湖北の風景18 やいと祭in柏原宿
※暑くて「風景」を見に行けないわ、とヤワなことを申しておりましたが、
アレのことなら話は別。
アレって何か。
やいとですよ。
「やいと」が分からない?
「もぐさ」のこと。
かくとだに えやは伊吹の さしも草
え、それもわからない?
「せんねん灸」みたいなもの。
ということでいざ「やいと祭り」へ。江戸の宿場町の佇まいが残る、近江と美濃の境の町。柏原宿へ繰り出しました。
・柏原宿(かしわばらじゅく)近江国坂田郡にあった中山道60番目の宿場。
伊吹艾(もぐさ)が特産品で、往時は10件のもぐさ屋が軒を連ねていたといいます。
故郷の祭りを通じて、わが子とナラティブ(物語)を共有したいという、さしも草のような熱い想いを抱いて。
とか言いつつ、ちゃんと行くのは初めてでした。(私の母にとっては湖北は故郷ではなかったからかな。そもそも趣味が違うな。)
ま、子連れでゆっくり神社や資料館を見て回れるわけはなく。
写真だけでも、湖北のナラティブな雰囲気が伝われば幸いです。
・柏原宿やいと祭り
2023/7/29
滋賀県米原市。中山道柏原宿周辺にて夏に行われる名産のやいと(灸)の名を冠した祭り。
別に灸は据えられないのでご安心を。
歩行者天国と化した街道スペースに様々な屋台やステージが並びます。
キッチンカーも出ていて今風。
華はラストの花火大会。
メッセージ花火は花火代の寄付をすることによって、打ち上げ前に司会者が寄付者の短文を読み上げてくれるシステム。
「故人を偲んで・・・」とかのメッセージ後にドカーンと夏の夜空を焦がす花火に思わずホロリ。
意外と長時間で見応えのある花火でした。
・日枝神社(ひえじんじゃ)
祭神 大山咋神(おおやまくいのかみ)=山の地主神。
創祀年代は不詳であるが、元暦元年(1185年)と伝わる。明治以前は山王社と言われた。
「日枝」とは比叡山の古名。比叡山の日吉大社(滋賀県大津市)は大山咋神を祀る全国の日枝神社の総本社。滋賀には日吉系の神社が多く、ほとんどが大山咋と大物主を祀っています。
山王社という古名の通り、伊吹山など周辺の諸山を守護する、村の鎮守といった雰囲気のすっきりと整備された神社でした。
・冒頭のお灸の歌
掛詞の多い技巧的な歌で難解ですが、言いたいことは分かりやすいですね。
後拾遺集、詞書には「女にはじめてつかはしける」という詞書があることから、想い人である女性に初めて贈った恋文という解釈もできます。
=言えないとかいいつつ、めっちゃ告っている!
燃えるような情熱を心の内に秘める。
お灸なのでメラメラ燃えさかるというより、低温でくすぶって燃えているようなもどかしい想いになんとなく共感できましょう。
ぜひ日常でも使ってみましょう。
「あなたは知らないでしょう!お灸のように燃える私の想いを!」
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