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【ドライブ企画】宗谷岬から札幌まで一回も信号を通過せずに行ける説

2024年9月末。

前からやってみたかったドライブ企画「宗谷岬から札幌まで一回も信号を通過せずに行ける説」を実行しました。

思いのほか反響が大きかったので、私自身もびっくりしております。

ルール説明

基本ルールは以下のとおりです。

① 札幌の市域に入った時点で企画達成
流石に200万人近くが住む大都市札幌の中心部まで信号回避は無理でしょう。札幌市に入ればOKとします。

② 信号が設置されている場所を避けて走行
「信号に引っかからない」ではなく「信号を通過しない」がルールです。信号の回避に失敗したけど青だったからセーフ!はダメです。

③ 点滅信号や歩行者用信号も避けて通行
一般的な信号機に加えて、これらも通行不可とします。

④ 踏切や工事の交通整理に伴う信号は通行可。
今回鉄道は企画に関係ないので踏切はOK。下調べ不能な工事の交通整理も通っていいことにします。

⑤ 高速・自動車専用道路は使用禁止
当たり前ですね。これがOKだったら高速に乗った途端に札幌ゴールまで真っしぐらです。何の面白みもないです。下道限界ドライブは、このアカウントの十八番おはこです。

※ここには書いていませんが、食事や宿泊などの理由で一旦企画を中断し、ルートを外れて寄り道をすることは可能とします。あくまで「宗谷岬から札幌まで信号を通過せずに行けるルートがあるかどうか」の検証です。

では前置きはほどほどにして、本編を、ドゾ。

第1セクション「最北端を脱出せよ」

2024年9月29日、
午前9時。

/ ドン! \

自宅から約40分。
日本最北端の地「宗谷岬」にやってきました。

ここには日本最北端の信号機がありますので、これをスタート地点として検証を開始します。

300km以上先にある札幌市まで、信号を通過せずに辿り着けるのでしょうか…?

それでは行ってみましょう!

