見出し画像

多摩市立図書館 本館で資料探し

そもそも私は、多摩という場所について何も知らない。
生まれ育ったとか、家から近かったとか、そういう環境の中で自然と入ってくるような地域性に関する情報は皆無。
生まれも育ちも茨城県なのだから仕方がない。
そこで、手始めに多摩市立図書館で資料を確認してみようと思う。
何事も、全体を俯瞰で眺めることは大切だ。
今回の多摩歴史散歩をする上で、何をどう組み立てたら良いのか。
それを探すことからはじめよう。

旧中学校校舎を再利用した味のある図書館

まず驚いたのは、旧西落合中学校の校舎がまるごと図書館になっていること。
廊下と教室の壁をぶち抜き、広々と使っているため、割合ゆったりとした気持ちで利用することが出来る。
図書館なので、当然館内は整然と静寂による緊張感のようなものがあるのだが、ふと窓の外に目をやれば、校庭でサッカーをしている人たちがいて、なぜだか懐かしい感情に駆られる。

窓口の方がとても親切・丁寧

新型コロナウィルス流行が始まって以降、図書館を利用する機会がなかったのと、この図書館を利用するのが初めてだったのもあり、私は少し緊張しながら館内をゆっくり静かに、注意深く資料を探した。
地域の歴史に関する書籍をいろいろ見てみたいというのはもちろんだが、一番の目的は「新編武蔵風土記稿」。
この地域の歴史を知る上で、重要な書物だ。

文化・文政期(1804年から1829年、化政文化の時期)に編まれた武蔵国(御府内を除く)の地誌。昌平坂学問所地理局による事業(林述斎・間宮士信ら)で編纂された。1810年(文化7年)に起稿し、1830年(文政13年)に完成した。全265巻。

ウィキペディア「新編武蔵風土記稿」より

書棚には並んでいなかったので、資料検索にかけてみたところ、どうやら閉架図書のようだった。
早速窓口の方に確認したところ、笑顔で物腰も柔らかい女性のスタッフの方が来て、すぐに対応してくれた。
「1巻から11巻まであるようですが、何巻をお探しですか?」
と聞かれて、私が言葉に詰まっていると、
「とりあえず、全部お持ちしますね。何巻か貸出中で歯抜けになってしまっていますが、現在当館にあるものを全部持ってきます。10分から15分ほどお時間いただきますが、お待ちいただけますか?」
と、これ以上ないご提案に、お手数をかけて申し訳ない気持ちとありがたい気持ちとで、胸いっぱいになった。

新編武蔵風土記稿 第5巻を借りることに

しばらくすると担当の方が、書庫から約10冊の新編武蔵風土記稿を、台車に乗せて届けてくれた。
早速、席まで台車を押していき、本を一冊ずつ見てみる。
装丁はしっかりとしたハードカバーだが、中を見ると昔ながらの活版印刷という仕様で、元は手書き(もちろん毛筆)で記されたものを、文字通り活字化したものだった。
この場では、中をしっかり読むことはせず、何巻を借りていくのかを決めることに集中する。
今回の目あては、多摩・日野・八王子・町田・横浜・府中・立川周辺の情報がほしいと思っていたので、第4〜6巻をと思っていたのだが、貸出中のため、手元に来たのが5巻のみ。
とはいえ、それでも充分すぎる情報量なので、今日はこの1冊を借りて行くことにした。

この本から得られる情報が、私をどんな歴史散歩の旅へ連れて行ってくれるのかと想像するだけでも、たまらなくしあわせな気持ちになった。

[参考文献]
多摩市立図書館 本館 ホームページ

ウィキペディア「新編武蔵風土記稿」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?