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2024.06.25〜06.30 中国ツアー(北京&上海編)Report【布】

明日の叙景、ボーカルの布です。
中国ツアー後編を書いていきます。

前編はこちら↓↓↓


3日目 移動日

オフですがゆっくりはしていられません。
広大な中国大陸を縦断するため、広州から北京への移動は飛行機です。
こう思うとヨーロッパは一つ一つの国がコンパクトなのでバンで移動でき、交通手段が煩雑にならず、待ち時間も少ないのが魅力的。
どちらかというと僕は車だけで移動できる方が好きですね。
逆に色んな乗り物に乗りたい人には中国ツアーおすすめですよ。

空港にて
北京の位置

さて、ここで驚くべきことは北京の乾燥具合。脅威の湿度20%前後。
サハラ砂漠並みの湿度を誇る機内から北京の乾燥というコンボに見舞われます。

軟口蓋くん「湿気ある?」
北京・飛行機「ないぞ」
軟口蓋くん「(TT)」

喉のダメージはゼロですが、軟口蓋は少し荒れていたので、ちょいしんどい。
湿気あった方が回復が早い気がするんですけど医学的根拠があるかは不明。

北京に着いてからは明日の叙景チーム内にもマスク着用者が増え、Spectral Woundチームの中にもマスク着用者が現れました。すぐ外していましたが。

北京アンダーグラウンド

ただ、とにかく洗濯物がよく乾く。それについては大変助かりました。
ホテルに干したら6時間でもうカラカラ。ライブもないので、調子乗って洗う予定のなかった服も洗濯しちゃいました。

しかし、ヘルシンキやグラスゴーよりも洗濯物乾くのが早いとは恐ろしい乾燥具合。
果たしてツアー後半に北京というスケジュールは吉と出るか凶と出るか?

4日目 北京 OMNI SPACE

起床

北京の乾燥をなんとか乗り越えた。
ちょっと心が折れかけましたが、美味しい朝食を済ませていざ会場へ。
優しい味のお粥がベスト!
いいこと探しは大事。

朝食

ライブレポート

北京のライブハウスはOMNI SPACE。

OMNI SPACE

初めての会場ですが、真っ先に思ったのが「ドラムの位置高っ!?」ということ。
本当にXかよってくらい高い位置にドラムが置かれており、謎にテンションが上がりました。

ドラムジャックGen
ドラム取り返した。

北京公演からは中国のポストブラックメタルバンドDopamineが参加。
学生の頃によく聴いたバンドなのですが、共演する機会があるとは想像していなかったですね。
音源よりも鋭く、空気を引き裂くような超高音のデプレッシブ怪鳥シャウトは間違いなく僕の音楽体験の中でも指折りの手法です。とてもかっこいい。
シンプルで哀愁的な曲もよい。
泣ける。

Dopamine

楽屋で出番を待つ間、発声練習をしていると視線を感じ、振り向くとSpectral WoundのJonah(Vo)が物陰からこちらを覗いておりました。
目が合うと口に手をやって「きゃっ! バレちゃった...///」みたいな反応。
このおじさんcawaiiかよ。こっちも可愛さでは負けられねぇ。

