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音楽活動を死ぬまで続けるには何が必要なのか

機材の話が落ち着いたので、今回は音楽に対するスタンスの話。
「音楽活動を死ぬまで続けるには何が必要なのか」という点に対する僕の考えをまとめてみた。

そもそも無理して続けるものでもないけれど、「昔のバンドメンバーはみんな音楽を辞めた」「続けること自体が難しい」「年々新しい音楽を聴かなくなった」みたいな話はよく聞くもので、ライフステージの変化や加齢によるインプットや代謝の劣化による変化は避けられないものではある。
やりたくてもやれない状況だったり、後悔したりするのはやっぱり悲しいことなので、出来れば社会的な地位もあり生活も充実して音楽も楽しめる状態が望ましい。

僕自身は現在それなりのポジションで仕事をして、家庭を持ち子育てをしながら、自分が描いた音楽的なキャリアも実現に向かいつつある状態。一生音楽を作り続けたいと考えているし、それを成し得るよう環境を構築している。

この環境の構築について、僕なりの考えを記載する。

音楽活動のどこが好きなのか

音楽活動にも色々な行為がある

続けること自体が目的ではない。まず明確にしなければならないのは、音楽活動のどの部分のどの行為で自分が最も幸せに感じるかだ。

  • 楽器を触る

  • 曲を作る

  • 曲を公開する

  • ライブをやる

  • 収益を得る

これが全てではないが音楽活動には上記のようなステップがある。全てをやっている人もいれば、ライブをやらずに曲だけを作る人や、曲にはせずに楽器を演奏している人もいるだろう。
この中で自分が最も幸せに感じる瞬間を明確にすると必要な時間や環境が算出しやすくなる。
僕自身は第一に「曲を作っている」時間そのものが幸せで、次に「完成した曲を公開する」ことが楽しくて仕方がない。ライブもやっている時は楽しいけれど、この2つよりは優先度は低い。とにかく曲を作りたいのだ。

後述するが、時間というものは有限なので使い方には優先順位をつける必要がある。その時に「音楽活動自体をやめる」のではなく「音楽活動のコアな部分以外をやめる」という選択ができる。
ライブが最も幸せな人はオリジナル曲以外の比率をあげればいいし、DJに専念するのも良いかもしれない。楽器を触るのが好きなのであれば、曲を作らないことに負い目を感じずに好きなだけ家で弾いて、たまに動画でもシェアしたらいい。

もう少し深掘りすると、ここに誰からの評価を重視するかという点を掛け合わせるともっと解像度が上がってくる。

  • 自身からの評価

  • 他者からの評価

「曲を作る」という行為は一見自身の評価だけで成り立つように見えるが、人によっては「曲を作っていることを他者に伝えて、すごいと言われること」に優越感と幸福を得るケースも存在する。「音楽を作っている自分」が「他者から評価される」ことが重要だと言える。
ライブに関しても、集客はもちろん大事だけど「ライブをやっていること自体が幸せ」か「オーディエンスからの反応を得ることが幸せ」かで取り得る手段は変わってくる。後者であれば「人が集まるところで、反応の良いパフォーマンスをする」ことを優先しても良いだろう。自分の曲である必要もないし、自分のファンである必要もないかもしれない。オーケストラや聖歌隊のような団体に参加するのも一つの手段だ。

このように音楽活動を分解して、自分が最も幸せと感じる行為とその瞬間を明確にすることで、一生続けられる可能性は上がるだろう。
自身の評価が大事なのであれば、一般的な型や他人の批判は気にすることはない。僕自身は一人っ子ということもあってか、とにかく自分からの評価が最も大事。自分が良いと思ったものは絶対に良いと考えている。
音楽をはじめ芸術活動はビジネスとは違い絶対的な正解がない。最も収益を上げているものが最も素晴らしいとは限らない。
自分の中での正解を定義することから始めてみよう。

