海外生活 │ ここには0か100かの人間関係しかない
私はシンガポールでの人付き合いが苦手だ。
日本の面倒くさい人間関係から解放されて、シンガポールの方が快適だという人が多いのに、私はそうではない。
一度知り合ってしまったらそこから逃れられないから。
お互いの歩み寄りで距離を決めることができないから。
距離を詰めたもの勝ち。
専業主婦として過ごす駐妻たちは、基本的に暇だというのが前提。
そして、この国ならではのものはみんなやってみたいに違いないという決めつけで話が進む。
だから、「◯◯やってみない?」という提案にNOという選択肢はない。
例えば、全然興味のないマイナーな映画作品に対して「今度この映画観に行かない?いついく?」と言われる感じ。
普通は、「来月公開のあの映画気になるんだよね」「私も」となってから一緒に観に行こうってなる。
仕事をしていた時は、仕事が忙しかったり、限られた休日はすでに予定が入っていたり、都合がつかないことが多々あった。
今は、都合があってしまう。
ゆえに、いくしかない。
そんなに嫌ならもう断ってしまえばいいという考えもあるけれど、海外での数少ない友達だから気を使う。空気を壊して「私それはいかないから」なんて言ったら、もう誘われなくなるだろう。
一切断ち切るか、頑張って行くか、
0か100なんだと私は思う。
今まで人付き合いは上手いことやってきたつもりだった。
すごく仲のいい友達もいるし、ほどよく同じグループにいる友達もいる。趣味が合わないなと思う会社の同僚とも、何気ない会話をしていい距離感を保ってきた。
でも、今はそれができない。
だから、苦しい。
就職活動していたころ、OBの人が言っていた。
迷ったら大きな会社に行きなさい。そうすればたとえ失敗してもやり直すチャンスがいくらでもあるから。
わかる気がする。
今はこの小さな世界で失敗するのが怖くて、無理して人とつながるしかない。
たぶん、私は広い世界の方が向いている。
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