自分たちの公演では「遠雷と君」の後半語りパートで手拍子を初めて求めたのですが、これがかなりハマりましたね。
日本でもやります。

フロアの真ん中では数人がサークルモッシュをしており、学生ノリみたいな感じはどこかリトアニア公演に近いものを感じました。
微笑ましい。

ただ、やはりドラムの位置が高く、聴き取りづらかったため大苦戦。
ドラムの位置は重要です。

でもJonahから「いろんな声出せるし、いろんなポーズも取れてすげえな」と褒められたのでひとまず良しとしましょう。

Photo by DU

5日目 移動日

北京から上海への移動はお馴染みの京滬高速鉄道。
5時間くらいかかるので東京〜大阪間の移動が一瞬に感じられます。

上海の位置

中国マジで広い。
そして車窓から見えるのは圧倒的平地。もう少し山とか丘とかあってほしい。
これだけ高低差のない土地なら川の流れがゆっくり、かつ距離が伸びるので濁るのも頷けます。(水深の浅さや土壌の影響なども考えられます)
根本的に日本の川と大陸の川はあり方が違うのと、それに伴って清濁への意識も民族ごとに変わるんですよね。
日本の土地は高低差が大きく、国土が狭いので川の流れが急で短く、水が濁る前に海に流れ着く傾向にあります。そのため「澄んでいること=清浄」という美意識が強まりやすい。(日本でも距離の長い川は結構濁ってますが)
イザナギが黄泉の国から帰ってきた際、身体を川で洗うのも水の浄化作用を信じる日本古来の美的感覚や衛生観念の表れなのでしょうね。
だから自分たちから見ると大陸の白く濁った川に少し抵抗感を覚えますが、それを当たり前と捉えている人々がいることもまた事実ですし、その意識の違いに貴賤はありません。
他の国の人からしたら日本の慣習とか常識に抵抗感を覚えることもあるでしょうし。

車中での昼食はバーガーキングだったのですが、身体に馴染んだ味に落ち着きます。
なんなら身体がすんなり受け入れるので健康的な食事のようにさえ感じました。
「ツアー中、食べ慣れたもの入れた方がいいっすよ」とはサポートギターGenさんの言葉。箴言である。
現地の食事を口にすることは発見や感動もありますが、どの国でも同じ味を提供してくれるチェーン店に助けられることもあります。

上海の街並み

「あっ、湿気ある」

上海に着いて途端に笑顔になっちゃいました。
脅威の湿度80%台。同日の深圳と広州以上にウェットな街です。
いいね。軟口蓋くんも喜んでます。

バスでホテルへと移動中、上海の高層ビル群を眺めていると自然とTHE BACK HORNの「上海狂騒曲」が脳内再生されました。

せえので駆け抜けろ。燃え上がる摩天楼~。

しかし北京とのギャップがすごい。
北京はプリミティブで古き良き中国の景観を保持しており、風情がありつつも滞在しているとどこか背筋が伸びるのに対し、上海の街並みからは東京っぽさを感じました。北京は京都に近いでしょうか。
結構落ち着く。

ホテルに荷物を置いて夕食へ。
鍋料理に麻婆豆腐、青梗菜の炒め物などが美味。
そして、ここに来て漫画日本昔ばなしばりの白米が到着したことで涙を禁じ得ませんでした。

黄色いのはトウモロコシのお団子。
ホットケーキみたいな味。
こういうのでいいんだよ 
こういうので

そこそこ腹ごしらえも済み、向かいにある商店にぶらっと入ったのですが店内にインコの鳴き声が……そして棚の陰からインコを鷲掴みにした幼女登場。
旅先におけるNO CONTEXT KIDSには癒されます。
ショッピングモールとか機内で駄々こねて、お父さんを困らせる少年とか万国共通すぎて逆にいいですよね。

メタルバー CAVE
ポスター沢山

そして、その後はメタルバーへ繰り出しました。
Dopamineのギターさん(名前聞きそびれてしまった......)に「Black Kirinはまだ活動してる?」って聞いたら「あまりしてない」との解答。メンバーが多く、トラディショナルな楽器も使うため、経費がかかりライブを一回するのも大変らしい。
まあ確かにブラックメタル版女子十二楽坊みたいなものですしね。

ん?
めっちゃ気になる。

店には明日のライブを観に来る若い子達がいて話しかけられたのですが、まさかの高校生。そして、これから大学生とのこと。
中国は確か6月卒業の9月入学でしたっけ?
ブラックメタルが好きな理由などを話しました。
日本語が話せる方もいて、ちょくちょく通訳してもらえました。感謝。
その方たちの一人がどうやら大学生になったらバンドを始めるそうなので、また中国におもしろいバンドが誕生するかもしれません。

ノーコンテキスト日本語

いい気分でホテルに帰って明日も頑張るぞと思ったのも束の間「あれ? 洗濯物乾いてない」と気づく。

シッケアール王国の洗濯事情はシビア。

6日目 上海 MAO

土砂降り

朝、水音で目が覚めると外は豪雨でした。
どうやら上海にも梅雨はあるそうです。そりゃ湿度90%ですわ。
湿気が欲しいとは言ったけどそこまでは求めていない。

でも中国の人はたくましいというか、悪天候のなかでも原付で街中を機敏に移動しております。

ライブレポート

ツアー最終公演は上海MAO。
Betcover!!やCrystal Lakeもライブしたことのある大きな会場ですが、今回は4バンド出演する公演ということもあり、見事ソールドアウト!