🚗三

宗谷岬の前を通る国道238号線には、稚内の市街地方面にもオホーツク沿岸方面にも、すぐに歩行者用信号があります。

稚内方面、宗谷中学校前の信号。
オホーツク方面、宗谷漁組入口付近の信号。

最初の難関であるコイツらを回避するため、まず初手は左でも右でもなく、に進みます。

宗谷岬の南側にある高台、実は車で登れます。
飲食店や祈念碑があり、
宗谷岬とサハリンを上から俯瞰できます。

放牧中の宗谷黒牛さんたちを横目に宗谷丘陵を走行。

宗谷丘陵の周氷河地形。
宗谷岬→宗谷丘陵

しばらくして現れる「白い道」という看板の案内に従っていくとここ↓に着きます。

じゃじゃ〜ん!
帆立の貝殻を敷き詰めて作られた
人気スポット「白い道」です。

稚内が誇る映えコースを使って、国道238号線に戻ります。

白い道の出口は先ほど紹介した宗谷中学校前の信号よりも先にあるので、これにて最北端を脱出です。

宗谷丘陵→白い道

国道に出たあと稚内方面に向かうのですが、このまま市街地に突入してしまうと間違いなく信号に出くわすため、手前で左折します。

稚内空港の手前を曲がり、
沼川にやってきました。
ここはまだ稚内市です。
この集落には信号がありません。

ミルクロードと呼ばれる道で稚内の市街地を迂回してもよかったのですが、今回は沼川へ抜けました。

沼川は内陸ゆえに冬の冷え込みが厳しく「稚内でマイナス〇〇℃を観測!」みたいなニュースが流れている時は大抵沼川ここが叩き出した気温です。

第2セクション「海沿いか内陸か」

無事に宗谷岬エリアの攻略を終えましたが、今後の方針は非常に重要です。日本海側を攻めるか、このまま内陸を行くか、あえてオホーツク側に出るか…

沼川を出発し、
内陸ルートの国道40号線に合流。
沼川→国道40号

国道40号線には高規格のバイパスが存在していますが、自動車専用道のためこの企画で通行することはできません。国道40号の旧線を走ります。

国道40号合流→豊富とよとみ
豊富の市街地を迂回。
利尻富士が綺麗に見えています。
絶好のドライブ日和です♪

豊富を迂回してからやってきたのは、幌延ほろのべ町。セイコーマートにピットインして小休憩。

豊富→幌延
本企画でもお世話になります。ペコリ。

2020年に架け替え工事が完了した天塩てしお大橋を渡ると、日本海側を通る国道232号線との分岐があります。

新しくなった天塩大橋。

ここでは海沿い方面にいかず、引き続き国道40号沿いに南下します。

のんびり〜♪まったり〜♪
幌延→雄信内

このまま内陸ルートを進むのかと思いきや…?

山道を越えて遠別えんべつにやってきました。
日本海です!
雄信内→遠別
遠別の市街地を迂回

しろまる調べによると、国道40号に沿って内陸ルートを進んだ場合、美深びふかの道の駅の先にある歩行者信号でゲームオーバーになる可能性があったため、一旦海沿いに出ました。

基本的に海沿いは迂回路が少なく詰んでしまう可能性が高いです。頃合いをみて内陸に戻りたいところ。

ちょうどお昼どきだったので
道の駅「えんべつ富士見」さんで補給。
米粉らーめん( 「・ڡ・)「

第3セクション「オロロンライン」

お腹もいっぱいになったところで、検証再開。

とりあえず国道232号線を使って初山別しょさんべつの手前まで南下します。

遠別→初山別
ところが国道232号線は
初山別村豊岬に信号があります。
これを回避するために一旦国道を外れ、
信号よりも獣の気配がする山道を抜けました。
豊岬→初山別市街
初山別市街地信号迂回

遠別→初山別でかなりテクニカルな迂回芸を披露しましたが、あとで地図を見返したところ、ここまでの遠回りはしなくても大丈夫そうでした。

豊岬、初山別の市街地ともに国道と並行する裏道に1本入るだけでなんとかなりそうです。

再び国道232号線で羽幌はぼろを目指します。北海道の日本海側(小樽〜稚内)は「オロロンライン」と呼ばれる絶好のドライブコースです。

束の間の海沿いドライブを満喫(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)♪

青い海と空が気持ちいいですね。
羽幌町の入口で出迎えてくれる、
巨大海鳥モニュメント。
羽幌の段階で天売てうり島、焼尻やぎしり島、
利尻島がぜんぶ見えていました。
本当に天気がいい。
初山別→羽幌

第4セクション「幌加内は安全地帯?」

羽幌から再び、内陸に入ります

この先のオロロンラインは崖下の海岸線を縫うように走るため、逃げ場がないのです。しろまる調べでは苫前町力昼りきびるの信号が鬼門かと思われます。

羽幌市街地の手前を左折し、
国道239号線の霧立峠を越えます。
ちょっぴり秋の香りがします。
羽幌→霧立峠→添牛内そえうしない

峠を下って幌加内ほろかない町に入りました。

幌加内は内陸に位置するそばの名産地で、その人口は1200人ほど。北海道屈指の豪雪地帯でもあり、なかなか秘境レベルが高い場所です。あのセイコーマートさんすらありません。

そのおかげか、羽幌を出発してからかれこれ1時間近くとくに迂回措置をしていないのに信号の気配がありません。

この企画における安全地帯といったところでしょうか………?

国道同士の丁字路も信号なし!

しかし。

安全地帯だと思って意気揚々とアクセルを踏んでいると、突如。

!!