死ぬまで続けるのに必要なもの

音楽に限らずだけど

当たり前ではあるが、人生において有限である「時間」「お金」「健康」この3つをしっかり確保することが大切。
昔のミュージシャンは「SEX,Drug,R&R」とか「徐々に色あせていくなら、いっそ燃え尽きたほうがいい」とか言ってましたが、最近はHIPHOPではメイクマネーすることがかっこいいとされているし、常識がある方がかっこいいという流れもある気がする。
テクノロジーの発展で、誰でも曲を作れるようになったし、世界中に発信できるようになった現在、音楽一本で食っていく必要もないし、退廃的な生き方が賞賛される感じでもなくなったと思う。

僕自身この3つに対してのどうやっているかという話。

時間

これは誰しも平等に有限なもの。しかもライフステージの変化によって使える時間そのものや時間帯が変化する。夜は予定が入る可能性があるから、毎日同じ時間を確保することが難しい。そんな中、唯一変わらないのは「早朝の時間」だ。
例え結婚して子供が生まれても、夜遅くまで飲んで帰っても、早朝の一人の時間だけは絶対に確保が出来る。(子供が生まれてすぐの時は例外)
僕自身ここ10年近くずっと3時起きでそこから7時くらいまで曲作りをしている。その間にライフステージの変化はあったが、この時間を音楽活動に充てることだけは変わっていない。理解のあるパートナーと巡り会えたというのもあるが…
慣れていない人から見ると異常に感じるかもしれないが、習慣化してしまえば全く苦ではない。幸いコロナ禍で外出も制限されるので、早寝早起きは実践しやすいと思う。これ本当にオススメ。
ちなみに海外レーベルやアーティストとやりとりする時も時差気にせずに連絡できるのでスムーズに進む。

お金

前提として稼いでいることが正義ではない。音楽活動を諦める要因にしたくないだけだ。有限なものはその使い方を工夫するかキャパ自体を広げるかの対策を打つしかない。時間は伸ばすことは出来ないけれど、お金は増やすことは出来る。
頭や体を使って労働するか、投資をするか、一発当てるか、方法はなんでも良いけど、疎かにはしない方がいい。芸術活動で収益を優先したくないのであれば、別のところでちゃんと稼ごうよって話。
僕自身も昔は音楽一本で生きることがかっこいいと思っていたけど、生活を安定させたいし、社会的地位も欲しいし、お金の為に自分の創作を曲げたくない、あとは創作って人生経験も1つの要素になるから社会人の道を選んだ。
仕事仲間には「音楽が本業ですよね」って揶揄されることもあるけど、正直音楽のために仕事をしているという感覚は全くなくて、純粋に仕事自体が楽しいし日々成長を感じている。
音楽一本で生活している人は本当に素晴らしいと思うけど、別にそうじゃなければミュージシャンとしてダサいってこともないし、テクノロジーの進化で時間も場所も捻出しやすくなっているので、過去の固定概念に拘らなくてもいいんじゃないかな。固定概念を否定して覆していくのが芸術でしょ。

健康

昨年痛感したのがこれ。腰を痛めて年間で10本くらい注射を打った。心身ともに健康でないと音楽活動どころじゃなくなるし、物理的に動かなくてなんともならん。とにかく健康大事。
世代なのか、自堕落で狂った生活の方がイケてると思ってた時もあったし、ライブの前はメンバーとワイン1本空けてからじゃないとステージに立たない時もあった。意外とみんなちゃんとしてて、ライブが終わるまでは酒を飲まない人が多いことを知って改めた。
最近はサウナが流行っているし、酒やタバコの需要も減っているようなので、世の中は健全な方向に進んでいると思う。まぁ、長く続けるには体が資本なので気を使ってあげようねってことで。

以上!
まとめると「朝3時に起きて音楽作ろうぜ!その時間にTwitter見ても3人くらいしかTweetしてなくてさみしいよ」って話。
僕は新しい音楽を聴くことも大好きなので、かっこいい音楽を作っている皆さんの作品を長く沢山聴きたい。少しでも参考に慣ればいいな。

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