癖毛とアイドル
崇拝しているアイドルがいる。
何年経ってもかわいくて、世界一好きだ。
その子のサラサラ黒髪ロングストレートに憧れて、どうにかサラサラ黒髪ロングストレートにできないかと試行錯誤したが、わたしはここ1年ショートカットだ。
そう、夢のサラサラ黒髪ロングストレートをわたしは諦めたのだ。
わたしの毛は太く、毛先だけ強烈な癖が出る癖っ毛だ。
父はハゲているがわたしは毛量が多く、ハゲる予感もない。
今思えばもうこれはサラサラ黒髪ロングストレートになるには詰んでいるのだが、わたしは努力した。
まず髪を胸まで伸ばした。
が、何もしていなくても毛先を巻いたようなゴージャスな癖がつく。
ストパーを当てようとしたが、美容師さんからは諦めて癖毛を楽しんだ方があなたのためですよと言われた。
じゃあ髪のケアを頑張ろうとありとあらゆるものを試したが、剛毛故に理想のサラサラヘアーにはならない。
処置としてストレートアイロンをあてていたが、できあがりは日本人形みたいだし、すぐ癖毛が勝ってしまう。
これは無理だと諦め、わたしはボブになることにした。
ボブはなかなか評判が良かった。
毛量が多いことが幸いし、丸くて重めのボブにすることができたのだ。
だが、癖毛が問題だった。
美容師さんがどれだけ頑張っても、わたしの髪は右にはねたのだ。
風に靡いてるのか?というくらい、両サイドの髪が右にはねていた。
はねていたというか、もう尖っていた。
アイロンでなんとか整えて出かけても、半日経てば尖っていた。
耳に髪をかけごまかしていたが、そんな自分が嫌になり1年前に思い切ってショートカットにした。
「ほんとは黒髪ロングストレートに憧れている」
と、常々担当の美容師さんに言っていたので美容師さんはいいんですか?!とびっくりしていた。
「ショートにしたあと泣かないでくださいね…」
一言忠告があったあと、美容師さんは思い切りバッサリ切ってくれた。
髪が軽くてめちゃくちゃスッキリして見える!
わたしにしっくりくるのはこれだったんだ!
と、美容師さんに感謝した。
美容師さんは口がうまいので、帰りに絶対声かけられますけどついていっちゃダメですよ!と、毎回言う。
わたしもわはは〜声かけられちゃうねこりゃと言い、ニコニコしながら外に出たのを覚えている。(もちろん声はかけられたことがない)
それ以来楽だし変にならないし、わたしはショートカットを貫いている。
未だにアイドルのような黒髪ロングストレートに憧れはあるが、憧れと似合うものは違うんだなとやっと気づけた。
また、髪切りに行くぞ!