幌加内町政和にて歩行者用の信号に出くわしました。

この企画で注意すべき真のボスは市街地ではなく、こういった郊外にポツンと佇む歩行者用信号です。

あぶない、あぶない…

地方では子どもたちに信号というものの存在を教えるためなどを理由に「こんな場所に要る?」っていうはぐれ信号機が設置されています。

一本道にこれがあると詰みます。

(政和ここの信号はリサーチ済みだったので普通に迂回しました)

添牛内→政和
政和迂回


程なくして幌加内の市街地に到着。流石にこのまま突っ込むと信号があるため、いつものように迂回します。

幌加内の皆さま、こんにちは。
もうすぐ日没です。
政和→幌加内市街
幌加内市街迂回

幌加内から沼田方面に抜ける場合は、国道275号線を使うことで直接到達できます。しかし、しろまる調べによるとこのルートも途中の深川市鷹泊で回避不能な信号と出くわすため、一旦旭川の郊外まで行きます。

旭川の隣町、鷹栖たかす町です。
道中はけっこうな山道でした。
黄昏時の大雪山。
ちょっと上のほうが白い…?
幌加内市街→鷹栖
鷹栖→旭川嵐山

鷹栖からもうひと山越えて、旭川市嵐山付近まできたところで完全に日没となりました。

旭川ここで検証は一時中断とし、残りは後半戦に持ち越しです。1日目は稚内市宗谷岬→旭川市嵐山で、走行距離は約320kmでした。

とりあえずは信号を避けながら順調に進んでいます。果たしてゴールの札幌までたどり着くことはできるのでしょうか?

後半に続きます。

本日は旭川ここまで。
前半まとめ。

第5セクション 「点滅信号にご用心」

旭川からおはようござます。

前日に中断した場所から「宗谷岬から札幌まで一回も信号を通過せずに行ける説」の検証再開です!

朝もやの中、再出発。
安全運転で行きましょう。
再開地点近くの中学校前に信号があります。
(今年度末で閉校のようですね…)
嵐山中学校迂回
旭川市嵐山→深川市湯内
沼田方面ではなく一已いちやんに向かいます。
朝もやの中に浮かぶ深川市街。幻想的です。
北海道の朝は清々しくて好きです。


と、ここで
前方にあるものを発見!

/ ドン!\
/ ドン!\
/ ドドン!\

比較的交通量が少ない交差点に設置される、点滅式の信号機ですね。今回の企画ではこの子も立派な信号としてカウントするため、当然避けて通らなくてはいけません。

空知の田園地帯にはけっこうな数このタイプの信号があり、今後遭遇する度に迂回を余儀なくされます。

深川市湯内→北一已
信号がない交差点で国道233号線を越え、
踏切で留萌本線の線路を渡ります。
残り余命わずかな北一已駅に寄り道をし、
雨竜川を渡って国道275号方面へ。
北一已→雨竜
国道275号線信号迂回
本筋とは関係ありませんが、
面白内おもしろない川という面白い名前の川がありました。

第6セクション「再び山中へ」

点滅信号の恐怖と闘いながら、雨竜までやってきました。ちょっと道の駅で休憩します。

道の駅「田園の里うりゅう」
ここの道の駅には大泉さんがいます。
旅の成功を祈願しておきましょう。

その後も農道を上手く使い、信号を回避しながら国道451号線に乗ります。

この道で再び山中へ。
雨竜→新十津川

国道451号線は日本海側の浜益はまますへと至る道ですが、その交通量はかなり少なく、信号がぜんぜんありません。

道道28号線との分岐に着きました。
左折して当別とうべつを目指します。
新十津川→奥当別

道道28号線は「道民の森」や「当別ふくろう湖」などのレジャースポットをかすめながら当別川に沿って山を下ります。

今シーズンの走りおさめなのか、バイクの方がけっこういました。

当別ふくろう湖。
ふくろう湖を堰き止めている「当別ダム」

このまま信号に出会うことなく当別の市街地まで快走………

かと思いましたが、

/ バン!\

やっぱりありました。学校前の歩行者用信号機。ここ弁華別べんけべつの場合は廃校ですが、信号だけ残っているようです。

やっぱり農道の点滅信号と学校前の歩行者信号は、企画泣かせのツートップですね。

弁華別信号迂回
当別の市街地はお得意の農道で迂回します。
マラソン開催日だったら危なかったですね(汗
当別市街地迂回
冬は通行止めになる学園都市線の踏切。
当たり前ですが、
この企画は季節によって難易度が爆上がりします。
最後の市街地、太美ふとみ
(信号なくてよかったー!)
ロイズタウン前通過!!!
当別→太海

