れている場合があります。

 高度な分析やサポートは細かなポイントや普段見えてこない部分が見えてくる可能性はかなり高いですが、一方で実施する際に気をつけなければならないこともたくさんあります。
 まず高度な分析を実施するということは、高度な専門知識が必要であるということ。もちろん実施するのは専門家の方がほとんどだとは思いますが、一方で環境や機材を揃えればできるものだと思っている方もいると思います。正しく実施できればいいですが、そこからミスリードを起こしてしまうと、本来の方向性とは逆に進んでしまう可能性も高いと考えられます。
 また、それらで抽出したデータも噛み砕いてフィードバックができれば良いかもしれませんが、理解するために知識や知見が必要になってきます。
 さらには分析すれば強くなるというわけではないということです。分析を実施し、強くなるためのヒントが得られるということを忘れてはいけません。決して魔法のようにすれば結果が出るというわけではな行ことも念頭において置かなければなりません。
 
 例えば、これまで科学的なサポートや分析を実施してこなく、急遽専門家を入れて実施、分析結果をフィードバックしたところ、それらを理解することが出来ず、むしろ実施したというところで満足してしまったというケースです。その後、やったけど強くならなかったという答えになってしまい、状況が打破できないという話はよく聞きます。

 分析結果は先程も述べたように、あくまでヒントになり得るものであり、それらを元に、練習内容を中心とした計画を構築することが重要であり、実施したからどうなるのかというわけではないということです。
 そのため、高度な分析やサポートを実施したいと考えている場合は、まずは導入すべき対象がどういう状態(知見やこれまでのサポートの実施履歴など)なのか、レベルがどの程度7日をしっかり把握し、それらに応じて知見の導入や分析を受ける上での教育も実施していく必要があります。
 また、一気に高度なものにいくのではなく、段階的に実施していくことのほうが効率的でミスが少ないです。

 先程例に出した状況では、あの状況に陥ってから再度介入する際に、全く同じことではなく、まずは無理なく、それでいいの?と思われるくらい基本的なところから実施することで、周囲への知見の蓄積も理解もスムーズに進み、結果が段階的に上がっていくタイミングで、サポート内容も段階的に上げていくことで、無理なく目標に向けて進むことが出来ています。
 
 また、よくあるのは、まだ年代の低い競技者に対して、身体も技術も成熟しておらず、ましてや精神的にも成長途中である状態で、「トップ選手がやっているから」「メダリストは毎日している、食べている」などハイレベルな選手の模倣をさせようとするケースです。
 分析においてもトップレベルでは有効的なものでも低年齢層では有効とは言えないものもあります。各年代には、それぞれその年代でしか出来ないこと、大事なことがありますので、それらを把握した上で実施するのが望ましいと思います。

 やはり、一朝一夕でパフォーマンスが向上したり、目標が達成できるということは難しいです。分析においても実施すれば変わるというわけでは有りません。魔法にかかったようになることは、絶対にありませんので、高度な分析やサポートを実施するだけでなく、これらは、自分達(選手、チーム)の状況はどうなのか、状態はどうなのかを知る手段です。それぞれに合った手法や実施内容をもう一度考えてみるのも良いかもしれません。

Athlity事務局:株式会社プラミン
Athlity主管:株式会社スポーツセンシング


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