生誕110年、日本を代表する彫刻家・佐藤忠良をめぐる~東日本編
こんんちは。@ARTです。
今年生誕110年を迎える日本を代表する彫刻家・佐藤忠良(1912年7月4日 – 2011年3月30日)をご存知でしょうか。具象彫刻の膨大な作品が全国にあり、パブリックアートも多く制作した彫刻家です。おそらく身近な場所で、一度は見たことある作家の一人なのではないかと思います。
「日本人の手で初めて日本人の顔を表現した」という評もあるくらい、日本人らしい人物像を切り開いた佐藤忠良の屋外作品から、ごく一部をご紹介します。
佐藤忠良とは
佐藤忠良(さとう・ちゅうりょう)は、宮城県生まれの彫刻家です。地元の宮城では親しみを込めて「ちゅうりょうさん」と呼ばれるほど親しまれていたとか。少年時代は北海道で過ごし、画家を志して上京するものの、ロダンなどの彫刻に魅せられて彫刻を志します。
そして、東京美術学校(現・東京藝術大学)彫刻科に入学。卒業後は、新制作派協会(現新制作)を結成し制作を続けました。
その後、兵役の召集を受けて旧満州に渡り、終戦後に3年間の過酷なシベリア抑留を経験します。帰国後は制作を再開し、具象彫刻を中心に様々な制作活動を行ってきました。
【青森】佐藤忠良 / 風
日本の道100選にも選ばれた,十和田官公街通り(駒街道)におかれている馬に乗る子供の彫刻です。馬の隆々とした力強い造形と、小さな子供の対比が印象的です。
佐藤忠良 / 風
【仙台】陽 ー未来への誘いー
佐藤忠良の生まれの地、宮城県は仙台空港アクセス鉄道、仙台空港駅にある作品です。原画を佐藤忠良が手掛けています。木々の向こうに上る太陽が宮城県、東北全体の飛躍を象徴するイメージとして描かれています。
【渋谷】人魚像・牧神像
1968年の西武百貨店渋谷店の開店に合わせて、公園通り側入口にA館・B館それぞれに向かい合うように設置された作品です。
実は渋谷は、国木田独歩や与謝野鉄幹・晶子など明治時代から多くの作家・詩人に親しまれてきた歴史がありました。そんな渋谷の地を記念するものとして作られたということです。変化の激しい渋谷の街の中にありながら、50年近くもこの街にある作品です。
【新宿】早蕨
東京都庁の都民広場に設置された女性の裸婦像です。「早蕨(さわらび)」とは芽を出したばかりのワラビのこと。同名の作品が北九州市にも設置されています。
【横浜】少女
横浜駅から横浜東口地下街ポルタへとおりる階段のそばにある彫刻です。
1980年の横浜ポルタ開業にあわせ、佐藤が自身の孫娘をモデルにして制作しました。水着をまとった少女の姿が瑞々しさと爽やかさを感じさせる作品です。
佐藤忠良 / 少女
【川口】裸のリン
川口西公園におかれた彫刻作品のひとつで、川口総合文化センターへと渡る橋付近にある彫刻です。
どこか幼さの残る仕草が印象的な女性像となっています。この作品の複製は全国各地にあり、青森市、東京都府中市、広島市などでも目にすることができます。
佐藤忠良 / 裸のリン
現在は、生誕110周年を記念した回顧展が行われています。気になった方はぜひ見に行ってみてください。
全国の作品はとても多すぎてデータベースにまとめ切れていないので、発見した方はぜひ情報お待ちしております!
Public Art Database(β)
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