見出し画像

230823_コートを作る

2023/08/23

B国の大使館に行く。ウェブ上で情報漏洩していますよと伝えると、窓口の日本人らしき女性から大使館の管轄ではないので本国に問い合わせてくださいと言われる。官僚制というのは万国共通だ。書類に不備があって、明日もう一度来ることに。これは僕が悪い。

大使館を出て、行ったことがない街へ行く。駅前のネパール料理屋でタカリと名のついたインドのターリのような定食を頼む。いわゆるインネパ料理店ではなくネパール料理を全面に出している店はたいてい美味しい。僕が食べたことがある限りでは、ネパール料理はスパイスが穏やかで食材の味がよくわかって好みだ。

この街に来たのは、予約制のオーダーメイドコートの店があるからだ。ここ数年ずっとウールコートを探していて、毎年物価の高騰で値上がりをするのを眺めながら、気にいるものをなかなか見つけられないでいた。ある時インスタでたまたま見かけたオーダーコートの店が良さそうだったので、博論を終えたらそこでコートを作ろうと心に決めた。値段は僕にとっては安くはないし、ブランドのコートも買えるけれども、オーダーメイドだと考えるとかなり良心的だと思う。人生の節目に買うにはちょうど良い値段。

店はマンションの2階にある一室だった。デザイナーであり、一人でコートを作っているという店主に、少しずつ要望を伝えていく。生地の見本は数百種類あるのに、結局ラックに掛かっていた置かれていたコートと同じ生地にする。少し赤みがかったブラウンのメルトン生地。裾丈、袖丈、ポケットの位置などを細かく決めていく。店主の方の審美眼が信頼できるので、迷った部分は決めてもらえて、それもよかった。1時間ほど相談して形が決まる。

服は安いものを買って、すぐ捨てるタイプだったけど、こうして作ってもらうと(単にリセールバリューが低いということもあるけど)心理的にも手放しがたいものになるだろうな。はやく冬来ないかなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?