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240211_パーマをかけてもらう

2024/02/11

髪がだいぶ伸びた。毛先が肩に当たってそこで曲がるのに加えて、元々の癖と日々の痛みによって、末広がりに髪がはねていた。あまりに見た目が良くない状態だったので、美容院を予約する。

これまで髪を染めたこともパーマをかけたこともないのだけど、せっかく伸びた髪をただ放置するのがなんだかもったいないので、パーマをかけてもらう。

そこは、おそらくアーティストや何らかのクリエイターが来るような洒落た店で、ウェグナーなどの北欧の椅子が並んでいる。スタイリストの人も、映画や音楽に詳しくて、ヴェンダースの新作観ましたか?と言った話をされる。

スマホをコートに入れたまま預けてしまったから、パーマをかけられながらズボンのポケットに入れてた文庫本を読む。武田百合子の『富士日記(上)』。著書が富士五湖の湖畔に行くたびに、大きな溶岩の描写があるのだけど、パーマ液の硫黄臭が妙な臨場感を与える。

パーマの化学的な仕組みを聞いたりしながら、どんな技術が進歩しても最後は心ですよ、とか冗談めいた説明を聞きながら、何でも最後は心だよなと思った。

仕上がりはとても上品な感じで、麻布あたりを散歩している毛長の犬みたいになって良かった。

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