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《今日の新譜》クラリネット四重奏 フーガ K.401 (375e) 

《今日の新譜》クラリネット四重奏 フーガ K.401 (375e) 
姉ナンネルと二人で演奏するために書いたのかもしれない作品をどうぞ。
ぜひこちらからYoutubeで全曲視聴してみてください。
参考音源
https://youtu.be/CnrQJZqgVPg
Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCbc_7CUTWTYOuyu_WQcflxQ
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クラリネット四重奏 フーガ K.401 (375e) 
W.A.モーツァルト
Fugue KV.401
Mozart,W.A

編成はクラリネット3本、バスクラリネットです。
木管四重奏、サックス四重奏、金管四重奏版は発売中です。

縦横無尽な転調と対位法が圧巻の名曲をコンサート・ピースに、ぜひどうぞ。
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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3
https://animato-jp.net/rec-band/gakufu.html

この曲は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)によって書かれ、おそらくモーツァルトの死後、
アッベ・マクシミリアン・シュタードラー(1748-1833)によって完成された、ピアノ(オルガン?)のためのフーガ ト短調 KV 401 です。
フーガは通常、複数の声部によって奏でられる対位法的な形式の音楽です。フーガでは、特定の主題が導入され、
異なる声部がその主題を取り上げ、対位法的な関係をもって進行していきます。
原典として使用されているのは19世紀後半にブライトコプフ & ハーテル社から出版された『アルテ モーツァルト アウスガベ』(旧モーツァルト版)の再版です。
両手だけで演奏する難しさがあります。

1782年ウィーンで作曲とされて、K.401 に位置づけられていました。 ちょうど1782年4月10日の父宛ての手紙に

「ぼくは毎日曜日の12時に、スヴィーテン男爵のところへ行きますが、そこではヘンデルとバッハ以外のものは演奏されません。
ぼくは今、バッハのフーガの蒐集をしています、ゼバスティアンのだけではなくエマーヌエルやフリーデマン・バッハのも。」

とあるように、この頃モーツァルトはフーガの研究に集中していたことに符合し、この曲の対位法による厳格な書法が
セバスティアン・バッハの影響を受けたものと考えられていたのです。 しかしのちに筆跡鑑定からもっと早い時期、1770年代の初期に書かれたものと推定されました。
モーツァルトは幼児よりオルガンでこうした対位的な作品に親しんでおり、ヴィーン時代がフーガやその他のバロック的手法との唯一の接点ではありません。

ひとりでピアノ演奏するには音域が広く、4手の連弾用のピアノ作品として出版・演奏されています。 ただし新全集はオルガン用の作品としています。
このようなことから、この曲はモーツァルトが姉ナンネルと二人で演奏するために書いたのかもしれません。
カウデリーは「さまざまな点で、2台ピアノのための偉大な《フーガ ハ短調》K.426の先駆作品である」と言っています。
最後のカデンツァがなく、演奏者の即興が許されていますが、その部分にM.シュタードラーが8小節補筆したことも知られています。
彼はモーツァルトの死後、コンスタンツェの助言者となっていた人物です。 そして 1800年に補筆完成版がライプツィヒのブライトコップ・ヘルテル社から出版されました。

フーガ KV 401 のスコアは、特に左手の同時音符間の間隔が広いため (例: 16 ~ 17 小節)、演奏するのに非常に大きな手を必要とするため、演奏するのが非常に困難です。
ヴォルフガング・ヒルデハイマーは、モーツァルトの伝記(「モーツァルト」、ズールカンプ・フェルラーク、フランクフルト・アム・マイン、1977年)の中で、
モーツァルトは「他の人が連弾のみでこの曲を演奏できたのに対し、誰の助けも借りずにこの曲を演奏した」と述べています。
このようなパッセージには、オルガンのようなペダルを備えた改良されたピアノが必要であることが示唆されています。

モーツァルトの父親の手紙の一節が証明しているように、このような楽器はモーツァルトの時代に使用され、明らかに大きな成功を収めました。

「私が到着して以来、あなたのお兄さんのフォルテピアノは家から劇場、あるいは別の家に少なくとも12回運ばれました。
彼はグランドピアノの下に立つ大きなペダルフォルテピアノを作らせました。3スパンも長くて驚くほど重いです。」
(レオポルト・モーツァルトから娘への手紙、1785年3月12日)

モーツァルトのピアノ協奏曲ニ短調 KV 466 のオイレンブルク版 (1981 年) の序文 (88 ~ 89 小節に同様の構想の一節が含まれている) の中で、
パウル・バドゥラ=スコダはこの理論を受け入れ、フーガ KV 401 について明確に言及しています。

「モーツァルトのオルガンまたは足踏みピアノのための別の作品には、明らかにそのような可能性(つまり足踏みピアノで演奏されること)を考慮したものがある
:未完成のフーガ ト短調 K401 (375e)。このフーガの今日の演奏に使用されているピアノ連弾や、同様にニ短調協奏曲では、
ソリストの隣に座っている別のピアニストが低音を演奏することができました。」(Paul Badura-Skoda、ピアノ協奏曲ニ短調 K466 の序文、オイレンブルク 1981)。
このようなフーガにはペダルピアノが必要であるという事実は、上記の広い音程が左手部分にのみ現れることに気づくと判ります。

これらすべての事実は、楽譜の連弾バージョンの必要性を完全に正当化します。これは、単純に4つの音声を各手に分配することによって作成されています。

アトリエ・アニマート
https://animato-jp.net/

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