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光が強くなるほどに大きくなる影 - 大谷選手の話

2024年MLB開幕ソウルシリーズ
行けなかった

行けなかった、は少し正確ではない

放映権を持つ韓国の動画配信サービスであるクーパンプレイでチケットを購入するには、本人確認のために韓国の通信事業者で開通した本人名義の携帯電話番号が必要となるという無理具合に続き、その値段ならロスに行けばいいじゃんというJTBの高価格ツアーが出た

そしてなんだかすごく世間が盛り上がっている

昨年夏頃(言っておくが大谷ドジャース移籍前)から情報収集をしていたけれど、色々「無理」なことがわかってきたのに加えて、人々の盛り上がりが私のやる気を奪い、どんどん、すっかり、萎えて冷めてしまった

野球が好きでシアトルでも一緒に観戦したことがある友達に「行こうか」と言った手前、言い出しっぺとしてマズイ…と思ったけれど、彼女もとっくに冷めていた。ありがたい

そんなこんなでテレビの前で開幕

1戦目はダルビッシュ先発だからパドレス勝ちがいいなあ、2戦目は山本由伸でドジャース勝ちがいいなあ、キム・ハソンは凱旋で緊張するんだろうか頑張れ!なんて思ったり

バックネット裏で“顔天才”チャ・ウヌが何かをモグモグ食べているところが長く抜かれて「さすがソウル!」と思ったり

「野球って楽しいわ…」という平凡な感想と共に、こんな風に呑気に1戦目を見終えて、翌日は平日なので仕事に備えて普通に寝た

翌朝、やたらと友人からLINEが来てた
だいたい「これほんと?」というコメントがリンクとともに送られて来ている

大谷翔平選手の通訳、水原一平氏がドジャースを解雇されたというニュース。多くの友人はフェイクだと思ったようだった

私は全く事情通ではない。それでも、アメリカで取材をしている記者の方たちのSNSをかなりの数フォローしているので、そういった方々が日本のマスコミより先にESPNやAthleticなどの記事をベースに、MLB規程や過去の処分事例なども補足して解説してくださるものを読むことができて、比較的整理できたかもしれない。おかげで日本のスポーツ新聞が端折った部分に気づいたりもできたし

そして、知った情報を友達に転送したりしながら、辻褄が合わない、矛盾がある点などを整理して、なんならわかる範囲で時系列に起こして、このESPNと答え合わせしたりして…

大谷はバレロに50万ドル単位で肩代わりしたと言った。
大谷が水原を通してバレロと話したのかは不明

日本のスポーツ新聞が最後の一文を端折っていた。


時系列に整理するなんて何してんの?
という感じですが…

私、アメリカの刑事ドラマが大好きで…

しかもこの時ちょうどAmazon Primeで見放題のロス市警S.W.A.T.のドラマにどっぷりだったこともあって、このニュースを聞いて最初に思ったことは「捜査主導はロス市警なのかFBIなのか」だった

エンターテインメントじゃない!
と怒られるでしょうが

依存性に陥ってしまった一人の男性と、もしかしたら助けようとして対応を誤ってしまった、もしかしたら騙されてしまった優しき稀代のスーパースター

光が強くなるほどに、ともに大きくなる影

ドラマのように残酷。小説より奇なりと言うやつですよねと思わざるを得なかった

さておき

ピート・ローズと並んで名前が出るのは、イチローさんの最多安打に関する文脈だけにしてほしい。八百長関連でなんて、日本人選手に関係する文章で絶対見たくなかった

「大谷は野球賭博・その他スポーツ賭博で現在告発されていない」「(ローズのように扱われる)危険は無さそうに見える」とあるし、私だって大谷選手がそんなことに関与したとは全く思わない(思いたくない)

しかし「大谷サイド」の対応があまりにもお粗末に見える。代理人と危機管理できていない危機管理担当広報が、結果的に火の粉を撒き散らしたように見える(なぜろくに内容を把握せずにESPNに水原氏単独インタビューさせたのか、大谷がいるところで話そうとしなかったのかなど)

水原氏への信頼があったからなのだろうが、
それがなおさら恐ろしい

詳しいことはこれから徐々に明らかになっていくであろう。今日起きたら大谷選手の会見が賑わせているだろうし…

とにかく、大谷選手(と代理人&弁護士)が疑いを晴らし、早く野球に専念できることを願っているし、水原氏も罪を償い病を克服されることを願っている

そして最後に、これまでにメジャーリーグに挑戦した/挑戦中の日本人選手が、こういった“罠”にかからずに来たことは(もしかしたらなかったわけでもないのかもしれないし最高年棒の大谷だからこそなのかもしれないけど)とても立派だし、選手本人だけではなく周囲の人も、高い道徳心や緊張感を持って生活されて来られたんだろうな、目に見える成績だけではない苦労はたくさんあったんだろうな…

としみじみしています

記事色々↓

追記(3/26 AM8:45)
緊張しているのか日本語が非常にわかりづらい。この会見は「主語」と「誰かそこに立ち会っていたのか」や「依頼した/された」が大事なのに、言い間違いや不足がある。それに事前に準備した文章を読むのであれば、英訳も準備しておいた方が良かったのでは。言い間違いがあるため、主語があやふやになるため、ウィルさんがとても通訳しづらそうだった。「通訳」が「言っていないことを伝えた」問題に対して、準備が足りないのでは?
ただ、大谷選手自身は賭博にも違法業者への送金(麻薬や暴力への間接的加担)にも関与していないことだけははっきりわかったし、信じる

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