WESENS DUNKELSTUNDEN

会場には「OTAKU'S NIGHT」という名物の企画?のポスターがあったり、やなぎなぎも今月ライブしていたりと明日の叙景と文脈がほどよくつながっておりますね。

OTAKU'S NIGHT
OTAKU'S NIGHT

そして本公演で追加されたのは中国の英雄Zuriaake。(写真撮ってない……)
Wacken Open Airにも出演しており、昔CoholとCult of Fireと一緒に日本ツアーをしたことのあるバンドです。
渋谷eggmanでの来日イベントはとても楽しかった記憶があります。

最初は2組だった今回のツアーもついに4バンド。
回を追うごとに道連れが増えるさまはRPGのよう。
全バンド、ブラックメタルをモチーフにしつつも、それぞれ大事にしていることが異なり、バラエティに富んだブラックメタルの祭典になったのではないでしょうか?

Spectral Wound

大抵、ライブって2階のゲスト席はあまり盛り上がらないのですが、今回は2階席のお客さんたちもノリノリで結構驚きました。とても嬉しい。
あと「Make some noise!」や「Raise your hands」みたいな煽りをしっかりと受け取って楽しんでもらえたのは自信にもつながりますね。
こちらから遊び方を提案することって大事だなと体感しました。

Photo by 伦

ステージの前に出るだけでお客さんたちが手を伸ばして殺到する様は韓国公演を思い出すほどで、とにかく熱量がすごかったです。

Photo by 伦

ただ、最前にいたコープスペイントした人が、こちらのアクションに一切反応せず、徹頭徹尾、微動だにしなかったのもまた最高でした。
そこに本来の自分を見た。

Photo by 早海
Photo by :Golgatha

そしてステージの上が暑い!
あと、謎の紙がやたらとステージに落ちてくる!

「福」なら縁起物だと判断できるが...。

歴代でもっとも汗をかいたライブはあっという間に終わってしまいました。
計4バンドが出演する長丁場の中、トリのバンドにもがっつりと付いて来てくれたお客さんたちに改めて感謝です。

Photo by ALNeo

あとがき

2度目の中国ツアー堪能。
本当に楽しかったです。
谢谢大家!Thank you all!!

ひとまず、Alipayが使いやすくて安心しました。
導入の際にパスポートとクレカの情報をアプリに入れるだけで使え、現地の店員さんが優しく操作方法を教えてくれたので助かりました。

また印象深かったのが、Spectral WoundのIllusory(Drs)が上海でのライブ後、夕食へと向かう途中、小雨が降る街中でビニール傘を使って「雨に唄えば」を歌い踊っていたことですかね。映画のワンシーンのようでした。
しかし彼の頭の中にあったのは原作の方か、それとも「時計じかけのオレンジ」の方か……。
ちなみに僕は「時計じかけのオレンジ」は小説の方が好きです。

さて、明日の叙景はこれから夏〜秋にかけて国内で継続してライブするので是非よろしくお願いします!

See you again!!

ライブ情報

2024.7.6(土) 新代田 FEVER
くゆる pre.「SHIV」
https://t.livepocket.jp/e/kuyuru_shiv

2024.8.18(日) 渋谷CLUB QUATTRO
RAY presents「Destroy the Wall」
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=J6120008

2024.9.29 (日) Veats Shibuya
2024.10.6 (日) 大阪バナナホール
Imperial Circus Dead Decadence×明日の叙景 2MAN SHOW
『神産む嵌合体と詩葬の彼岸』
イープラス
https://eplus.jp/sf/word/00001163

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