見出し画像

芦雪の虎に顔を埋めたい『長沢芦雪 奇想の旅、天才絵師の全貌』

大阪中之島美術館で開催中の中之島美術館へ。
『長沢芦雪 奇想の旅、天才絵師の全貌』が開催中。
伊藤若冲、曽我蕭白とともに「奇想の画家」の一人として、また現在は癒し系のゆるふわな動物を描く画家として若い子の間でも人気ですよね。

当時芦雪がそれを狙って描いたのかどうかはわかりませんが、実際に見ると感じるものがあるかな、と楽しみに赴きました。


芦雪の初期から晩年まで、といっても45年の生涯。
毎回こういう画家の回顧展で思うのですが、ぜひ各作品のところに(〇〇歳の頃)というキャプションを添えてもらえてらいいのに・・・。
と思いませんか?

芦雪45歳の生涯って・・・。
私44歳なんですけど・・・。
何も…成し遂げてない・・・。
最近見た画家だと、岸田劉生も38歳で亡くなってるし、エゴン・シーレなんて28歳だよ・・・。

と、いつも勝手に自分と照らし合わせて、天才の凄さをさらに実感するんですよね。

話はそれましたが、今回の展覧会。
芦雪の技法の巧みさ、構図の斬新さ、間近で見ることができました。

着色の虎は毛が一本一本丁寧に描かれ、もう触りたくなるほどのフワフワ感。足ももふもふしていて、うちの実家で飼ってる猫と同じ。顔を埋めたくなる。
あの時代虎は実際に見たことないこともあり、芦雪の中では猫も虎も同じく愛らしかったんでしょうね。
でも芦雪の描く猫はそんなに可愛くないんですよね…。
子犬は可愛かった。

今回残念ながらタイミング合わず見れなかった無量寺の「虎図襖」も迫力ありながらもどこか猫のような愛らしさがありますもんね。
「竜図襖」も見たかったな・・・。ぜひ無量寺で畳に座ってみたいです。

「龍虎図」は見れませんでしたが、後期のみ展示の「龍図襖」もとてもよかったです。
襖の中でカクカクと畝るように舞う龍の躍動感。

どの作品も墨と筆だけで立体感、陰影、濃淡、剛柔を表現していて、凝視し過ぎてガラスに顔ぶつけているマダムもいましたが、その気持ちめちゃくちゃわかります。

他には師匠丸山応挙と並べて飾られた「牡丹孔雀図」や「幽霊図」。
比較すると私的にはなんとなく応挙の方が高貴な感じがして、反対に芦雪には親しみやすさを感じました。

また同時代の伊藤若冲、曽我蕭白の作品もありました。
若冲の「象と鯨図屏風」も見れてラッキー。

と、お目当ての「龍虎図」は見れませんでしたが、十分満足な展覧会でした。

外にはヤノベケンジさんのシップスキャットがいましたよー。

『特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー』
大阪中之島美術館 4階展示室

2023年10月7日(土) – 2023年12月3日(日)
前期:10月7日(土) – 11月5日(日) 後期:11月7日(火) – 12月3日(日) 
*月曜日(10/9を除く)、10/10(火)休館






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?