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あの「キャズム」を飛び越える方法がわかった

今日も多数の新製品が世に送り出されています。しかし、生き残れる製品の数はそう多くはありません。その中で不思議なのは、一時期大きな話題になったのに、いつの間にか市場から消えてしまった、あるいは極めて小さなニッチ市場で細々と生き長らえている、といった製品が案外多いことです。

たとえば携帯型情報端末、いわゆる「パーソナル・デジタル・アシスタンツ(PDA)」も、大きな話題になった製品の一つです。一時期は、多数の企業がPDA製品を市場投入し、シェア獲得にしのぎを削っていたものです(あのソニーもそうでした)。

しかし、それも今は昔。いまではPDAという言葉を聞くことは本当に稀です(そんな言葉は知らない、という人もいらっしゃるかもしれませんね)。もはや利用している人はほとんどいないのではないでしょうか。

PDAのみならず、あれほど騒がれた新製品が、どうして普及することなく市場から消えていったのか。これに対してジェフリー・ムーアは、独自の理論を提唱しました。これが本記事で紹介するキャズム理論です。

話題の新製品が市場から消えた理由は何か?

ムーアによると、少数の進歩派によって構成される初期市場と、一般的な利用者からなる一般市場との間には、大きな裂け目が空いていると主張します。ムーアはこれを「キャズム(元は岩盤や氷山にできた亀裂のこと)」と呼びました。

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