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津田健次郎さんの朗読に釣られたオタクの末路~『真夜中のマリオネット』を読んで~

かつてこれほどまでに、後味の悪い読後感を覚えたことはあっただろうか。
いや、無い。

みなさんこんにちは。長井彩子です。
今夏は、集英社さんのナツイチで、声優さんが朗読している文庫を全制覇するという目標がありまして、その第一弾です。
知念実希人先生が書かれた、『真夜中のマリオネット』を読みました。

普段、小説を読まない人間なので、知念先生がどんな先生なのかとか、この作品がどんなストーリー展開なのか全然知りません。
よまにゃチャンネルで、津田健次郎さんが朗読した作品というだけで手に取りました。

まず目を奪われたのが、表紙に描かれたサイコパス感のある、中性的で妖艶な少年。ドチャクソに好みです。
この表紙を眺めながら、「この少年から津田健次郎さんの声が出てくるのか…」という妄想をし、脳味噌に刷り込むところから始めました(笑)
このサイコパス感のある中性的で妖艶な少年と、津田健次郎さんのセクシーボイスのマリアージュ。うひょー!たまんねぇ!!(もはや幻覚)
『真夜中のマリオネット』というタイトルなのだから、この少年が女性を操り、憎くてたまらない人を🔪させるのか。
もしくは、少年がゾッコンになった女性に対して、僕はあなたの操り人形だから、あなたの憎くてたまらない人を🔪してあげるとかいうのか。
そんな妄想をしながら、表紙を開きました。

※ここから先は、物語の根幹に関するネタバレを含みますので、読了した方のみお進みください※






びっくりするくらいのドロッドロでデュルッデュルな描写。
物理的にも精神的にもドロッドロでデュルッデュル。
秋穂が由衣に、涼介と雪絵の交際に関する話を聞くシーンあたりで、「あ、これ、『解決してよかったね♪チャンチャン♪』ってならない」という謎の確信を得ました。
だって、仮に涼介が無実だとしても、涼介にかかわった人物が片っ端から心壊してるんですもの。

ああ、人の心が壊れていく描写、心が壊れてしまった人の描写がつらい。
もう誰の言葉も信じられない。早く結末が見たい。
そんな感情を抱きながら、ページをめくっていきました。

気が付いたら、午前二時を回っていました。
ヽ(^o^)丿ネムクナーイ

今にして思えば、結末を見届けて、この物語から解放されたい気持ちだったかもしれません。
しかし、作者がそんなことを許しませんでした。
読後感のエグさ。
案の定、『解決してよかったね♪チャンチャン♪』って結末ではありませんでした。

ワァ―ヽ(^o^)丿

そんなわけで、読了してまだ感想文を書いていない本が何冊かあるにも関わらず、早くこの本の感想文をアウトプットせねばと思いました。

この作品で、衝撃的で印象的だったことは…まあ上げればきりがないんですけれども、まあなんていうかミスリードされたなって感じです。

事の発端である雪絵さん🔪害事件ですが、涼介は、雪絵さん🔪害に関しては本当に関与していないので、彼の「自分は雪絵さんを🔪していない、罠にはめられたんだ」っていう発言は本当だったわけですよ。秋穂はそれを信じて、涼介は雪絵さん🔪害の犯人じゃない証拠を探すために奔走するんですよ。
倉敷さんが涼介のアリバイの証人を🔪害した→つまり雪絵さんを🔪害したのは倉敷さん→つまり倉敷さんが『真夜中の解体魔』→解決\(^o^)/
っていう話の流れでしたが、そもそも雪絵さんを🔪害した犯人=千代さん、咲子さん、一輝さん🔪害の犯人っていうのは、思い込みなんですよね。
まあ倉敷さんはそこを狙ったわけなんですが。

300ページくらいのストーリー展開で、雪絵さん🔪害事件の真相一歩手前くらいまでたどり着いただけで、あとはみんなの思い込みで、『真夜中の解体魔』事件は解決したことになっただけなんですよね。
倉敷さんと雪絵さんの命がけの復讐は水泡に帰してしまったんですよね。
しかも、彼らと同じ立場のはずの、『真夜中の解体魔』に愛する人を奪われた秋穂の手によって。

いやよくできたお話ですよこれ…(語彙力放棄)

津田さんの朗読はプロローグだけで、石田涼介CV.津田健次郎さんはありませんでした草。

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