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地域のイベントで泣いた話

 こんにちは、あつみんです。鳥取県の中部に位置する琴浦(ことうら)町というまちで地域おこし協力隊をやっております。今回はまさに昨日、琴浦町で開催された「琴浦まちネットまつり」というイベントでの出来事を書き記したいと思います。日記みたいなものです。文章は得意ではないけれど、この胸の熱さをどうにか残したい。なんとか頑張って書いてみます。

琴浦まちネットまつりとは

 このイベントは「琴浦まちづくりネットワーク(略:まちネット)」という中間支援組織が主催するまちづくりイベント≒地域のお祭りです。今回は第2回目の開催でした。1回目は私がまだ地域おこし協力隊になる前なので、私にとっては初めての参加となります。
 さて、この主催する組織というのが少し変わっていて、町内で活動するあらゆる地域活性化団体のうち24の団体が会員となっています。会員になっている各団体は、同じ町内とはいえ活動拠点が異なり、さらには活動内容も団体ごとに全く色が異なります。例えば会員になっている団体の中には福祉の考え方で地域サロンを運営しているところもあれば観光をメインに活動しているところも。また、白バラで有名な大山乳業農協の販売部や農家民宿を志すNPO法人など、まさしく十人十色。それぞれの団体としての活動を行っていながら、このまちネットに所属しお互いに情報交換をしたりコラボしたり、今回のようなまちネット全体でのイベントを開催したりしています。

まちネットまつり開催に向けて

 私は地域おこし協力隊としてこの「まちネット」の支援を行うことになりました。いくつか業務があるのですが「琴浦まちネットまつり」開催へ向けた準備も業務の一つです。さて、考え方もやり方も異なる団体が24も集まってイベントを作るとなると……一筋縄にはいきません。それぞれの主張、それぞれの考え方、それぞれの都合、それぞれの予定、何をとってもピッタリ合うことが無いのです。

 実行委員会(開催に向けた会議)は各団体の代表者に参加してもらいます。まず、予定が合わない。全員揃って会を開けたことは1度もありませんでした。

 そして、メールが返ってこない。会長が全体にメールをして連絡をとるのですが、皆さんそれぞれ忙しいこともあり(または気づいてなかったりして)大事な連絡や出店計画書などがなかなか揃わなかったです。(連絡を返さない問題は人のこと言えませんが…←)

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 さらに、主張がぶつかり合う。皆さん自分たちの団体を引っ張っていくような方々なので意志も強いし想いも強い。もちろんそれはいいことなのですが、期日の決まっているイベントをなんとしてでもその日に開催させるために、予算との兼ね合いを見ながら、それぞれの要望をかなえるためにどうするか。話が行き来して(本当に何度も行き来した)、ほとんど何も決まらないまま時間だけが過ぎていく時期もありました。結局日が近づいてきてバタバタ。ギリギリのギリギリまで何かしら新しく作っていたような気がします。

イベント前日

 いよいよ前日。ここでまた新たな問題が発生するのでは無いかとヒヤヒヤしていたのですが…そんな思いとは裏腹に、計画していた人数よりも多く集まり、みんなテキパキと持ち場の準備に取り組んでいました。そのテキパキさが、すごい。さすがイベント慣れしているなと感動しました。びっくりするくらい自然にお互い協力しあい、あっという間に前日準備が完了。これまでの実行委員会ではなかなか顔が見えなかったこともあり心配していましたが、ここでようやく安心感が出てきたというか。大丈夫だ…!と自信がわいてきた感覚がありました。

イベント当日

 朝も早い!予定時間も早いのに、それより早くに集まって(私も集合の10分前には着いてたのに)準備している会員も多くいました。もうこの日はイベント当日だったので人の心配もできないくらい自分の役割に必死だったのですが、会員の皆さんはサクサクと準備万端状態に。「さすが…」と衝撃を受けました。慣れてるんです、お祭りに。どれだけの場数を踏んだらこうなるんだ…というくらい。

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 そして、次々と来場者がやってきました。第2回目の開催にかかわらず、本当にたくさんの方にご来場いただきました。これも琴浦の底力だ、と実感。なんせまず会員になっている団体は24。そのために大変なこともたくさんあるけれど、各団体の人数は3人のところもあれば何百人のところもあります。それぞれに所属する一人一人やその家族、友達。それだけであっという間に何百・何千人という関係者の数になるではありませんか!
 ちなみに、私のお友達である米子市の地域おこし協力隊sakuraさんもわざわざ電車で来てくださいました。また中海テレビの永見さんも。町外の方に、私を通して琴浦町に来ていただけるっていうのはやっぱり嬉しいし、ありがたいです。お二人ともありがとうございました!!

