【ウェビナー後記】データの活用と計画の重要性
先日実施したオンラインカンファレンスのディスカッションで、データの活用をどう始めていくべきなのか、その際に立てるべき計画の重要性に関して、話題に挙がったので、簡単に述べたいと思います。
データがもたらすもの
競技スポーツにおける強化を実施していく中で、これまでは能力の高い選手や、優れた指導者を集めてチームの強化や競技力の向上を図っていく形がほとんどでした。
しかし、現在はテクノロジーの発達や環境の発展によって、効果的で効率的な戦略・戦術で勝利を目指す形が多くなっています。
そのためには、データを収集し、分析をすすめることで、チーム内の個々の能力やチーム全体を活かすことのできる強化体制を構築することが重要になっています。
データを活用することで、トレーニング内容や様々な面での効率化が望め、個々のパフォーマンスに加えて、指導者やスタッフの判断材料になる基礎資料を数多く獲得することができます。
確実に勝利を勝ち取る、目標目的を達成するというスポーツにおいて大前提の目標を達成するためには、データの活用が必要不可欠であり、そのためにどういったデータを得て活用すべきなのかという判断はとても重要になっています。
データが意味するもの
これらのデータを活用する上でも、それらを実施するためのプランニング(計画)が重要になってきます。無計画でデータを利用しようとすると、そのデータがチームや個々の中で何を意味していて、何を伝えようとしているのか、読み解くことができなくなってしまいます。
本来のポイントとは違う捉え方をしてしまうと、ミスリードにつながってしまい、うまく結果につながらないばかりか、マイナスな要因を発生させてしまうことさえあり得ます。
まずは絞ったデータから
最初から計画をしっかりと建てるのは難しい場合もあると思います。その際は、今のチームもしくは選手を見たときに、1つだけ気になっている要因、予測がつく要因を絞った上で、まずはそこに関するデータのみ見てみるというのも1つの方法でしょう。
例えば、
試合時間フルで活動が維持できない、途中でバテてしまう場合は映像や心拍などをモニタリングしてみる。
トレーニングの成果が出ない場合はチーム内だけでなく、自主練の際のメニューも確認してみる。
コンディションが良くない場合が続くときは、練習時間や睡眠時間、体組成などを記録する。
など、簡単な事から始めていくのがいいのではないでしょうか?
計画を立てる作業はとても労力のいるものではありますが、闇雲に様々な事業や事柄を進めてしまうと、途中でそれらをもとに戻すのにはかなりの時間がかかってしまいます。
それに、選手やチームがそれらのデータを元に構築を進めているところで、ある程度習慣化してしまうと、もとに戻すのには時間もかかり、さらに大きく見ていくと、選手として活躍できる時間や、トレーニング、各試合シーズンなど、戻すことの出来ない要素もたくさんあります.
「まずはやってみる」という危うさ
また、計画を立てる際にわからない、イメージのつかないことも多々あると思います。こうなると、そこまで細かく計画するのは無理、考えられないからまずやってみようという方向に行きがちです。
ですが、最初に計画をしっかり立てておかないと、うまくいったにしろ、いかなかったにしろ、その原因と対策を明確にすることが難しくなり、今後の継続的な強化にはつながりにくいでしょう。
では、考え方を変えてみてはどうでしょうか?そういった、わからないこと、イメージのつかないことがあるということは、それだけチーム全体や個々の選手、それを取り巻くスタッフに関わる情報を集めきれていない、理解できていないということでもあります。
ネガティブに聞こえますが、これは、そういった情報や自分たちのことを知ったり集めたりする良い機会であると言えます。
その機会をうまく使うことができれば、前述のような取り返しのつかない状況になることはないでしょう。
これらを踏まえて、計画を立てるという作業としっかりと向き合って行くことができれば、勝利を勝ち得ることにつながっていくと考えられます。
より詳細な計画の立て方や事例に関しては、今後の記事の連載やセミナーなどでも取り上げていく予定です。
Athlity note編集部
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