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感じることの落とし穴

「考えるな、感じろ!」

これはブルース・リーでしたっけ。

レッスンでもよく
「しっかり身体を使っていることを感じてね」
「ここの筋肉をちゃんと感じて」
なんて言い方を耳にします。

では、あなたが踊っているときってそれ感じてますか?

踊っているときに
「あぁこの内転筋が〜!」
「背筋が支えてる〜!」
「腕を長く使えているわ〜!」

感じてないですよね。
楽に気持ちよく、いい感じに踊れているときほど
どこを使っているかなんて感じていないと思います。

そんな暇ないっていうか、
感じる必要ないですよね。
だって、身体はちゃんと動いているんですから。

逆に、しっかりがんばったわ〜っていうときは
後で見ると、変に力が入った動きになっていません?

先生から「感じてね」って言われると
生徒さんたちは、感じることに一生懸命になっちゃう。

感じる、のではなく
”感じよう”、としてしまうのね。

この違いわかりますか?

感じているのは、身体からの感覚を受け取っている状態。
感じようとしているのは、感覚を探しにいっている状態。

方向が逆ですね。
ブルース・リーが言っているのは
「余計なことゴチャゴチャ考えずに
 ただ感覚を受け取っておけ!」
ってことだと思います。

でも、基礎レッスンをやってるときは
ちゃんと感じながらやった方がいいんじゃない?

あなたはそう思うかもしれません。

感覚は強く大きい方が見つけやすいです。
感じようとすると、力をたくさん使いたくなります。
「ちゃんとやってる!使ってる!」
そういう”感じ”が欲しいから。

でも、そのときは力を使い過ぎています。
動きが硬くなります。

感覚を探しているときは動きを止めたくなります。
動いているとわかんなくなっちゃうから。
だから、動きながら動きにブレーキかけようとします。
(なんて大変なことを!)

これ、生徒さんにやって欲しいことでしょうか。
違いますよね。

だから「感じてね」はあまり使いたくないのです。
(意識して、も実は同じ)

もう一つ、感覚って毎回変わります。
その日の身体の状態によって感じ方が違います。

そして、感覚は慣れてきます。
最初はちょっとの力でも変化を感じたのが
慣れてくると、たくさんの力を使わないと感じなくなります。

上級者で感覚が繊細な人はいいです。
でも緊張がある大人のダンサーさんには
あまり使わない方がいいと思います。

もっと緊張を増やしてしまうから。

”骨の動きを筋肉に邪魔させない”

そのためには 、良い指示をあげたいですね。
感覚ではなく、骨の身体で動きを具体的に!

さて、どんな指示を出せばいいのか?
これは次回書きますね。


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