あたらしいアカチャンがくるまでの憂鬱
自分が結婚を選んだことは意外だった。
いまだに「結婚してるんだ」と驚くことがあるほどに。
でも、わたし以上に驚いたのは家族だったかもしれない。
それまで奔放娘のプライベートに触れてこなかった両親は「この機を逃してなるものか」という血気に満ち満ちていた。笑顔よりも、真顔であった。
結婚を決めた理由はさまざまあるなかで、親孝行のためという発想は全くなかったけれど、当時父親が大病を患い「5年生存率は数パーセント」と宣告されていたことは、少なからず影響したかもしれない。(5年以上