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ラグビーの文化とD&I 〜みんな違って、それでいい〜(前編)

2019年のラグビーワールドカップ日本大会で、我らがジャパンが予選プールを全勝の1位で通過し、初のベスト8に勝ち上がったことは記憶に新しいことです。
私自身、予選全勝を決めたスコットランド戦、そして準決勝をかけた南アフリカ戦をスタジアムで観戦し、どちらの試合でも涙を流したのをよく覚えています。

そんなラグビー。
でもラグビーについて知ってるのは、そういった直近の活躍のニュースまでという人も多いと思います。

私の初のnote記事は、そのラグビーの好きなところと言いますか、ユニークなところ、これをD&I(Diversity & Inclusion)と絡めて、2回に分けて書いてみたいと思います。

個性あふれるポジション

1回目の今回はD&Iそのものである、ポジションについて。

1チーム15人で、10種類のポジションがあります。

ラグビーポジション

Wikipedia ”ラグビーのポジション”より引用

「プロップ=スクラムの最前線で体を張る、空が大きい人」とか「ロック=高いボールをキャッチする長身の人」「スクラムハーフ=パスをどんどん捌く、身体が小さい人」「ウィング=体のサイズ関係なく足が速い人」、とこんな感じです。​

サッカーでもディフェンスラインの人やゴールキーパーは背が高めだったり、足が速い人はフォワードだったり、サイドバックだったりしますね。でも、身体を思いっきりぶつけるフルコンタクトスポーツであるラグビーにおいて、身体のサイズは大きければ大きい方が有利なのは当たり前なのです。

日本の小さな巨人、田中史朗選手

その身体が小さくても活躍できるスクラムハーフというポジションでワールドクラスで活躍しているのが、NECグリーンロケッツ東葛に所属する、田中史朗選手です。

同チームの公式サイトによると、身長166cm  体重75kgです。はっきり言って、身長だけ見ると小柄です。それでも、日本人初のスーパラグビーでプレーし、2015年W杯ではあの南アフリカ戦の勝利に貢献し、2019年W杯でも日本代表として活躍しました。日本代表キャップ数(出場試合数)は75で、歴代5位です。(2021年10月現在)

以前所属していた、横浜キャノンイーグルスの選手紹介ページにおいて、「ラグビーの魅力」をこのようにコメントされています。まさに、田中選手が体現しています。

”小さくても世界で活躍できる“

巨人の国、南アフリカで輝く小柄な選手たち

2019年のW杯で優勝した南アフリカにも小柄な選手はいます。南アフリカ代表というと、世界の強豪と比較しても大柄な選手が多く、世界一フィジカルが強いと言っても過言ではない、そんなチームです。

そんな中でも、170cmのデ・クラーク選手(スクラムハーフ)や171cmのコルビ選手(ウィング)はW杯でレギュラーとして、チームの中心として活躍していました。特にコルビ選手のスピードとキレは現時点(2021年10月)で世界一ではないかと思います。

ウェールズの至宝、シェーン・ウィリアムズ

私が大好きな選手のうちの1人、シェーン・ウィリアムズ選手も170cmと小柄ながらウェールズ代表でトライを重ね、世界における代表としてのトライ数は歴代2位です。ちなみに、歴代1位は大畑大介さんです。

そのシェーン・ウィリアムズ選手も名言を二つ残しています。

①”自分に合った、自分に必要なスキルを磨く”

②”小さな人間には大きなスペースがある”

この2つ目が特に好きな言葉です。原文見つからないんですが、「A big space for a little man.」といった言葉だったと思います。

シェーン・ウィリアムズは、身体が小さいことをハンデと思わず、そのようにポジティブに考え、自分が優位となることは何か、それを生かすためにはどんなトレーニングをするかなどしっかり分析、実践して、そして結果を出したからこそ、このようなことをおっしゃったんではないかと思います。

みんな違って、それでいいラグビー

身体大きい人がふさわしいポジションや、身体が大きい方が小さいより有利であるポジションもある中、身体が小さくてもその個性を生かす努力で、最大のパフォーマンスを発揮している選手がラグビーの世界にはいることを紹介しました。

後編に続く


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