———さて、

信号が設置された場所を避け続けること
450km以上。

日本最北端から始まったこの企画も、
いよいよクライマックスです。

果たして「宗谷岬から札幌まで一回も信号を通過せずに行ける説」は立証できるのでしょうか?

最終セクション「札幌大橋の攻防」

目の前に立ちはだかる、
最 後 の 壁。

国道337号線との交差点を前に、私は途方に暮れていました。

それもそのはず。

ゴールの札幌市に到着するためにはこの信号を右折して、札幌大橋で石狩川を越えなくてはいけないのです。

どうしよう…

一応この近くに札幌市の市域が石狩川を越えて当別側にはみ出している場所があるのですが、確認してみたところそちらは市境の一歩手前に車止めがあり到達できませんでした。

札幌市が石狩川の対岸まではみ出している場所
(水と生きものの郷)
車の乗り入れは不可です。ぴえん。
※「どうしようもない」「手がつけられない」
の意をもつ方言

と、

いうわけで。

/ ババーン!\

ゴールまではあと一歩及ばず。札幌市の直前で門前払いという検証結果になりました。

いやぁ、惜しかったですね!

……

………

…………

……………

………………

…………………

……………………

………………………

…………………………

……………………………

………………………………

…………………………………

学生時代の原付ツーリングと、道民になってからの限界ドライブで鍛え上げられたしろまるの下道走行術が、こんなところで終わるのを許すはずがありません!

あったんですよ。奇跡の抜け道が………!

見つけてしまいました。

信号を通過せずに国道を越える唯一の手段。

勝利へのトンネルです。

〜♪ 〜♪ 〜♪

/ じゃじゃ〜ん!\

最後の最後で劇的な信号回避術を炸裂させて札幌大橋の攻防を制した私は、宗谷岬から一度も信号を通過することなく、札幌の地を踏むことに成功しました!

これにて本当に検証終了。
結果は

/ ババーン!\

2日かけて説、立証です!

ちなみに、全体の走行経路と最終局面のGPSはこんなかんじ↓

総合まとめ。
最後のGPS

あとがき

「宗谷岬から札幌まで一回も信号を通過せずに行ける説」を読んでいただき、またエックスでの実況にお付き合いいただき、ありがとうございました。

稚内市民として、ドライブ好きとして、なんとか使命を果たせた気がします。(ホッ

今回の企画は行き当たりばったりではなく、事前に下調べをして「行けそう」だと判断したうえで実行しています。

途中にも書いたとおり北海道は冬期通行止めの道が多く、冬の説立証は厳しいと思います。雪が降ってくる前の駆け込みドライブでした。

実際に走ってみると、思いのほか市街地の迂回路が充実していたのが印象に残っています。下手すれば道の選択肢が少ない田舎よりも、ある程度都市部のほうが信号を回避しやすいのかもしれません。

なので、道外でも結構な距離をノーシグナルで走れる可能性はじゅうぶんあります。全国の変態ドライバーの皆さま、ぜひ地元でチャレンジしてみてください。

「宗谷岬→札幌」の江別・北広島側からの侵攻や「納沙布岬→札幌」の検証も………誰かお願いします(っ'-')╮=͟͟͞͞ポイッ

(おわり)

※企画中のルート記録に使ったアプリは「ルートヒストリー(iOS版)」、某TV番組風の画像生成に使ったのはこちら↓のジェネレーターです。

#ドライブ
#旅行記
#北海道

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