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シリコン

 自分が今ここに居て、それをしているという意識が、
全くの他人から具体的に言われて初めてハッとする。
ハッとするとは、地名や行動、景色や感覚が鮮明になり自分に降りかかることでまた新しく感じられることだ。
自分が今まで慣れきってしまい、無意識にこなしている事を久しく瞬間的に再認識させられ

 最近は、じめじめとした暑さで服に皮膚がつく感覚や貧血に似た浮遊感となにより踏み出す1歩が重い。
ベッドに横たわろうと、安定した体勢が保てないし、安心できない焦燥感で眠りも浅い。
胃に食べ物を入れようと食べやすい食べ物を流し込むと吐きそうになるので、液体を良く摂取している。

 全体的な重力が低くなっている。
視界のピントが合わなく、疑う目がいつにも増して強くなる。話し声も呻き声にしか聞こえないし、言葉は意味を瞬時に変換するのに時間がかかり、単なるワードが連なる物としか認識できない。

相手からの認識と自分の認識はすり合わせることはできるが、共感覚になることは0に近い。
シリコンはプラスチックにはなれない。
砂と酸素はシリコンではない。

食べ物や、睡眠などで理論的に自分の体をコントロールしようとすると、自分の体が下水道、検体になるような空虚感が込み上げてくる。

友達がツイートをしていた。
それは私がまた一週間の中の1日にハッとさせるようなものであった。

00〜00年までのセーブポイントのような走馬灯がたまにある。
視覚や触覚、嗅覚、味覚などに既視感をもたらすものだ。
既視感を見た時、自分はここまで来たのだという達成感がある。それと共にもう戻れないのかとも思う。

戻れないのに。


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