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バスク料理② バスクのスイーツ

アトリエ・グルマン クミコ料理教室です。
半年ほど料理修行したバスク地方のことを紹介したくて
バスクについて、言葉について、食材や料理についてと書いてきました。
今回はバスクのスイーツについてご紹介します。

<ガトーバスク>

バスクを代表するお菓子です。バスクのどんな小さな村でも大きな町でもお菓子屋さんには必ず売っています。
歴史は17世紀にまで遡るそうですが、現代の形はカンボ・レ・バン村のマリアンヌが義理の母から教わったレシピをもとに作り、1832年にお店を開いて大評判になり、それがのちにガトーバスクと呼ばれるようになったと言われています。
カンボ・レ・バン村は今でもガトーバスク発祥の地としてバトーバスク協会があり、レシピを公開してこのお菓子の魅力を伝えたり、10月にはガトーバスク祭りを開いたりしています。
このガトーバスク祭り、コンクールがあって、一般部門、若手パティシエ部門とあり、このシンプルなお菓子ながら、腕を競い合うのがメインイベントです。

ガトーバスクは各家庭にレシピがある、というほどバスクの人たちには身近なお菓子です。

ガトーバスクは全卵を使ったパート・シュクレのような生地にクレームパティシエール(カスタード)を挟んで焼き上げたものが定番。
イッサスー村では名産ブラックチェリーをジャムにして挟んだものや、バイヨンヌなどの大きな町に行くと、チョコレート風味だったり、柑橘風味であったりバリエーションも豊富ですが、私はやっぱりカスタードだけの定番が一番好きです。

材料は卵、砂糖、小麦粉、バター、ベーキングパウダー(好みで)、牛乳とラム酒を少し。
周りがカリッとした焼きたても美味しいのですが、全体的にしっとりしてきた次の日の味わいもおすすめです。


<チョコレート>

チョコレートの原料となるカカオは16世紀にアメリカ大陸からスペインに渡りました。そしてピレネー山脈を越えてバスクに伝わりました。つまり、フランスで初めてチョコレートが伝わったのがバスク地方です。
そのため、バイヨンヌやビアリッツは老舗チョコレート専門店もたくさんあります。

1615年にバイヨンヌを訪れたルイ13世はここで初めてチョコレートを味わったと言われており、その後フランスの宮廷にもたらされています。
ビアリッツにはチョコレート博物館があり、チョコレートの歴史やチョコレート職人が使う道具などが展示されています。

<ベレ・バスク>

Paysbasque.netより


バスクが発祥とされるベレー帽に形をなぞらえたお菓子です。チョコレートのスポンジにチョコレートのムースがサンド、ドーム型になって上からチョコレートスプレーがまぶしてあります。見た目がベレー帽!シンプルで飽きのこないお菓子です。

<ムシュ(Muxuk, Mouchous)、マカロン>
バスク地方に住んでいた時に、どれだけ食べたか!
一般的にマカロンと呼ばれますが、日本人が知っているマカロンとは見た目も味わいもかなり違います(日本で流行っているマカロンは、パリ・マカロンです)。
材料はアーモンドと砂糖と卵白だけ。見た目はシンプルすぎてオシャレには見えませんが、パリ・マカロンよりも圧倒的にアーモンドの配合が高いのでもっちり、しっとりでとっても美味しいのです。
元祖のお店はバスクに数店舗構えるMaison Adam、創業1660年!ルイ14世の結婚式にもマカロンを献上したそうです。


個人的にはビアリッツにあるPariesが大好きでした。Maison Adamのマカロンは焼きがしっかりしていて美味しいですが、Pariesはもっとアーモンドを香りも味も強く感じられていつも感動していました。

などなど、バスク地方はお菓子の魅力もいっぱいです。

今回はバスク料理をレッスンで紹介するということで、昔を思い出しながら新たにバスク地方について調べたり、昔のレシピや本を開いて過ごすことが多かったので、明日にでもまたバスク地方に行きたくなりました!

私が紹介したものはバスク地方についてほんの少し。

それでも、これを読んだ方がバスク地方に興味を持ってもらえれば嬉しいです。

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