私の役割

 準備の期間は主にチラシなどのデザインと実行委員会の書記などを担いました。作ったものはと言えば…
・ポスター100部
・広報誌折り込み用 まちネット通信 7000部
・新聞折り込み用チラシ 5500部
・スタンプラリーカード 1000部
・フォーラム用資料(冊子) 250部
・景品用ポストカード 40部×2種

そして当日、担当したことはと言えば…
・お絵かきワークショップ 講師
・地域おこし協力隊活動報告(現役隊員3人で)
・パネルディスカッションでのグラフィックレコーデイング

さらに、
・イベント終了後の反省交流会の司会
とこんな感じでした。

うん…しんどかった!!!!!!笑

反省交流会

 反省交流会、という名の打ち上げ。この時はほんっとうにほんっとうに達成感でいっぱいでした。「無事に終わった」と心からの安心。前日からひたすら緊張していたので、イベント当日の一つ一つをこなし、閉会後その日の片付けが終わった時の安心感ったらありゃしませんでした。一段落。ほっとした。

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 「うま〜〜〜〜い!」

 乾杯直後、全力の笑顔でビールを流し込みました。こんなにうまい酒はいつぶりだ…?っていうくらい、美味しかった。ワクワクしつつも、準備期間も長く、やっぱりしんどいことも多かったので、最高のビール飲めました。プハ〜〜〜〜ッ

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 反省交流会の途中、全員にマイクを回して一言ずつもらおうとなり。「皆さん一言ずつお願いします!」とマイクを渡して十数分後、再び私にマイクが渡ってきました。私のターン

「えー。皆さん、お疲れ様でした!!!!!!!」

 元気よくこの一言。会場の拍手。そして、次の言葉を発しようとした時…

「…うぐっ…」

 ボロボロと涙が溢れてきました。

「あつみーん!!!!がんばれ!!!!!」
「あつみん!!!!」
「頑張った!!!!!」
「お疲れ様!!!!!!!」

 大きな拍手と優しさに包まれながら、そして、自分の涙と嗚咽で顔面ぐちゃぐちゃになりながら

「準備の時は…本当に不安で…」

 みんながワッと笑う。本当に不安だったんだよ!!!!!

 準備の期間は不安だったこと。当日も緊張していたこと。皆さんのテキパキとした動きに感動したこと。無事に成功して安心したこと。ここにいるのはかっこいい大人たちばかりなこと。琴浦に来て1年半、いつの間にか見渡せば知っている顔ばかりなこと。皆さんにお世話になって可愛がってもらって嬉しいこと。仲間の一員になれたようで嬉しいこと。もっと琴浦が好きになったこと。

 うぐうぐ言いながらも頑張って伝えました。コメント終わった後の皆さんの温かい拍手と、後に続く方のあつみんいじり(「私もあつみんみたいに泣けるかな」とか笑)にとても幸せな気持ちに。

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 1日に何度何人の人に「あつみん」「久和ちゃん」と呼ばれただろう。見てくれている人は見てくれていて、しかもとても多くの地域の方に見ていただいていて。私にとって「琴浦町に来てよかったな」と改めて思うイベントになりました。

まちに愛されているという実感、まちへの愛着。

 多くの方に「あつみん!」と呼んでいただいて「お疲れ様!」と言っていただいて。それだけでこのまちのことがさらに好きになる気がします。イベントの後もFacebook上で地域の方々がコメントを残してくれるのがすごく嬉しいです。毎度毎度「こうやって可愛がっていただけるほど、私に何かできているのだろうか…」と悩むことがあるけれど、目の前の笑顔は嘘じゃないな、と思えるのでそれだけでOK!とすることにしました。
 地元・対馬にいた頃、そして、対馬のアンテナショップで対馬を紹介していた頃。当時は当時で対馬の大人たちに今回のようにたくさん可愛がっていただきました。今でも応援してくれている島の大人たちがたくさんいてくれています。応援してくれている・期待してくれているという実感は、その地への愛着に繋がってるのかもしれません。

泣けるほどに好きになった

この1年半で、ほとんど何も知らなかった琴浦町のことを自然と泣けるほど好きになったんだなと嬉しくなります。

地域のおじいちゃんおばあちゃんたち
役場の職員さんたち
読み聞かせで知り合ったママさん
琴浦KAKU部や読み聞かせで仲良くなった子どもたち
日々一緒に活動する地域の方々…

知っている人が、知ってくれている人が、たくさん増えました。

任期は残り半分。

この調子でもっともっとこの地での暮らしを楽しみたいと思います。


あ、泣くことを「あつみん」というのはもうやめてください。笑

今日はそんなお話でした。

やってみなきゃわかんない!