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修了を見据えて

修士論文の提出と口頭試問を終え、また月日も流れてもう3月になった。大学院修了まで秒読みといった時期に来ている。学生生活も残りわずかになったので、今は学生のうちにしかできないこと、まとまった時間があるときでないとできないことをしている。

今回、私は大学院から離れるため旅立つ側だが、それと同時に見送る側でもある。

それはどういうことか。大学院進学当初から、私と深く関わりがあり、よくしていただいた博士課程の先輩が2人いる。彼らは、私の終了直前までに留学へ旅立って行ってしまった。ゼミの後によくご飯に行っていた。また、たまたま帰る方向が同じだったため、自然と関わりが深くなって行ったのである。そんな彼らを私は見送らねばならないからである。

1人は1月、もう1人は3月頭に出発していった。よく一緒に帰っていた三人組が、1人ずつ減っていった。人数が減ればそれだけ口数も減っていく。そうなると、もう近くにはいないということを嫌でも実感させられる。そして、今では帰り道は1人となってしまった。

学校という場所では特にそうだろうが、1月から3月は誰かとの別れを強く意識せざるをえない時期である。しかし、このことを強く感じるようになったのは大学に進学してからのことだ。高校卒業までは数百キロも離れたところに行くような人は滅多にいなかった。ところが、大学以降は誰かに会いたいからと気軽に会えるわけでもなくなった。

厳しい冬がもっともっと、続いて欲しいと思ったのは1、2回のことではないだろう。

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