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初乳のおはなし

今日は牛の出産と初乳について、お話したいと思います。

牛は人間と違って、胎盤に厚みがあり、お母さん牛の
お腹の中で、仔牛は免疫をもらうことができません。

産まれたばかりの仔牛はすぐに立ち上がり、乳を飲もう
とします。
これは、体に病原菌が入ってくる前に、免疫を獲得
しようとしているのです。

まさに仔牛にとっては「命綱」とも呼べるこの初乳は、
私達が普段、牛乳として飲んでいる物とは、まるで
別物です。

初乳と牛乳を並べてみました。
右側の黄色い方が初乳です。
触るとベタベタして、バターを溶かしたみたいです。

出産した日は母牛の体調を崩さないためにも、仔牛が
飲む分だけを搾ります。

仔牛は大体、1日に5ℓ位飲みます。

出産から1週間もすると、母牛は1日20~30ℓ
の乳を出すようになります。

こうなると、ある程度は搾ってやらないと乳が張って、
母牛を苦しめることになります。

しかし特殊な成分の初乳を出荷したり、加工して
販売する事は法律上、できないのです。

酪農家はこの貴重な初乳を無駄にしないよう、
「牛乳豆腐」という自家製のチーズに
加工してきました。
販売できないので、家族や近所に配ってきました。

今では日本でも「モツァレラ」や「カチョカバロ」
といったヨーロッパからきたチーズを作って販売する
酪農家も増えました。

しかし酪農家からすれば、一番なじみのあるチーズ
といえば、「牛乳豆腐」なのです。

一見、地味なこのチーズの存在をなんとか皆さんに
知ってもらいたいと、一般に流通できる生乳を使い、
現代風にアレンジしたのが「秘密のチーズ」です。

本来であれば、豆腐と名の付くチーズなので、鰹節と
醤油で食べる農家が多いのですが、おしゃれに楽しんで
欲しいという想いと、賞味期限の短いフレッシュチーズ
を傷めずに皆さんにお届けしたく、試行錯誤を重ね、
ワインビネガーとオリーブオイルに漬け込みました。

茹でたジャガイモや豆類、パプリカなど、甘みのある
野菜との相性抜群です。
ぜひ、地味で今まで知られてこなかったこのチーズで
皆さんの食卓に華を添えてください。

https://minne.com/items/22367548


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