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5/22 vsレヴァークーゼン EL決勝

アタランタ総評

 キーパーはここまでELでゴールを守ってきたムッソ、デローンの負傷によりコープマイネルスを1列下げてルックマンを先発起用。ホームでのマルセイユ戦と似たフォーメーションとなった。勝てばガスペリーニ政権下初のタイトルとなる今季2度目の決勝戦となったが、レヴァークーゼンの動きが硬くパスなどのミスが目立つのに対し、アタランタは2度目だからこその落ち着きを見せ、見事にマンマークディフェンスをハメていく。1点目の連動した選手たちの動きも凄いのだが、何と言ってもアタランタらしさが出たのが2点目。オールコートマンツーマンでパスの出しどころがなくなったコヴァルがロングパスを蹴らざるを得ない状況を作り出して相手のミスを誘い、速攻から見事にゴール。パシャリッチが投入されてからは守備にかける人数を増やし、マークを少しづつ後ろにずらし攻撃をペースダウンさせた。これで守りに入ったかと思うとカウンターからダメ押しとなる3点目を決め、試合をほぼ決定づける。その後もPA内への侵入はほぼさせず試合終了。戦前の予想ではおおかたレヴァークーゼン勝利の予想だっただろうが、終わってみればピンチも少なく完勝だった。ポゼッションはかなり譲ったが中盤のジャカ、パラシオスへのプレスをサボらず自由にパスコースを選ばせなかったのが相手の攻撃を昨日させなかった要因ではないだろうか。レヴァークーゼンの無敗記録を止めた上、クラブ史上初の欧州大会ベスト4からのいきなりの優勝、ヨーロッパリーグ決勝で初のハットトリックを記録とレコード尽くしとなり世界からの注目や称賛が飛び交う結果となった。8年かけてここまでのチームに作り上げたガスペリーニにはこれからも期待が止まらない。

スタメン

ムッソ GK 6.5
 前半2度ポケットを取られたシーンでは迷わず飛び出しセーブした。1度目は飛び出しが早過ぎたように感じたが、グリマルドのミスキックにより助かった。

ジムシティ RCB 6.5 🟨
 ヴィルツへのマークでは前を向かせずに自由を与えなかった。危険な場所の見極めがよく、クリアのタイミングが適切だった。

ヒエン CB 7.5
 圧倒的なフィジカルとパワーで中央を割らせることを許さず、裏への抜け出しに対しても走り負けずに対応した。クリアやヘディングの精度も素晴らしかった。

コラシナツ LCB 7.0
 怪我明けでいきなりの決勝となったが、全力プレーでブランクを感じさせなかった。パスの出所を見極めるインターセプトとしつこいプレスでフリンポンに全く自由を与えなかった。再負傷により無念の交代となったが、前半の彼のプレーがあったからこそ奪えたリードだと思う。

ザッパコスタ RWB 7.0 👟 🟨
 ポケットを取りマイナスのクロスで先制点をアシストした。グリマルドへも厳しく対応し自由を与えなかった。

エデルソン DMF 8.0
 縦横無尽に全エリアを走り周り、複数人いるのかと思わせる運動量だった。相手の裏抜けに対応したかと思えば、相手の最終ラインの裏に走り抜けボールをもらいに行った。もちろん中盤でもジャカやパラシオスに厳しく寄せてパスコースを選ばせなかった。長距離スプリントした後もプレーの質が落ちないのも素晴らしかった。

コープマイネルス DMF 7.0 🟨
 いつもより守備的なタスクを任され慣れない部分もあっただろうが何が何でも中盤を突破させまいと食らいついた。先制点の起点となるザッパコスタへのパスはあのタイミングしか渡らない絶妙なものだった。

ルッジェーリ LWB 6.5
 フリンポンに裏を取られるシーンもあったが、スピードのアドバンテージを感じさせずしつこく対応。他にもクロスやクリアでチームを陰から支えた。

デケテラーレ RCF 6.5
 ビッグチャンスを作ることはできなかったが、前線からのプレスやパスカットで貢献した。前を向いた際のカットインの意識がもう少し欲しかったか。

ルックマン LCF 10.0 ⚽⚽⚽
 圧巻のゴールショー、EL決勝史上初のトリプレッタで文句無しのMOMに輝いた。1点目は死角からクロスに合わせ、2点目は1人抜いてカットインからのコントロールショット、3点目は縦にかわしてからの逆足の強烈なシュートとバリエーション豊かなゴールパターンで彼にとって完璧な1試合となった。今夏に移籍しないことをただ祈るのみだ。

スカマッカ ST 7.0 👟 🟨
 決勝の主役となるべく、遠い位置からでも積極的にシュートを打っていったが、力んでいたのかミートはしなかった。3点目の場面では持ち運びからアシストにつなげた。

途中出場

スカルヴィーニ  LCB 6.5 45min⤴ 
 コラシナツの怪我で急遽の出場となったが、入りの悪さは感じさせず。長い脚を活かしてインターセプトやボールを刈り取る部分でも貢献した。

パシャリッチ RCF 7.0 57min⤴
 ヒンカぺを抑える強度を上げたいという守備的なタスクを任されての投入となったが、采配が見事的中。執拗なタックルからカウンターでダメ押しの3点目につなげた。

ハテブール RWB - 84min⤴
 試合中よりもセレモニー時の一番の喜びが印象的だった。加入から7年目ということもありチームメイトから頼られていることがわかる場面が垣間見えた。

エルビラル ST - 84min⤴
 カウンターからシュートまで持ち込んだがブロックされた。

トロイ LWB - 91min⤴
 チームキャプテンとして試合を締めるために投入された。まさかそのままLWBで出るとは思わなかった。

レヴァークーゼン総評

 ここまで51戦無敗で今季2つ目のタイトルに挑む。ヒエンとのフィジカルバトルを回避するためか、0トップのような布陣とした。アタランタのマンマークプレスを回避するのに苦戦してパスミスが目立ち、なんとか回避しフィニッシュに持ち込んだ場面も慌ててしまっているように感じた。2点リードされ、後半からやや攻勢を強めているように感じだがPA内にはなかなか侵入出来ずにいると、ダメ押しの3点目を決められいつものATの必然性を持った奇跡を起こす希望も薄れる。ヴィルツやグリマルドも前を向いてボールを持たせてもらえず、イラつきが募り交代、代わりにシックやボニフェイスを投入してパワープレーに近い攻撃で猛攻を仕掛ける。結局後半はビッグチャンスをほぼ作れないまま試合終了。無敗記録がこうも完敗で途切れるとは誰が予想しただろうか、だがここまでの記録を達成したことは素晴らしく、長く歴史に刻まれるであろう。

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