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wet

水の軌道を追ってパールを縫い付ける 薄くタイマーの音が聞こえる 貯まっていくだけの水は濁り iPhone七の画面にライトが反射する (17:30の町内放送 家に帰れのサイレンかつぬるやかな夏の夕方 花火の準備に店先のたこ焼きもしくはぬいぐるみを洗濯するか) リネンは使い古せばなじむ レイヤー巻くと動きが出るしスプレーで固めよう まつ毛は抜いて目の色も変えても別人じゃないみたい 特急列車でトラブル 沸く情報 携帯に靄がかかる 煙もあがり 。 目は呪うことも救うこともでき

    • 不安、焦燥感、トラウマ

      眠れない時や、精神がなにかしら不安定な時、襲ってくる過去は いつも『半分ホームレス』になっていた時の自分だ。 『半分ホームレス』というのも、4年前にネカフェで1ヶ月ほど暮らしていた時がある。 最初はドリンクバーや、アイスが物珍しく楽しく過ごしていたが、だんだんと硬い床でコートを掛け布団にして薄い座布団を枕にし、寝返りもうてない。 不衛生な共同シャワールームで足にぬめりを感じながら体を洗い、コンビニ飯を貪り食うような生活はだんだんと心を蝕んでいった。 薄暗い個室の中LED電球

      • シリコン

        自分が今ここに居て、それをしているという意識が、 全くの他人から具体的に言われて初めてハッとする。 ハッとするとは、地名や行動、景色や感覚が鮮明になり自分に降りかかることでまた新しく感じられることだ。 自分が今まで慣れきってしまい、無意識にこなしている事を久しく瞬間的に再認識させられ 最近は、じめじめとした暑さで服に皮膚がつく感覚や貧血に似た浮遊感となにより踏み出す1歩が重い。 ベッドに横たわろうと、安定した体勢が保てないし、安心できない焦燥感で眠りも浅い。 胃に食べ物

        • 2016年 3

          そこから私は大学二回生前期ごろ、今では記憶がないほどの荒れ果てた生活をしていました。 市販薬でどれだけ意識を無くせるかに命をかけており、また意識をなくしたら楽になれるんだと思っていました。 意識を失って3日おきに起き、薬局へ行き、薬を買い、意識が無くなるまで薬を貪りました。 久しぶりに鏡を見たときには目の下に穴が空いたような感覚に陥り、眼球をかきむしり目は血だらけになったこともあったようです。 斜め向かいの家には南京錠がかけられていたので、 誰か監禁されているのではない

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        • portrait
          2本
        • エッセイ
          22本
        • 散文
          25本
        • コラージュ
          3本
        • drawing
          1本

        記事

          Summer-sadness

          傷に染みる粉が入った液体の制汗剤は、 指定バッグの中で爆発すると激臭と共に教科書がずぶ濡れになるという悲劇の伝説であまりに有名だったよね。 チャイムがなると、号令を無視し教室を抜け出した。 一人でに準備をし、 彫刻刀を持って人気のない1号館と2号館を繋ぐ橋に向かって小走りした。 今日は最後の授業だったので少し心が躍っていた。 何も予定があるわけでないが、休み前の期待。 帰りにアイスは決まってる。 ここの場所がいつでも私の居場所だった。 いつものように膝を抱えて扉の隙間に

          Summer-sadness

          マンション

          「もう少し残れる?」と聞かれ即座に返答した挙句、最寄りの最寄りまでの山手線終電に駆け込む羽目になった。 かつては闇市とギャングが居た街、池袋 終電のアナウンスが流れ緑の車両に人々が駆け込む時代も終わった。 悠々と一つ飛ばしに座り、車両は新宿、高田馬場へと進んでいった。 最寄りの最寄りである池袋に着き、おぼろげに階段を降りた。 改札を出ようとすると残高不足の改札音で目が覚めるほどにぼんやりしている。 有楽町線方面へと向かい 西口中央出口に出る。 はい、池袋ウエストゲート

          マンション

          身の置き場に困る

          1年に1回引っ越しをしている。 引っ越しをすると寿命が短くなると言われているが、私にとってはプラスなのかもしれない。 長く生きると、長く居ると、慣れてしまう。 「慣れ」はいつも恐ろしい。 いつの間にか満足できなくなり、欲望が昂る。 自分の力を過信し、驕り高ぶり、届きもしない木に実るりんごをまたどうしても欲しくなってしまう。木に実るりんごを食べる自分にしかなりたくない。それは酸っぱくとも。 つくづくコスパの悪い人生 地球にとっては人間も消費物。 限られている自分が生

          身の置き場に困る

          シルバー

          精肉工場、それは厳しくて冷たい場所 聖歌隊は鳥より早く起き、イエスに向け鳴く。 徹底された温度管理により肉は魂を覆っているまま 目玉はギョロりとし氷がちらつく床を見つめ、転がる 冷凍庫の中で息をすう。 かつて皮膚だったもの、かつて筋だったもの 鼻の奥に脂がへばりつく。 家畜は冷やされ、人間は燃やされる 事務仕事は大体が暇で待機時間が多いからかサボりがちだ。減給対象となる。 時計を見あげ、いまかいまかと12時を指す針を見つめる 無機質な板をボールペンで叩く。 無機

