見出し画像

Firenze 3週目

前の記事で、郷土料理にがっつり入れ込むのは少し気が進まないと考え、郷土料理をベースに少しモダンなテイストを提供しているお店を探していました。
前回行きたいと言っていたエノテカは行けずじまい。
そのかわり、フィレンツェで人気のBIOのお店に行ってきました。

カボチャのリゾット
蝦夷鹿ロースト

いやあ、美味しくないわけじゃないんだけど…。
このレベルだったら日本でもいいんです😢
ワインは美味しかったです!
やっぱり自分はvino naturaleが好きなんだなあと再確認いたしました。

ここで僕はシンプルに思いました。食べ歩きをして美味しいお店にアタックして働き口を見つけるのはちょっと無謀すぎると。
飲食店の数は日本と同じくらいのイメージなのですが、そのほぼ全てがイタリア料理なんです。
この中から自分が働きたいと思ったお店を見つけるのも無謀だし、こんなに英語もイタリア語ができない人間を雇う店もないはずです。
イタリア全土のミシュランやガンベロ・ロッソで有名な店はすでに調べていましたが、そこを訪れるのに一体どれくらいのお金と時間が必要なのでしょう。

僕はちょっと危機感を覚えました。
というのも、留学代理店さんが「半年もすれば大体みんな仕事見つかってますよ」と言っていましたが、僕は半年も待てる気がしませんでした。
確かに半年もすれば大体イタリア語のコミュニケーションは取れているでしょう。しかし、今は円安と物価高の影響で、半年収入無しで生活するだけでだいぶお金が持っていかれます。すでに2年目のイタリア滞在を考えている身としては危ういです。

そこで僕は早急に仕事を見つけなければと思いました。
でも皆どうやって仕事見つけてるんだろう?
語学学校の掲示板? 日本人コミュニティー?
そして僕はふとパソコンに、「イタリア 求人」と打ち込みました。
そうすると、イタリアで日本人を求人募集しているサイトが2つ程出てきました。どちらもヨーロッパの商品の買い付けだったり、日本語講師だったり、寿司職人、和食調理師の募集が目立つ中、たまにイタリアンレストランの求人があります。

その中で、「ボローニャ近郊の一つ星レストランでコック募集」という記事を見つけました。お店の名前も詳しくはほとんど書いていなかったのですが、僕はその募集をかけている日本人の方へ早速メールを送りました。

するとイタリアで僕と同じく料理修行している青年で、12月中旬頃に帰国予定なので代わりの日本人を探していたということでした。
なんという偶然でしょう、僕の2ヶ月以内に仕事をみつけるという目標が達成できそうです。
何件か問い合わせもあったそうなのですが、一番やる気のありそうな方に返信したということです。僕の気持ちが届いてよかった(笑)

ボローニャ近郊とはいうものの、ボローニャからはバスで約1時間半の山の中、Wi-Fiもなく、給料も安く、相部屋という悪条件ではありましたが、あくまでも第一目的である紹介されたお店が魅力的だったのでそこで働きたいと伝えました。

ただ一つだけやり残したことがあるということも伝えました。
日本にいる頃からずっと知っていたトスカーナの2つ星レストランに食べに行ってみたいと。
僕は青年にわがままを言いました。
「どうしても食べてみて、働きたいと思っていたレストランがある。
僕はこれから早速予約をして食べに行くので、1週間だけ返事を待ってくれないか。もしかしたらその料理に感動して、ダメもとで直談判してそっちで働けることになるかもしれない。待ってくれますか。」

青年はとても柔軟な考えの持ち主で、僕の考えにもすぐに共感してくれました。

彼は「あなたがそう思ったなら、実行した方がいい。せっかくイタリアにきたのなら後悔しない道を選んだ方がいい」とアドバイスしてくれました。

そこでぼくはその週の土日を使い、バスで5時間かけて有名なレストランに行ってきたのです。


次週、モンテメラーノの旅。






頂いたサポートは、将来のお店の開業のための自己資金に充てたいと考えております。