フリーランス→正社員のエンジニア採用がメリットしかないという話。
株式会社メタップスホールディングスの釣りバカVPoE、阿夛(@ataboy86)です。
VPoEとして開発全体のマネジメントをする傍ら、フリーランスと企業のマッチングサービス「re:shine(リシャイン)」の事業責任者をしています。
先日re:shineで、フリーランスを社員として採用する「トランジション採用」についてのリリースを出させていただきました!
▽リリースはこちら
はじめに〜昨今のエンジニア採用の難しさ〜
dodaさんの転職求人倍率を見ると、2023年末の求人倍率13.28倍とかなり高い水準となっており、年々右肩上がりで上昇しているという現状です。
ここ数年の傾向から、今年を含めたこれからもエンジニアの獲得は非常に厳しくなる可能性が高いです。
特に、即戦力で活躍するようなエンジニア(いわゆるミドル層・シニア層)は、市場価値が高く、採用市場にもなかなか出てこないため、企業間の争奪戦が激化しています。
このような状況の中、優秀なエンジニア人材を獲得するためには、従来の採用活動にとらわれない新たな手法を模索することが必要になってきます。
そこで注目されているのが、フリーランスとして活躍するエンジニアの正社員採用です。
従来、フリーランスは企業に所属せず独立して働くというイメージが強かったものの、近年では、実現したいキャリア、共感できる事業や経営者に出会えた場合などに、フルタイムでコミットしたいと考える層も増加しています。
その他でも、実態としてフリーランスはまだまだ制度が整っていないことが多く、社会保障の不安やライフステージの変化などをきっかけに社員に戻ることを検討する人も一定数存在します。
【2023年版】フリーランスエンジニア白書によると、フリーランスのエンジニアで直近または将来的に正社員になりたい人は4割を超えました。
フリーランス→正社員のエンジニア採用におけるメリット
従来の正社員を前提とした採用活動は、企業が求める人物像にマッチした人材を、いわば「限られたチャネル」で探し求めるようなものでした。
そもそも、本業がありつつも働く環境を変えるのは難易度が高いです。即戦力のエンジニア(ミドル・シニア層)は、マネジメント層になっている方も多く尚更です。
しかし、フリーランスとして活躍しているエンジニアは、その「チャネル」の外で、独自のスキルや経験を積み重ねています。彼らとは、転職サイトやエージェントを通して出会える可能性は低いです。
前述したように、エンジニア獲得が激化する中で多くの企業が正社員採用の動きをしている中、「トランジション採用」で独自のスキルや経験を持つ「新たなチャネル」に目を向けることで、企業は、即戦力となる優秀な人材を獲得できるチャンスが広がると思っています。
1.事業を前進しながら採用活動ができる
従来の採用活動では、募集から採用決定までにはどうしても時間がかかってしまい、その間は事業の進捗が滞ってしまいます。また、採用が決定してからも各種手続き、入社者に対するオンボーディングや技術のキャッチアップなどに時間がかかってしまいます。
正社員採用に集中して採用を急ぐあまり、採用・オンボーディング・キャッチアップに時間がかかり事業成長に遅れが生じると本末転倒です。
フリーランスとして既に活躍しているエンジニアを採用する場合、貴社が求めるスキルや経験を持った人材と業務委託契約を結び、まずは参画してもらうことができます。
まずはフリーランスに参画していただくことで、事業・サービス拡大を滞りなく前進させることができ、並行して、実務を通じた直接的なコミュニケーションから、正社員雇用を目指した採用活動を進めることができます。
2.ミスマッチをなくす
フリーランスとして事業に参画いただくことを通して、企業は候補者の実際のスキルや経験、カルチャーフィットを確認することができます。
このように、関係値を築きながら採用活動を進めることができます。
フリーランスの方の立場からしても、実際に働いているので、正社員として登用されてもイメージが湧きやすいです。
3.採用コストの削減
「正社員採用」にかかるコストは、下記のようなものが挙げられます。
採用広告費
採用媒体出稿費
紹介手数料
フリーランスエンジニアを採用する場合、上記に挙げた正社員採用コストを抑えられるというメリットがあります。
トランジション採用を活用することで、採用コストを大幅に削減できる可能性があります。
気をつけなければいけないこと
ここまでトランジション採用の魅力についてご説明しましたが、活用を検討される企業様にはいくつか注意して欲しいポイントがあります。
1.フリーランスは「外注先」ではない
企業側としては、フリーランスを「外注先」として捉えてしまいがちですが、この思考を脱却できないと「トランジション採用」は難しく感じます。
フリーランスを上手く活用している企業は言葉の定義がなかっただけで採用したいという想いはあるはずです。
参画していただくフリーランスは、「一緒に事業を作るメンバー」になることに変わりはないので「外注先」と捉えずに、共に伴走していく中で採用活動が進むと考えています。
2.フリーランスの意思を尊重する
前提として、フリーランスの全員が社員になりたいわけではないし、どの会社でもいいわけではないです。ここで意識してほしいのはお互いに選ぶ立場であり、選ばれる努力をしなければならない。ということです。
もちろん、報酬を払うのは企業ではあるのですが、いわゆる「売り手市場」ということをエンジニアも理解をしています。その中で、いかに自社を選んでもらうか、を各社努力をしているため、他社のが条件が良いなどで簡単になびいてしまいます。
その中でも自社を選んでもらうための魅力が明確に伝えられると良いでしょう。
3.社員を「前提」としたフリーランス採用はNG!
正社員を狙って採用活動をしていく上で、あまりにもやりすぎてしまうと指揮命令系統に契約内容との齟齬が出てしまいます。
最悪の場合、偽装請負として違法行為となる可能性があるため、業務指示を出すようなことは無いようにしましょう。
また、社会保険料逃れに見えてしまう可能性もあるため注意が必要です。
まとめ
様々な手法で社員採用の競争が激化している昨今、「他社で雇用されている人」から視野をひろげ、「現在雇用されていない人」であるフリーランスに目を向けてみるのも一つの有効な手立てと考えます。
一人ひとりのライフステージや実現したいことに見合った働き方を提供でき、この会社で働くイメージをつけてあげることで、今まで採用できなかった人材を迎え入れることができる可能性を広げられる手段が「トランジション採用」であり、周りがまだ手をつけていない今だからこそ試してほしい選
択肢です。
▽「トランジション採用」に関するリリースはこちら
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