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⑭障がい者になって命を救われました


デイケアにはたぶん
20年強ぐらい通った。

あまり覚えてないんだ。
不思議なことに
人間であることを
忘れてた入院時期の方が
覚えてる。

デイケアにはたしか
兄弟が送り迎えを
しばらくしてくれた。

3歳の子どもを連れて
デイケア、通院と
車で走ってくれた。

ぼくはひとりで行けるよ。

そう言ってたと思う。

でもお願いすることに
なったのは。

退院したある日。
本がみたくて本屋へ
連れて行ってもらった
ことがある。

そのとき兄弟は

「あんまり長くいられないと
思うから長くても30分ね」

と時間指定をした。

ぼくは 大丈夫なのに
なんで時間指定するの?

って思った。

でもいざ本屋に入って
本を手にしたら。

まったく活字が読めなかった。

また長いこと
立ってられなかった。

あれ?あれ?と戸惑いながら
周りがぐるんぐるんと回ってる
感覚に陥った。

当時はわからなかったけど
【1年間外にでない】
ってこういうことなんだと
思う。

おまけに病院院内や近くの
公園にしかたまに散歩
するくらいだったから。

思った以上に
足腰は弱まってた。


一番はそれを、


自分で自覚できてない



ってこと。

だから大丈夫といいながら
できないことが多かった。

そんなことがあったから
デイケアは兄弟に
送迎をお願いすることにした。

たぶん兄弟は

まだデイケアの送迎バスの
中でぼくが耐えられないと
みたんだろう。

それは、

人と関わること
場所の空間のこと

があてはまる。

場所の空間は、
狭くて息がつまる感覚に
なるということ。

パニック障がいまでは
いかないけど

その空間にいて
たぶん耐えられない。

ぼくは周りの声や音も
耳に入ってくるから
きっと疲れる。

兄弟はそう想像したんだろう。

自宅からデイケアまで
車で約30分かかる。

しかも一般道路では
なくてだ。

時間が長いとぼくが
疲れると思ってのこと。

ほんとに
良くしてもらったと
実感する。

感謝しかない。

あとで教えてくれたけど。
ぼくが障がいをもったことに

どれだけ苦しんだだろう
いままで気づかなくて
ごめん。

そう伝えてくれた。

ぼくはびっくりした。
兄弟のせいだとは
思ったことはなかったから。

ぼくは両親とくに母、
世間のやるせなさに
腹を立ててたから。

実は兄弟とはこれまで
あまり仲は良くなかった。
歳も離れていたから
喋ることもあまり
なかった。

だからひょっとしたら
心の奥底で
兄弟にも腹を立てて
いたかもしれない。

当時のぼくは
なにもわからなかった。
だから周りのせいに
していた。


障がいを得て。
兄弟とそれ以降
仲良くなった。

そして。

ぼくは最初の入院で
救急車に運ばれるまで。

4のうと思っていた。

実際準備もした。
卒業証書やアルバム写真
成人式に撮ってもらった 
大事なものを
泣きながら破り捨てた。

なんでわかってくれない。

そう絶望と怒りの中
4ぬ決意をした。

今思うと。
どーやって4のうと
思ったんだろうなあ?

ただ決心はしたんだけど。
ちょっと今思うと不思議。

そこでぷつりと
ぼくは記憶がない。

気がついたら
どうしてたかな?

記憶が飛んでいる。

でも入院する前に
ぼくは少し家で
過ごしている。

眠れない
食べれない
日々が続いた。

幻聴もあった。

ぼくはこれは
ちゃんと親友の声は
聞こえた!

と主張した。

でも母は信じなかった。
いや、聞こえないし
ここにはいないと言った。

でもぼくはちゃんと
聞こえている!

そう訴えた。

でも信じてもらえなかった。

今までの母に対する不満が
さらにエスカレートした。

どんなに台所の机に
お菓子が山盛りに
用意されていても
食べなかった。

眠れなくて、
食べないという気持ちから
実際に食べれなくなって
日にちの感覚もなくなって
ふらふらしている。

それでも。


ぼくは自分は

おかしくないと思っていた



そんな状態でも
眠くなかったし
お腹は空かなかった。

だからほんとは
もうおかしかった。

母が注射を打ちに
行こうと言う。

でもイヤだ!と抵抗した。
病院が怖かったんだ。



それから
どれくらいの時が
流れたんだろう。



ぼくは暴れて
救急車で運ばれた。
気がついたら
ベッドの上だった。



(ここのいきさつは前のブログに
書いてあるから一度読んで
もらえるとわかると思う)



このときの体重は
58kgから43kgになっていた。

精神がおかしくなって
人間であることも
意識も忘れたけど。



よく死ななかったな〜





ぼくは命の代わりに
精神病という障がいに救われた。


そう思っている。



だからありがとう。
感謝しかない。




            

             つづく

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