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出雲大社の遷宮での不思議な話⑤
おじさまに電話をすると
「30分くらいで着けるから待ってて!」
とのこと。
30分なら、出雲大社の中を見て回れるなと
周りのお社を見にいくと、本殿を囲う壁の周りには長蛇の列ができていた。
早く来ておいてよかったぁ!!!
心からそう思った。
お社ひとつひとつに、きちんと神様のお名前が書かれているのも
なんだか愛おしい。
出雲大社をますます好きになった。
大きなしめ縄で有名な神楽殿も、あまり興味はなかったけど見にいった。
お土産屋さんを見ているときに、おじさまから着いたとの連絡が入った。
車に乗り込み、海の方へ走り出した。
「大社よりも日御碕を見てほしい」
日御碕は行きたかったけど、空港へのバスと飛行機の都合で行くのを諦めていた場所。
そこへ連れていってくれるというのだ!!!
30分ほど車で行ったところにある日御碕(ひのみさき)。
行きたかった理由は、日御碕神社に行きたかったから。
日御碕神社は素戔嗚尊を祀っている神社だから。
よくよく考えると、わたしは最初から素戔嗚尊に惹かれていたのかもしれない。
おじさまにお願いし、最初は日御碕神社へお参りをさせてもらった。
普段お札を買うことはないのだけど、この日は買って帰ろうと思えた。
お参りの後は、おじさまとグラスボートに乗ったり、灯台に登ってみたり、普通に観光を楽しみ、おじさまのお友だちのお店に行き、お土産にと干物をたくさん持たせてもらった。
ここの干物は本当に美味しくて、カレイの美味しさに感動した。数年後、結婚してから日御碕に行ったときにも買って帰ったし、取り寄せもした。
そこから空港まで2時間近くかかったと思う。
途中渋滞があり、時間大丈夫かな?と少しドキドキしながら、おじさまに空港まで送ってもらい、二人でランチをした後、14時頃、無事に飛行機に乗ることができた。
1泊2日(出雲滞在時間24時間程度)とは思えないくらい、濃くて楽しい旅だった。
おじさまにお礼のお菓子を送ったら、男性の手くらいある巨大あわびが送られてきた!!何十倍返し?
地元ではあわびはよく獲れるから、バーベキューにもよく登場するらしい。。
それから数年後、本殿の建て替えが終了し、寄附(?)をした人を招待しての合同祈祷に参加した際に、おじさまに出会ったお店で、わたしの家族を紹介した。
娘がものすごく懐いていて、小さな娘にもおじさまの人の良さがわかるんだなと感心した。
子どもの方が純粋だから、人の持つエネルギーに敏感なのかもしれない。
地元のフルーツを送った際に、律儀なおじさまからいつも来る連絡が来なくなった。
この不思議な旅のことは今でもよく思い出し、おじさまには心から感謝している。
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