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【実質0円大学生活のすすめ】第29回:シラバスの読み方(3)「5.授業の内容」を深読みしてみる

シラバスの行間を読む:5.授業の内容

今回は、前々回(第27回)で紹介したシラバス項目の「5.授業の内容」について深読みします。

【参考:第27回の項目リスト】
1.科目名
2.担当教員名
3.単位数
4.授業の目標
5.授業の内容
6.成績評価方法
7.授業スケジュール
8.テキストと参考文献リスト
9.担当教員へのコンタクト情報

授業の内容とその形式

この項目では、授業の目標を受けて具体的な授業の進め方などが明示されます。その状況をイメージするための参考になるのが大学の授業の形式です。大きく分けて2種類があります。

1.講義形式

担当教員と受講者が、お互い向かい合う形で対面して行う形式です。教員は黒板、ホワイトボードなどに板書したり、プロジェクターを使いながらスライドや映像・音声を流したりしながら概念や数式を説明していきます。

学部の授業などでよく見られる形式で、情報の伝達は、主に教員から受講者へという一方向になりがちです。受講者の人数は、教室の大きさに比例します。小規模の教室であれば20人程度、大教室になると数百人になることもあります。

2. 演習形式

担当教員と受講者は、国際会議の円卓のような配置で着座し、お互いの顔が見えるようにして行う形式です。「ゼミ」とも呼ばれます。黒板、ホワイトボード、プロジェクターなどは使いますが、どちらかといえば教員ではなく受講者が多用します。

これは、学部3・4年または大学院でよく見られる形式です。まず、受講者の中から選抜された発表者がプレゼンテーションを行います。その後、発表されたテーマについて、または関連した話題について、全員で議論(ディスカッション)を深めていくのです。

ディスカッション重視の形式なので、受動的な聴講ではなく積極的な発言が求められます。教員の役割はモデレーター的なものであり、情報の伝達は双方向となり、教員も受講者も、経験に関係なく「研究者」として自由な発言が推奨されます。

実りある議論を考えると、受講者の人数は、多くても10人程度、理想的には2~3人程度と言われています。

演習形式では「受講者のタスク」をチェックする

「授業の内容」項目では、このような、講義形式と演習(ゼミ)形式の違いに基づいた授業スタイルが読み取れます。その際、とくに演習形式の授業では、シラバスで明示される「受講者のタスク」に注意しましょう。

- 毎回どの程度の分量の資料を読む必要があるのか
- 共同作業なのか個人作業なのか
- 発表する場合の時間や使用するメディアはなにか

以上について「7.授業スケジュール」と照らし合わせながら確認します。履修を考える場合には、現在の自分の処理能力と相談して決めることをおすすめします。

第29回まとめ

-大学・大学院の授業には、情報が一方向に流れる「講義形式」および双方向に交流する「演習形式」がある
-シラバスの「4.授業の内容」項目に書かれた情報の意味は、これらの形式的違いの理解が必須
-演習形式の場合は「受講者のタスク」に注意して自分の処理能力を考えて履修を検討するとよい 


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