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文化マネジメントとは。音楽を発信する側にとって必要なこと

みなさんこんにちは。群馬県高崎市でコンサートサロン「アトリエミストラル」を運営している櫻井です。

さて、私がほぼ毎回チェックしているYouTubeのチャンネルがあります。ドイツ在住のバリトン歌手、車田和寿さんのチャンネルです。ご自身の本業である声楽のことや、作曲家、楽曲そして、音楽という文化、それを取り巻く様々な問題点などを取り上げ、ご自分のご意見として提言なさっています。

私は演奏家ではなくホールの経営者なので、具体的な音楽のテクニックよりも、音楽(文化)を現代の社会に浸透するにはどうすればよいか?問題点は何か?について常に非常に高い関心をもってこのチャンネルを拝見しています。

私が普段考えている問題は、一人ではどうにもならないことも多く、何か大きなムーブメントになればいいなぁと思うこともしばしば。そして、多くの人(聴衆も演奏家も)あまり問題意識を持っていないのでは?と感じることもしばしばあります。

どうしてホールの主催公演では有名な演奏家しか、呼ばないのか?
どうしてこのプログラムにしたのか?
という身近なことも、想像するに「集客がしやすいから」なんだろうなぁと思ってしまいます。そして主催者側の発想が非常に安易と言わざるを得ません。こんなことを繰り返していると、特定の演奏家は疲弊し、才能ある演奏家が埋もれていく、という最悪の事態になってしまいます。

そんな中「文化マネジメント」という学問があるということを知りました。将来のホールの経営や文化芸術の行政側の立場に立つ人たちが学ぶ学問だそうです。王侯貴族の時代ならともかく今は、文化と言えども、収益にならなくてはならず、その国、地方、そして文化的背景などが個々のケースで異なる場合、どう考えどう行動すればよいのか?は結構難しい問題です。

日本では演奏家のプロを目指す人の大学はありますが、このような運営側のプロを養成する機関はありません。それゆえ、右も左も分からず、担当になったから仕方なくホールの運営をやっている行政の方も多いのではないでしょうか?

そして音楽を聴く側も、是非、ホールで音楽を聴くということは、そのホールの運営や主催者の考え方がそのコンサートに如実に表れている、ということをご理解いただきたいと思っています。


いつか、文化マネジメントを学べる機会が増えますように。そしてそこで学んだ人たちが日本の音楽文化に貢献できますように。


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