秋色をたどると・・・
気がつけば、いつの間にかもう11月。
秋が始まっていますね。
一年の中で、秋は自然の色の変化を楽しめる、最適な時だと思います。
春は新緑色の葉っぱが、夏にはあおあおとした緑になり、秋にはだんだんと紅葉に向かいます。
この変化は、色相環の順。それが自然の摂理なのです。
先日、南禅寺の水路閣の周りは、まだ緑色で覆われていました。
もうすぐ、緑から黄色方向に回って、オレンジ色になります。
ここからは、紅葉の「紅色」へ。
色相環の緑色からスタートして、黄色、オレンジ、赤へと回っていきます。
そして、この後は・・・
枯れ色になります。
私は、この枯れ色は、色相環では、赤紫へと進んだ色だと考えます。
これは、土色ともいえますので、最後には「土に還る」ことを意味しているように思うのです。
(だから、落ち葉は土の上に落ちて欲しいといつも思います。アスファルトの上では、その役割が果たせないから)
そして、紫という、一番光(黄色)から遠い色、つまり土の中を表しているのでしょう。寒い冬を過ごし、次の芽が出るための栄養となるのです。
自然界の色の変化は、決してひとっ飛びで、反対の色などにはなりません。ちゃんと順番通りで、それぞれの役割をはたしています。
いつもカラーのお話をするときに、この色の変化を例にあげ、色相環の順を守っている自然は、私たちの人生と同じなのではないかと言います。
決して、一気に変化することはなく、順を追って進んで行くのが自然なのです。
それが、よく言う「自然体で」や「ありのまま」または、「自分らしさ」につながるのではないでしょうか。
自然の色のコーディネートが美しく、受け入れやすいのは、その順を流れているから。いろんな色が配されているように見えますが、そこには自然界の秩序があるのですね。
同じ場所でも紅葉の時期が違いますので、ちょっと色相環の順を意識して鑑賞するのもおすすめです。