スノードロップが教えてくれたこと
私は今やブラック企業とも揶揄される
学校の先生で、
春は何かと気忙しい。
加えて、二人の娘は
今春W受験、卒業、入学シーズンの真只中。
あらゆる手続きと二人の心のケアのため、
日夜で奮闘している。
ついでに「私の人生、このままでいいのか」
というモヤモヤも胸に抱えつつ。
最近の私の毎日は、
ジェットコースターに乗っているようだ。
周りの景色は一瞬で通り過ぎ、
あっという間に一日が終わる。
今日走った道がどんなだったか、
はたまた道の袂に何があったのか、
全く覚えていない。
人生には、ギアを上げて
頑張らなくてはならない時があると思う。
今がその時だと思って、
必死に踏ん張ってはいるが、
本当は「誰か助けてー」と
泣きそうな日々である。
ある日くたくたで家に帰り着くと、
庭の花壇に
スノードロップが咲いているのが見えた。
毎日見ているはずなのに、気づかなかった。
春になったら花を咲くのが嬉しいから、
秋に球根をたくさん植えたのだった。
この時を楽しみにしていたはずだったのに。
全部自分で背負い込んで、
余裕が全く無くなっていた。
もしかしたら、花だけではなく
もっと大事なものを
見落としているのかもしれない。
私が大事にしたいこと。
新芽を見つけること。
夕陽の美しさに感動すること。
顔色が優れないから早く寝ようと気づくこと。
もらったミカンのおいしさ。
どんなに忙しくても、
スピードを緩める勇気がほしい。
もう一度ギアを上げるのにはパワーがいるけれど、
緩めた先にはきっと、
ほっとできる
大事なものを愛でる時間が待っている。
今日のスノードロップを写真に収める。
私が花や空の写真が撮ることが好きなのは、
「今」を止めることができるからだ。
流れていく時間を少し止めて、
今この瞬間を味わうのが好きなのだと
やっと気づく。
今を全速力で駆け抜ける私に、
「ちょっと一息入れなよ」と
スノードロップが教えてくれた。