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人は生まれたとき天使だった

今日は先ほど読み終えて感動しっぱなしの本をご紹介したいと思います。

「あふれでたのはやさしさだった
 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室」
 寮 美千子さん 著

絵本を書かれている寮さんが、あるとき少年刑務所の子たちに授業をしてほしいと頼まれます。最初は絵本の朗読から始まり、実際に少年たちに朗読劇をやってもらい、徐々に自分で詩を作るところまでやってもらいます。
自分を表現することで心を開き、本来持っていた優しさ、純粋さが溢れてきて、どんどんいい方向に変化していく様が書かれています。

前にも書いたことがありますが、人は生まれながらに悪い人なんてひとりもいません。
もし過ちを犯したとしても、必ずなんらかの理由があってそうなってしまったということです。

だからといって犯罪そのものを擁護するわけじゃありません。
ただ、一度罪を犯したらもう人生終わりみたいな、そんな不寛容な世の中でいて欲しくないなと思うんです。少年であれば尚更のこと。

罪を犯した人を人として見なくなり、自分とは全く違う、理解できない世界の人間だと、ボーダーを引いて寄せ付けない。そんな分断された社会では、争いがなくなることはありません。

ただ私も、10年くらい前は同じような考えでした。
でも一人ひとりの人生にストーリーがあり、置かれた環境、関わってきた人たち、そういうものに影響されて、いつの間にか違う道を走ってしまう。
それを理解してから、私は人間を信じたいと思うようになりました。

人が生まれながらに持っている天使の心。
それが様々にねじ曲がってしまうほど、辛く苦しい体験をしてきたということです。
ここに出てくる少年たちは、特に大変な環境の中で育ってきています。
親から虐待されていたり、親がいなかったり、住むところも食べるものもないような状態で過ごしてきた子もいます。

もちろん罪は罪できちんと反省すべきだけど、同時に彼らの心をどう、生まれたときの天使の状態に戻していけるか。
社会全体で彼らを救い支援する体制づくり、そして価値観が変わっていかないといけないなと、強く思います。

感動を伝えきれないのですが、ホントに多くの方に読んで欲しい本でした💕

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