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読書記録『YOUR TIME ユア・タイム』

「時間術は自分の幸福度を高めるための技術として活用するべき」と考え方が変わった1冊。

Daigoさんが紹介していて、「時間を心理的なものとして捉え直す本」という言葉に興味を惹かれて読みました。

時間とは何か

時間を味わうために備わった特別な感覚センサーなど、人体の内にも外にも存在しないのです。

『YOUR TIME』P71

時計を見れば今が何時だと分かるし、カレンダーを見れば今年もあと3か月だと日ごろから時の流れを実感している。
でも人には「物を見るための眼」のような時間を味わうために備わった特別な感覚センサーは存在しない。
さらに時間は、物理的な性質を持った存在ではない。
では、人は何をどう感じ取って時間と認識しているのか。

人間は「時間の流れ」など実感できておらず、世界の変化率を「時間」と呼んでいる

『YOUR TIME』P79

人は”現在”を体験する機能しか備えていない。
1秒前のことや1秒先のことは体験できないのである。
過去や未来は現在の体験・情報をもとに確率の計算が行われ「過去や未来の出来事としての確立が高い世界」を作り出す。

過去=いまの状態の前に発生した確率が高い変化を、脳が「想起」したもの
未来=いまの状況の次に起きる確率が高い変化を、脳が「予期」したもの

『YOUR TIME』P82

「予期」「想起」の仕方に個人差があり、定番の時間術に効果があると感じる人と効果がないと感じる人がでてくる。
▼時間感覚タイプの診断はこちら▼
https://www.kawade.co.jp/YOURTIME/

僕の時間感覚タイプは
[予期]容量超過=つねに複数の作業に追われており、焦りや不安、圧倒される感覚に襲われやすいタイプ。
[想起]自信家=自己効力感が高いため、難しい作業にも臆せず取り組めるタイプ。

僕はこのタイプ診断やタイプごとに効果的とされる技法は「へぇ、そうなんだ」くらいの感覚でした。
それよりも第4章の効率化から解き放たれる考え方が面白かった。

時間効率の追求をやめる

いかに生産性を上げようが、そのぶんだけやるべき作業の量も増えていき、あなたの忙しさは一向に改善しない

『YOUR TIME』P206

ちょっと考えれば分かることなのに、効率化をすればいいんだと単純に考えている自分がいた。
会社員として働いてると効率よく仕事をすれば、その分だけ次の仕事は前倒しになる。前倒しが続けば仕事の総量は減るどころか増えていく。

何も考えずに時間術を使い続ければ、最後には時間や労力、やりがいを搾り取られて終わる。
何のために時間術を使っているのか、考えて意識しておく必要がある。

僕が時間術を使う目的は有意義な時間を過ごしたいから。
僕にとって『有意義な時間』を過ごせたと感じるのはどんな時か。

  • 自分でコントロールができている感覚があった時。

  • 何かに没頭していた時。

  • 自分の考え方に変化があった時。

人間は「印象的な想起の回数」をもとに過去を見積もる

『YOUR TIME』P255

人が感じる時間の流れには「タスク中」と「タスク後」の2種類ある。
タスク中は楽しい体験は短く感じ、つまらない体験は長く感じる。
タスク後には楽しい体験は長く感じ、つまらない体験は短く感じる。

つまらないタスクに取り組むあいだ、人は誰でも時計に目を向ける回数が増える。
そのせいで「まだ5分しか経っていない…」と時間の流れが遅く感じる。
楽しいタスクをしている時は、時計を見る回数が格段に減る。目の前のことに夢中になっている。
そのため「もう1時間経っていた…」と時間の流れが早く感じる。

後からタスクを振り返る時、時間の流れが逆転する。
楽しいタスクは印象深い体験を次々に思い出すことができ、脳は「長くて充実した時間を過ごした」と解釈する。
つまらないタスクには印象的な体験がなく、脳は「たいした時間は使っていないだろう」と解釈し時間が早く過ぎたかのような感覚になる。

自分が有意義な時間だと感じるには「印象的な想起」が重要。
自分に何か変化をもたらしてくれるような体験が有意義な時間の過ごし方なのかもしれない。

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