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アンビエント・マーケティングってどういうこと?

マネジメントの神様と呼ばれたピーター・ドラッカーは、マーケティングを

「顧客というものをよく知って理解し、製品やサービスが『顧客』に『ぴったりと合って』、ひとりでに『売れてしまう』ようにすること」
(『マネジメント(上)』P・F・ドラッカー著、野田一夫、村上恒夫監訳、1974年、ダイヤモンド社、P100)

 と定義しました。

また、コトラーはこのマーケティング定義をもっと凝縮して

「ニーズに応えて利益を上げること」
(『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント(第12 版)』フィリップ・コトラー、ケビン・レーン・ケラー著、 恩藏直人監訳、月谷真紀訳、2008年, ピアソン・エデュケーション、P6)

と、たった15文字で表現しました。

ドラッカーやコトラーが言うように、企業のマーケティングにとって、「顧客を知る=顧客ニーズを知る」ということは、極めて初歩的かつ基礎的な活動です。そして現在、この基本活動が「アンビエント・マーケティング」によって強力に推進されようとしています。

アンビエント・マーケティングとは何か

少々聞き慣れない言葉かもしれませんが、アンビエントとは、「自然に身の回りにある」というのが本来の意味です。19世紀末に活躍したフランスの作曲家エリック・サティは、「家具のようにただそこにあるような音楽」のことを「家具の音楽」と呼びました。

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