片頭痛と蟻地獄

私は子どもの頃から「頭が痛い」と言っていたのだが、ここ数年で片頭痛は急激に悪化した。

まともに仕事すらできない日が増えて、会社に行っても愛想が悪くなってしまう。片頭痛が酷いということを上司や同僚に伝えても、なかなか理解がしにくいようだった。徐々に仕事の効率も落ちて納得のいく仕事ができないようになり、ついには自分の心を休職まで追い詰めてしまった。

一度体調を崩してしまうと復調させるのはなかなかに難しく、片頭痛は悪化し続けるに伴い体調も悪化し続けて身体も心も削られている状態だ。

片頭痛が酷いと休日も死に体となる。

暖色の淡いライトで部屋を照らして休日も身体を起こす気にもならずベッドの上でひたすら痛みに耐えている。
薬を飲もうとするのすらめんどくさいし、トイレに行くのすらめんどくさい。ただただひたすら身体を横にして痛みが通り過ぎるのを待つ。
食事はスマホでUbereatsから注文するが、置き配で指定した玄関に置かれた食事を取りに行くのすらつらい。痛みが落ち着いているときに無理やり身体を起こして玄関まで取りに行く。
底冷えした大戸屋弁当を摂取する。本来なら美味しいのだろうが、こんな日は栄養素として身体に詰め込んでいるような気分になる。
そのままベッドへと傾れ込み、また、時間が過ぎゆくのを待つ。
夜になったら寝たいのだが、1日何も運動していない身体で眠れるわけもなく、目を瞑っても眠れない時間が続く。日によっては朝焼けが始まる時間にようやくねむれるようなときもあった。

これが片頭痛持ちの休日だ。
延命治療のような休日が繰り返される。
なんとも不毛な日々だ。

⭐︎

この蟻地獄から抜け出したい。
片頭痛がない日常はどんな暮らしだったっけ。
すっかり忘れてしまった。

この1ヶ月で頭痛をほとんど感じない日は1日だけだった。

今日という1日を逃すまいと、桜並木の下を自転車で滑走した。とてもたのしかった。

頭痛が改善すればこんな日がたくさん訪れるのだろうか。

せめてそんな夢を見ないと起き上がれない。
もうこんな寝たきりのような日常は嫌なのだ。
あと何十年もコレを繰り返し続けたくなんてない。

この蟻地獄から抜け出したい。
強く強く、そう思う。

⭐︎

悪化を続けているこの現状を変えるには、何かを頑張らないといけない。

片頭痛がほぼ毎日ある身体で、さらに何かを頑張るのは正直なところ「しんどい……」と思ってしまうときもあるが、それでも。

少しでも若くて体力のあるうちに取り掛からなければ取り返しがつかないままきっと私は死ぬのだろう。


健やかに生きたいんだ、わたしは。

片頭痛で苦しみながら惰性で生き続ける人生で終わりたくないんだよ。


明確な改善策もゴールもない道のりではあるが、できる限りのことはやっていく。

ひとらしく生きるために。

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