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どの時点で判断??タックスヘイブン対策税制の判定時期

外国関係会社に該当するか否かの判定時期

A:各事業年度終了時の現況により判断します。
したがって、事業年度中の株式の異動に関係なく、事業年度末の状況で外国関係会社、合算課税の対象となる法人か否かの判定を行います。

(租税特別措置法施行令39条の20)

法第六十六条の六第一項、第六項又は第八項の場合において、外国法人が同条第二項第一号に規定する外国関係会社(以下この項及び次項において「外国関係会社」という。)に該当するかどうかの判定は、当該外国法人の各事業年度終了の時の現況によるものとし、内国法人が同条第一項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、これらの法人に係る外国関係会社の各事業年度終了の時の現況による。


適用除外要件(経済活動基準)を満たすか否かの判定時期

A:その事業年度中の事業内容から総合的に判断します。
株主判定とは異なります。

つまり、事業年度末に経済活動基準を満たしている=合算課税の対象外ではありません。

これまでと事業内容が大きく変わっていないにもかかわらず、事業年度の途中で事務所を賃貸した、現地スタッフを雇用した、取締役会議事録を作成した、などの形式的な要件を整えただけでは経済活動基準を満たしていないと判断される可能性もあるので注意が必要です。

税務調査では「実態基準」と「管理支配基準」について議論になることが多いです。
このうち「管理支配基準」については、下記の判定基準を示した通達が参考になります。

(措置法通達66の6-7)
「その事業の管理、支配及び運営を自ら行つている」こととは、外国関係会社が、当該外国関係会社の事業計画の策定等を行い、その事業計画等に従い裁量をもって事業を執行することであり、これらの行為に係る結果及び責任が当該外国関係会社に帰属していること

(措置法通達66の6-8)
その事業の管理、支配及び運営を本店所在地国において行っているかどうかの判定は、外国関係会社の株主総会及び取締役会等の開催、事業計画の策定等、役員等の職務執行、会計帳簿の作成及び保管等が行われている場所並びにその他の状況を総合的に勘案の上行うことに留意する。

また、持株会社の管理支配要件に関するQ&Aですが、

「管理支配会社の行う事業の遂行上こくことのできない機能」の例として以下のものが列挙されており、参考になります。

1.事業に係る資金調達のために他の事業のリスク等から隔離する機能
2.現地企業等との共同事業を円滑にする機能
3.事業に係る資産の管理・売却等を容易にする機能
4.事業に係る訴訟リスク等を遮断等する機能


適用除外要件を満たすか否かは非常に複雑です。専門家とよく相談して判断してください。

関西出身の会計事務所ベテランスタッフ「とり君」が教える、税務のハナシ。 国際税務から海外進出・連結納税・連結決算・IFRS 対応・公益法人支援まで幅広くわかりやすく解説します。