          シルバー

          乖離記録

          確かに意識はあった。 その時にはあったが、起きた時には断片的にしか思い出せないこと。 それは無意識的行動なのかもしれないが、何か自分の中のものを整理しようとしている行動だったので、書き記す。 2/28 2:04 ちょっと休憩中 髪の毛切ってたらシャンシャン戸祭声が聞こえてきて自分は左前髪の輩からの声を汲んできってやったけも右前髪に寄るようにってマスターが言ってきてうざい そしたら、からっとひっそりしてた 髪の毛が枝だから 2/28 2:07 マスターがきた 後はストリ

          乖離記録

          21/3/1 20:00 帰路に着く。 ふいに緑のものが食べたくなり、 駅に降りて歩き、ちいさな閉店間際のスーパーに寄る。 ふと見るとアボカドが売れ残っていた。 96円という少し値引きされたいくつかのものから柔らかいものを揉んで選び、 片手に納豆を持ち会計に行く。 アボカド丼に決まったと少しわくわくしながら小銭を受け取り、肉用の薄いビニールを手に歩いた。 川沿いのアパートまで駅まで徒歩11分。 いつもこの川沿いを見ててくてくと歩きながら月の様子を観察している。 今日の月は少し

          視線がこわい。 人に見られるのは構わないが、初対面からはじめましてのその目から自分が推測する他人の予想が嫌いだ。 考えすぎるのは良くない。と思いつつも ああ、この人はいま私を見てこう思った だったらこうしたらギャップになるだろうか だとか こういう反応をしたら喜ぶだろうな、だったら私はこのスタンスでいこうか という予行演習をする。 それは、相手も同じようなことを思っていると考えると 今、予想の絡み付き合いが発生しているな と感じてしまう ブラックホールのようで、気

          意識と死体/他者と私

          死とは何かという漠然とした疑問を抱えつつ 起きて、行動して、寝てを数十年繰り返し 疑問は解決へと導かれないまま 人々の思考はブレンダーで砕かれダストシュートの肥料から生命が芽生える。 大多数の人間が支持する答えは実になり、 外側にある大きな膜を転がしている何かに食われる。 私も死とは、と何ヶ月はたまた何日も頭の筋肉の筋を増やすかのように脳内総会議をする期間がある。 いつも辿り着く答えは こうして考え、思い悩むということは自分はまだ生きているのだというなんとも普遍的なもの

          意識と死体/他者と私

          カラー

          個性にならなかった時には無難でしょうと紛らわせて押し込む 混ぜようとしても無駄になってしまった色 一色一色が同じ成分でできている レンズに映し出すことで際立った存在、 瞼を伏せれば黒になる 混ぜ合わせればグレーに変わる 美術室での掃除を任された私は 机に張り付いた絵の具を剥がして 舌の上に乗せた 多分、その色を体に入れたら 少し元気になれるかなとか思ったから 薄い橙色 自分で使うことは無かった関係無い色。 自分には無い色だったし、必要とも思わなかった 窓辺に落ちた夕日が

          何にもならないような何かの事

          爪の間に溜まった垢を擦って灰皿に捨てる カイロの袋の中でカスになった炭 求められたくないのに求められに行く ペラ一枚の紙のために 捨てることに快感を持って依存する 存在を無くして漂ってはいけなかった 0時になって今日が終わって 明日の天気も今日の天気も 押し付けられた気分も 天気予報と占いで紛らわす 小躍りして帰る 気分良い様子を真似して

          何にもならないような何かの事

          drunken* at night

          メンソールみたいなこの町で もう遅い 止まってる その心で 吸い込まれそうな右からの鉄塊 絶え間なく タイミング良く 進むTT アナウンスによって 知覚 神経ひりひり 顔は青ざめて 下町 たたずむ夕日と沈んでく耳 知らない町の商店街 氷の街から逃げ出して きらきら 憧れたね もうやり切れなく ひび割れた指先 引き戻された その一瞬は 流れた流れた 暖かい日の間 知り過ぎた 知らないまま 書き足りなくて 何と記す

          drunken* at night

          幼きころの体温

          家庭は自立を目標とする者で構成された。 そこへ97年に誕生し、世話をされた私は早々に周囲とのギャップを感じた。 受け取る側の心と与える側の心が合わさらないとそこに愛は生まれない。見えないものだからこそ双方の同意があらねばならぬ。 それこそが関係性の構築において必須であることに今さらながら気付く。 無償の愛とはこの世界にはほぼ存在しないといっていいのかもしれない。 神仏がうまれたのも頷ける。 そこに愛は無かったと感じた。 愛を欲していた幼き頃の自分は誰かを愛することが

          幼きころの体温